入学式から2週間。
ショウマは、初めての高校生活に対して、戸惑いを隠せなかった。
記憶はない。
未だに、どのようにすれば良いのか分からない。
頼みの綱である千束は。
『ショウマ君、これは試練だよ』
『試練?』
『そうっ、これはこれからの学園生活にきっと必要な事! これから多くの人と話す以上は、全て、私に頼りっきりじゃ駄目! だから、ショウマ君自身で友達を作るんだ!』
『なるほど!』
そう、千束からの言葉を聞いた後、ショウマは行動をした。
結果は、散々であった。
理由としては、常識があまりにもなかった。
記憶はない事もあり、多少の常識が違う。
それもあってか、クラスの多くが、ショウマに対して、距離を置いてしまう。
「どうしようか」
そう悩みながらも、ショウマは、その日、学校を見て回っていた。
元々、文月学園の護衛が任務あった為、ショウマは、比較的に自由に動ける方法を探っていた。
その最中で、教室で何やら物音が聞こえた。
気になったショウマは、その教室の中を見る。
(あれは確か吉井明久、それに確か坂本雄二だっけ?)
クラスの中でも目立っていた二人という事で、ショウマは彼らの名前をふと思い出した。
だが、彼らは遊んでいる様子もなく、どちらかと言うと喧嘩をしていた。
それを見たショウマは、すぐに飛び込んだ。
「喧嘩は駄目だよ」「なっ」「ふぎゃぁ!?」
ショウマは、二人の間に入り込んで、そのまま止めた、
雄二は、殴ろうとした拳を止められた事に驚く。
もう一方の吉井はショウマにぶつかり、そのまま反対に吹き飛ばされてしまった。
「あれ、吉井、大丈夫か?」
「うぐぅ、なんとかって、井上君! 止めないで!」
「止めないでって言われても、一体どういう状況なんだ?」
ショウマは、吉井の言葉に対して、疑問に思い、首を傾げる。
そんなショウマの背中を見ながら、坂本は別の事で驚いた。
(どうなっていやがる、俺は結構マジで殴っていた。だけど、途中で割り込んだとは言え、井上は意図も容易く受け止めた。体格とかもこっちの方が大きいはずなのに)
「とりあえず、事情を聞きたいけど、何か知っている?」
そう、ショウマが話しかけた先。
それには、吉井と坂本も疑問に思ったが、すっと現れたあのは。
「……気づいていたのか?」
「なんとなく」
そこから現れたのは土屋だった。
気配も感じなかった事で、二人は驚いていた。
一方、土屋は、そんな自分に気づいたショウマに反対に驚く。
「なんじゃ、騒がしいようじゃが、一体何が起きたんじゃ?」
「えっと、確か木下さんだっけ?」
「そういうお主は確か井上ショウマじゃったな」
そうして、新たに木下秀吉という人物も現れる。
最初に訪れたショウマに始めり、この場には既に5人の生徒が集まっていた。
「それで、これは一体どういう状況なんじゃ?」
「それが、俺もよく分からなくて、とにかく喧嘩を止めなくちゃって思って!」
「喧嘩は、確かにしていたよ! だけど、彼が島田さんに酷い事をしていたんだ!」
「「?????」」
状況が分からない最中、吉井と坂本。
両者のバラバラな言葉を聞いて、どちらが正しいのか。
ショウマと木下は、同時に首を傾げる。
その答えは。
「これで全部の事情が分かる」
その手にあったのは、カメラだった。
「これって、カメラ? 落としたの?」
「……まぁ、そんな所だ」
「いや、絶対に盗撮目的だろ」
疑問に思ったショウマは、土屋に質問する。
それに対しての土屋はすぐに答えたが、明らかに嘘である事は坂本はすぐに分かり、思わず突っ込んでしまう。
だが、土屋は、そんな言葉を無視して、再生する。
そこから分かった事は、教科書は不幸な積み重ねであった事が分かった。
「ごごご、ごめんなさい!」
「なんだよ、いきなり」
「いや、いきなり殴りかかって」
それと共に、吉井はすぐに坂本に謝り始めた。
彼らの殴り合いの原因は、そもそも、島田の教科書がボロボロになっていた。
そのボロボロにしていたのを地面に落ちており、それを拾った坂本。
そんな坂本を見て、島田の教科書をボロボロにさせたと勘違いした吉井が喧嘩を仕掛けた。
「とりあえず、誤解が解けたようだな、という事で」
「どうする、教科書って、どうやったら綺麗になれるのかな」
「はぁ?」
それにより終わったと思った坂本。
だが、それを遮ったのは、ショウマだった。
「綺麗にと言われても、ここまでボロボロだと元に戻せるのかなぁ?」
「アイロンにかけるとか?」
「服の皺ではないから無理だろ、それに下手したら火事になる」
「そうかぁ」
「だったら、裁縫みたいに、紙をつけるとかは?」
「継ぎ接ぎで、あまり見た目は良くない」
「うぅん」
そんなショウマに合わせるように、吉井、土屋、木下の三人は話し合っていた。
その会話を聞いた瞬間、坂本は頭を抱えてしまう。
(こっこいつらバカか!?)
まさかの行動に、坂本は思わず頭を抱える。
「あぁもぅ! てめぇら馬鹿か! 教師に事情を話して、貰ってくりゃ良いだろ!」
坂本の一言を聞いて。
『あっ、その手があった』
「こいつら」
声を揃った言葉に対して、坂本は思わず頭を抱えた。
「それじゃ、俺、先生に聞いてみる!」
その言葉と共に、ショウマはすぐに走り出した。
「あっ、おい、そんな急って、早っ!?」
坂本は、すぐにショウマを止めようとしたが、既にその姿は消えていた。
(本当に、化け物かよ、あいつは)
「全く、廊下は走っちゃ駄目だよねぇ」
「先生に捕まる」
「いや、注目する所、そこかよ!」
そう、坂本は、思わず突っ込んでしまう。
そうしている間にも。
「聞いてきた!」
「早っ!」
「結果は!」
「どうやら、先生も教科書を無くしたみたい」
「そんなぁ」
ショウマの言葉に対して、思わず吉井はうなだれる。
「なんでも『廃品回収車にうっかりと新品の教科書を捨てた』らしいんだ」
「そうか、それは先生も困るね」
「うむ、どうしたら」
「……いや、それ、普通にその廃品回収車から教科書を貰えば良くないか」
『はっ!』
「こいつら、やっぱり馬鹿だぁ」
坂本は、改めて彼らに呆れていた。
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子