今作では、原作はバカテスを中心に、リコリス・リコイルと仮面ライダーガヴの物語を絡ませて、連載していきます。
また、この三作以外にも、クロスオーバーを予定にしています。
これから、よろしくお願いします。
錦木千束は一人暮らしをしている。
彼女は、とある事情もあり孤児ではあるが、一般の人よりも稼ぎはある人物である。
部屋は、一人で暮らすには広いマンションの一室である。
毎日のように来ている赤い制服を身に纏いながら、そのまま珈琲メーカーで珈琲を入れながら、窓を開けようとする。
千束にとって、窓の外の景色を見るのは朝のルーティンの一つである為、その日の朝もまた、外の景色を見ようとする。
「今日も良い天気で」
そう、ストレッチしようとしていた。
「えっ?」
だけどカーテンを開けた先、そこには千束にとって、予想外の光景があった。
ベランダの手摺りに、男が干されていた。
間違っても、千束は、このような場所に男を干す趣味はないし、昨日にはそのような出来事もなかった。
だが、なぜかそこにいる彼は、ベランダの手摺りに乗って、気絶している様子。
それに対して、驚いている間にも、人の良い千束はすぐに彼の安否を確認するように、窓を開ける。
「えっ、君! 大丈夫!!」
千束は大きな声を出しながら、問いかける。
千束の声に、ビクリっと反応する。
それと共に。
「……」
「えっ?」
一瞬、何か呟いた。
もしかしたら、誰かに追われているのか。それとも、何か事件に巻き込まれたのか。
千束は心配になって、駆け寄ると。
「おなかへった」
「えっ」
今度は、男の子が言った一言に、再び千束は固まる。
すると、男の子の腹部から聞こえた来たのは、ギュルグルルと鳴る音だった。
まるで何かを催促するように、男の子の腹が鳴る。
そして同時に、「くぅー」という可愛らしい音が響く。
それと共に、男の子は、千束を見上げる。
「ここは、どこ?」
その言葉に対して、呆然としながらも、千束は答えてやる。
「いや、私の部屋だよ。それより、どうしたんだ? 君は一体どこから来たのかな?」
そんな彼女の言葉を聞くと、その男の子は不思議そうな顔をする。
「えっと、その、君はどこから来たの」
その言葉と共にふと、男の子は、上を見上げた。
それに釣られて、千束もまた、上を見る。
「上の階から来たの?」
そんな千束の言葉に対して、男の子は、首を横に振る。
それに対して、千束は眉を潜めつつも聞く。
「じゃあ、どこなの」
(この子、さっきからなんか変だぞ)
不審者なのかと思いながらも、警戒をする千束だったが、目の前にいる男の子は、とても綺麗な目をしており、特に害を及ぼすようではないと判断してしまう。
そんな彼と千束も自然と見つめ合ってしまう。
千束は、徐々に顔を赤くしていく。
そして、そのまま空に向ける。
「たぶん、ずっと上から」「上からって、もしかしてだけど」
千束は、それに対して、苦笑いをしていく。
「空からとか言わないよね」
そう、千束が質問すると男の子の方は。
「たぶん、そうなるのかな?」
と答えると同時、少し困った表情を浮かべた。
彼の返事を聞き。
「そっかぁ~そうなるのか~うん!」
(ちょっと頭があれかな、それとも何かショックで? とにかく、このまま放っておくのも駄目だよね)
彼の返答に対して、少し困ってはいたが、すぐに一変。
「とにかく、部屋に入って、そこにいたら寒いから」
「うっうん」
千束は、そのまま彼を部屋の中に招いた。
一人暮らしではあるが、ある程度綺麗に片付いており、来客も特に問題なかった。
幸い、朝ご飯を作りかけているが、もう一人増えても問題ない。
「えっと、確か、お腹が空いているんだよね、食べる」
千束は、なるべく男の子を心配させないように笑顔で言うと。
「ありがとう! えーと」
「千束だよ」
「ちさとさん?」
彼は、彼女の名前を確認するように聞いて来ると。
「僕は……」
「んっ? 何」
「僕の名前は、なんだろう」
「えっ」
ここまで、不思議ちゃんという印象を抱いていた男の子。
だが、まさかの記憶喪失という事に千束は驚きを隠せなかった。
「もしかして、何か事件に巻き込まれたとか?」
もしも、それならば、すぐに保護をしないと。
そう考えている時だった。
男の子が何かに近づいた。
「どうしたの?」
千束は、どうしたのかと気になって、駆け寄る。
そこにあったのはグミ。
「これって、何?」
「えっ、何って、お菓子のグミだよ」
普段はあまり買わないグミだが、なぜか食べたくなった事もあり、買っていたグミ。
それに興味があるように、グミを見つめる男の子。
「……食べてみる?」「えっと」
千束は、我慢しているのかと思い、問いかけると男の子は少し戸惑っている様子。
「お菓子、嫌い?」
千束がそう尋ねると、男の子は首を横に振る。
「分からない、けど、なんだか、不幸にさせるような感じがして」
「えぇ、そうかなぁ?」
それに対して、千束は優しく笑顔にする。
「グミもそうだけどね、お菓子はとっても美味しいの、けど一番は誰かと一緒に食べる事、ほら」
そう千束は取り出したグミを男の子に渡す。
千束もまた、グミを一個、自分の口の中に入れて、食べる。
千束の、その行動を見て、少し戸惑っていたはずの男の子は、ゆっくりとグミを口の中に入れる。
最初に一回、噛む。
「!!」
すると、男の子の表情は変わる。
先程まで、少し暗そうな表情から一変して、まるで子供のように夢中で食べていた。
そんな彼に見守る千束は微笑んでいた。
この笑顔を、見ているだけで嬉しかったのだ。
「ねぇ、これがグミ!」
「そうだよ、グミだよ」
「なんだか、柔らかくて! だけど歯応えがあって! それに甘い!!」
「もぅ、そんなに大袈裟に言わなくても」
そんなはしゃぐ姿を見ているとつい笑ってしまう千束。
すると、男の子の腹部が何か変化が起きた。
「「えっ??」」
それは、千束も、男の子も驚きを隠せなかった。
すると、お腹の部分を男の子が服を捲ると、そこにあったのは獅子舞を思わせる赤い顔。
その口が大きく開くと共に、そこから跳びだしてきたのは。
「~~~」
小さなお菓子のパッケージを模した小さく可愛らしい姿した存在。
紫色の身体をし、つぶらな瞳をしているそれは、千束の常識を変えるには十分過ぎた。
「えっと、これは何?」「何だろう?」
千束の疑問に対して、男の子もまた首を傾げる。
男の子はそれを見ながら、自然ともう一個グミを食べる。
すると、男の子の腹部にある赤い顔がまた反応すると共に、飛びだしたのは、先程と同じ存在が飛びだしてきた。
ただし、今度は色は水色である。
「えぇ、これって、一体、あれ?」
すると、千束は先程から飛びだしてきた存在。
その存在が出てきたタイミングが、丁度、男の子がグミを食べた時に出ている事に気づいた時であった。
同時に千束はその生物の正体に気づくと同時に叫んだ。
「えっと、この子は君が食べている物の妖精みたいなものかな?」
「妖精かな? よく分からないけど」
常識外れな出来事もあって、頭が混乱していた。
そこで、千束が出た結論は。
「……とにかく、朝ご飯、食べようか」
「うん!」
とりあえず、お腹が空いたので、何かを食べる事にした。
そのまま用意した朝ご飯であるトースト、目玉焼きなど王道の朝ご飯を食べていく。
その最中で、男の子からは、妖精? のような物が出てくる事はなかった。
(さっきはグミを食べている時に出てきたけど、今は出てこない。もしかして、あのグミが?)
チラリとグミを見つめるが、すぐに否定した。
(だったら、私も影響が出ているはず、なのに何も出ないという事は、やっぱり、腹部にあるあれが何かある)
男の子の謎は、未だに多くある。
その謎を解くヒントが、そこにある。
「あっ、そう言えば」
ここまで、驚きの出来事の連発だった為、千束は、すっかりと聞きそびれた出来事を思い出す。
「君、名前は」
「名前? 俺の名前は」
そのまま、首を傾げていると、ふと、自分の服を見る。
千束も、それに釣られて、見る。
そこには服に刺繍をされており、文字が書かれていた。
「えっと、これは?」
だが、それは千束の知らない言葉だった。
日本語でも、英語でもない。
まるで見た事のない単語に、疑問に思っていると。
「ショウマ?」
「えっ」
だけど、彼はその文字を読めた。
「ショウマって、もしかして、君の名前?」
そう尋ねると、彼は。
「たぶん、そうだと思う」
未だに自信のない様子で答える。
だけど、千束は。
「そっか、それじゃ、これからよろしくね、ショウマ君!」
そう言いながら手を差し出すのだった。
それに対して、ショウマも笑顔になって。
「うん!」
二人はこうして出会った。
それが、後に、世界を救う事になる一歩になるとは。
この時の、彼らはまだ知らない。
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