「うぅん、どれが良いんだろうか」
その日、ショウマは悩んでいた。
近く、行われる清涼祭において、護衛を頼もうとしているカリュドーンの子の面々へのお土産。
彼らへの頼み事をする際に、どのような菓子が良いのか。
悩んでいた。
「うっん、やっぱり千束がいなくちゃ、決めるのは難しい」
その日、出し物の為に千束が駆り出されていた為、ショウマが一人で選ぶ事になった。
だが、お土産を渡す相手は、荒野で行動しているバイク野郎達。
だからこそ、お土産にする為のお菓子は、見た目や味だけじゃなく、相手の好みも考慮しなければならない。
「うん?」
そうやって悩む中、ふとショウマは声をかけられた。
振り返ってみれば、そこには一人の男が立っていた。
ピンクの柄シャツの上からのロングコートを羽織っているボサボサの緑髪の男だ。
その、あまりにも怪しすぎる風貌の男なので、ショウマは思わず警戒してしまう。
「(この人……誰?)」
見覚えのない人物だった。
こんな怪しい格好をした人間なら一度見れば忘れないだろう。
しかし、ショウマの記憶には目の前の人物はいなかった。
それどころか、自分の記憶の中に、このような不審者はいないと断言できるほどだ。
「おいおい、別にそんなに警戒するなよ、なんだか悩んでいる様子に見えるから声をかけただけだぜ」
そう、不審者は目元を隠しているサングラスをクイッと上げながら言った。
「……あなたは誰ですか?」
「俺か?まぁ通りすがりの親切なお兄さんとでも思ってくれたら十分だ」
警戒心剥き出しで聞くショウマに対し、不審者は軽く返す。
まるで、手慣れたように。
「にしても、さっきから菓子ばっかり見てるけど、お前さんの好きなものでもあるのか?」
「いえ、そういうわけじゃないです。ただ、みんなへ渡す為にどんなものがいいかなーって考えてまして……」
「なるほどね」
そう言いつつ、不審者の視線がショウマの手にある箱へと向けられる。
「へぇ、ビスケットなぁ」
「えぇ、まぁ」
「そいつらは、どんなのが好みなんだ」
「そうですね」
警戒を続けながらも、ショウマは、その不審者の質問に対して素直に答えていた。
それは、相手が自分よりも年上の大人であるということの他に、何か、話しやすい雰囲気があったからだ。
だから、ショウマは正直に答える。
相手の好みを知れば、きっと参考になるだろうと思ったのだ。
それに、なんというか、目の前にいる不審者が悪人だとは思えなかった。
だから、警戒しつつも、ショウマはその不審者と会話を続ける。
「その、お土産をあげたい人達はわいわいとした雰囲気が好きらしいけど」
「だったら、ポテトチップスとかどうだ?あれならパーティー用にもなるし、結構量がある」
「ポテトチップスか……うん、確かにいいかも」
「だろ?あと、これは余計かもしれないが、甘い物が好きな奴もいるんだったら、チョコクッキーなんかもいいと思うぞ」
「チョコクッキーか……うん、ありがとう!ちょっと買ってくるよ!」
そうして、ショウマは、すぐにレジに向かい、会計を済ませた。
「ありがとう、お兄さん」
「別に、ただの気まぐれだ。にしても菓子か、俺も久し振りに食ってみようか」
「それだったら、これを」
「んっ?」
すると、ショウマが手渡したのは。
「プリン?」
「良かったら」
そう、俺が言うと、不審者は少しだけ考える素振りを見せた後、受け取った。
「そうだな、じゃあ遠慮なく貰うぜ」
そして、俺はプリンを受け取るのだった。
「ありがとな、坊主」
そう言って、俺と不審者は別れた。
ショウマもまた、すぐに歩き出した。
その最中。
「それにしても、プリンねぇ、偶然とはいえ、怖いねぇ」
そうして、プリンを見つめながら、不審者がその懐から取り出したのは。
「さて、仮面ライダーへの襲撃は、そうだなぁ、明後日ぐらいだな」
プリンのゴチゾウがあった。
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子