千束が、ヴラムに襲撃される少し前。
その日、喫茶リコリコにおいて。
「それにしても、もう既に一年ですか」
「あぁ、本当に、君達がここに来たのも、つい最近のようだよ」
そうしながら、ミカとライカンは店の中で談笑をしていた。
既にリコリコの閉店時間も近くあり、作業を行っていた。
その為、突然の客の来店もない為に、ライカンもまた閉店作業を行っていた。
「ですが、去年の事もありますので、やはり少し不安ですね」
「そうだね、あの時も大変だったからね……」
二人して思い出すのは、去年のこの時期に起きた出来事。
学園祭に現れたグラニュートの騒ぎもあって、ショウマと千束は学園の祭りを十分に楽しむ事が出来なかった。
その事を残念に思っていた事もあり、今年の祭りでは十分に楽しもうと考えていたのだが……
「まぁ、それも仕方ない事だよね」
「はい、でも、また皆と一緒に楽しめるように頑張りましょう」
ミカの言葉に対して、ライカンは小さく微笑みながら応えた。
その時だった。
店の外から感じた殺気。
それが、一体何か。
理解するよりも前に、既に臨戦態勢に入っていた。
ライカンは、すぐに窓の近くまで寄る。
それと共に、ミカもまた、すぐに行動出来るように移動していた。
静かな緊張感が生まれる最中。
店のドアが開かれた。
「そう警戒するな、ここに赤ガヴがいない事は知っているからね」
「ジープ様っ」
店に入ってきた人物。
それは、ジープだった。
彼の来店に対して、ライカンは最大限の警報を鳴らしながら、臨戦態勢となっていた。
「こちらの店に、何のご用で」
「そうだね、あえて言えば、赤ガヴを叩き潰す宣言だね」
「ショウマ様をっ、そのような事は」
そう、ライカンが言おうとした時だった。
「そう言えば、赤ガヴと一緒に行動していた仮面ライダーの女。あいつって、今、一人で行動していないか?」
「っ」
ライカンの言葉に応えるように、ジープの一言。
それは一瞬でミカの反応を変えた。
ミカは、そのままスマホを取り出して、千束に電話する。
「あ、もしもしもしもし〜?」
呑気な声で、千束が応答した。
その時。
「千束!敵がオマエを狙ってる、今すぐ逃げろ!!」
「え?……ん?あっ、ちょ、ちょいちょいちょいちょいちょいちょい!!?」ガシャンッッ!!!!
すぐに千束に電話をかけるが、その先で聞こえたのは、何かがぶつかる音。
それに、顔色を悪くしたミカ。
それを見ていたライカンは。
「それじゃ、そういう事だから、赤ガヴ、早く呼ばないとヤバいんじゃない」
そうして、ジープは既に姿を消していた。
「ぐっ」
すぐにでも追うべきか迷ったライカンだが、その行動はショウマへの連絡に移った。
「もしも、ショウマ様と一緒にいるのがあの方達ならば」
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子