「もぅ、本当に面倒な奴だよねぇ君は」
そうしながら、ビターガヴはその手にあるビターガヴブレイドを構えながら、たきなへと向けている。
声にはまるで優しさはなく、たきなの知っているショウマではない。
それを頭で理解していた。
(していたつもりだったのにっ、私はっ)
リコリコで兄妹という設定として活動していた。
店に来る客達からも揶揄われて。
学校での友人達にも言われながら。
千束と一緒に過ごしながら。
孤児だった自分に、もしかしたらいたかもしれない兄。
頼りになり、自分がいないと駄目な優しい兄。
そう思わせたショウマが。
「君を倒した後は、もっともっとぉ楽しまないとねぇ!」
その言葉は。
「もぅ、それ以上喋るなぁっ」
たきなには、耐えられなかった。
先程、破壊されたスーツケース。
そこには、スーツケースの中に入っていた銃のパーツが散らばっていた。
本来ならば、これだけで戦いたかったが、そうも言ってられない状況となった。
「どんな代償を支払っても良い!」
そう、たきなが掴んだのは、ヴァレンバスター。
それを渡した相手はどこか信頼出来なかった。
スーツケースの中にあった右目が赤く燃え上がるかのような黒いゴチゾウ。
それは、ショウマと千束が変身しているチョコのゴチゾウとは違い、その表情は不気味であった。
だからこそ、それを使う事を戸惑っていた。
けれど。
「私は」『チョコ!SETチョコ!SETチョコ!』
そのまま、彼女はヴァレンバスターにゴチゾウを装填する。
その変身方法は、千束の変身を長い事見ていた。
だからこそ、それを真似るように構える。
「私はっショウマと千束と肩を並べて戦う!だからっ」『Wow! Wow Wow!』
「何を言っているの君はぁぁ!!」
そうしている間にも、ビターガヴはそのままたきなに襲い掛かる。
その手に持つビターガヴブレイドでたきなの命を奪う為に。
しかし、たきなは、そんなビターガヴの懐に入り込みながら、ヴァレンバスターの引き金に指をかける。
「変身!」
その呟きと共に放たれた銃弾は、そのままビターガヴに当たる。
「ぐっこれは」
ビターガヴの身体に黒い水のように広がる。
しかし、そんなビターガヴの、その部分に向かって、たきなは蹴る。
それが合図だった。
『チョコルド パキパキ!』
ヴァレンバスターからの音声と共に、ビターガヴに染まっている黒は、たきなの身体を侵食する。
身体を覆う黒は、そのまま赤い雷と共に。
たきなを包み込む。
そうして、彼女は変わる。
千束が変身しているヴァレンへと。
だが、ヴァレンが本来ならば白い部分は黒いノイズのような模様が追加され、おどろおどろしくなっている。頭部の複眼にあたる部分も模様も相まってさながら怒っているように見える。
そうして、ヴァレンへと変身したたきなは、そのままビターガヴを蹴り飛ばす。
「姿が変わったっ」
それと共にビターガヴは、見つめる。
そこにはたきなが変身したヴァレン。
チョコルドフォームが、荒い息と共に構えていた。
「お前を、殺すっ」
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子