たきなは、そのバーベキューの光景を見ながら、考えていた。
この喫茶リコリコでの日々は、リコリスとして生きていた彼女にとっては、とても新鮮な日々であった。
当初はDA東京本部への復帰に執着していたが、喫茶リコリコでの交流を通して考えが変わり、リコリコを自身の居場所として大切にするようになる。
だからこそ、今は悩んでいる。
(私は、彼らの力になれているんでしょうか)
その疑問だった。
喫茶リコリコでは、たきなが思っている以上に、彼女の事を大切にしている。
だからこそ、彼女は、自分に力がない事に悔しさがあった。
普段の、リコリスとしての仕事としては、たきなも十分に力になっている。
けれど、グラニュートとの戦いにおいて、彼女はあまり力になれなかった。
元々、グラニュートに対して、通常兵器では役に立たない。
だからこそ、それに対抗する為のライダーシステムだった。
しかし、そのライダーシステムは、既に千束が持っており。
それ以外は、彼らの通う文月学園の生徒達に配られている。
故に、グラニュートとの戦いでは、役に立てない。
「どうすれば」
その悔しさがあった。
その時。
「おやぁ、君って、もしかして、ショウマくんの妹さんだっけ」
「えっ」
聞こえて来た声。
それと共に見つめた方にいたのは、浴衣姿をしている一人の男が立っていた。
その男に関しては、たきなも名前だけならば知っている。
「酸賀さん、なんで」
「なんでって、言われてもねぇ、面白い所だから来たんだよ、まぁ結果的にあのライダーバトルを見られたのは」
そう、夜の祭りでの戦いの出来事を見ていた事に、今更驚かなかった。
「そうですか」
「まぁ、ショウマくんがあそこまで強くなるとはねぇ」
「はい」
酸賀は、心底嬉しそうに呟く。
対して、たきなは、その強さに。
どんどん離れていくショウマに寂しさを覚えた。
そんなたきなを見ていた酸賀が。
「おかげで、研究も進んで、僕も嬉しかったからね」
「どういう意味で」
そうしていると、まるでたきなが望む物を用意していたように。
地面に置いてあるスーツケースをたきなに、中身を見せる。
「これは」
そのスーツケースの中にあったのは、ヴァレンバスターとこれまで見た事のない黒いチョコルドゴチゾウ。
「これって」
「研究成果として造り出す事ができるようになったチョコルドゴチゾウと量産に成功したヴァレンバスターだ。最も、今は材料の関係で、ヴァレンバスターは千束くんとここにある物だけどね」
「なぜ、私に」
「ふふっ、それは、リコリスの中で、千束くんの次にグラニュートと戦っていた君に渡せば、そのデータがより集まりやすいからなね」
「・・・これが、あれば」
そう、たきなは、待ち望んだ力が目の前にあって、手を伸ばす。
その際に、酸賀は、チョコルドゴチゾウと共に、不敵な笑みを浮かべているのに。
たきなは気づかずに。
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子