フルコースとライダーと学園生活   作:ボルメテウスさん

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本日、9月1日から、仮面ライダーガヴの放送開始に合わせて、こちらの小説も連載を開始します。
今作では、原作はバカテスを中心に、リコリス・リコイルと仮面ライダーガヴの物語を絡ませて、連載していきます。
また、この三作以外にも、クロスオーバーを予定にしています。
これから、よろしくお願いします。


おカシな出会い!?

 錦木千束は一人暮らしをしている。

 

 彼女は、とある事情もあり孤児ではあるが、一般の人よりも稼ぎはある人物である。

 

 部屋は、一人で暮らすには広いマンションの一室である。

 

 毎日のように来ている赤い制服を身に纏いながら、そのまま珈琲メーカーで珈琲を入れながら、窓を開けようとする。

 

 千束にとって、窓の外の景色を見るのは朝のルーティンの一つである為、その日の朝もまた、外の景色を見ようとする。

 

「今日も良い天気で」

 

 そう、ストレッチしようとしていた。

 

「えっ?」

 

 だけどカーテンを開けた先、そこには千束にとって、予想外の光景があった。

 

 ベランダの手摺りに、男が干されていた。

 

 間違っても、千束は、このような場所に男を干す趣味はないし、昨日にはそのような出来事もなかった。

 

 だが、なぜかそこにいる彼は、ベランダの手摺りに乗って、気絶している様子。

 

 それに対して、驚いている間にも、人の良い千束はすぐに彼の安否を確認するように、窓を開ける。

 

「えっ、君! 大丈夫!!」

 

 千束は大きな声を出しながら、問いかける。

 

 千束の声に、ビクリっと反応する。

 

 それと共に。

 

「……」

 

「えっ?」

 

 一瞬、何か呟いた。

 

 もしかしたら、誰かに追われているのか。それとも、何か事件に巻き込まれたのか。

 

 千束は心配になって、駆け寄ると。

 

「おなかへった」

 

「えっ」

 

 今度は、男の子が言った一言に、再び千束は固まる。

 

 すると、男の子の腹部から聞こえた来たのは、ギュルグルルと鳴る音だった。

 

 まるで何かを催促するように、男の子の腹が鳴る。

 

 そして同時に、「くぅー」という可愛らしい音が響く。

 

 それと共に、男の子は、千束を見上げる。

 

「ここは、どこ?」

 

 その言葉に対して、呆然としながらも、千束は答えてやる。

 

「いや、私の部屋だよ。それより、どうしたんだ? 君は一体どこから来たのかな?」

 

 そんな彼女の言葉を聞くと、その男の子は不思議そうな顔をする。

 

「えっと、その、君はどこから来たの」

 

 その言葉と共にふと、男の子は、上を見上げた。

 

 それに釣られて、千束もまた、上を見る。

 

「上の階から来たの?」

 

 そんな千束の言葉に対して、男の子は、首を横に振る。

 

 それに対して、千束は眉を潜めつつも聞く。

 

「じゃあ、どこなの」

 

(この子、さっきからなんか変だぞ)

 

 不審者なのかと思いながらも、警戒をする千束だったが、目の前にいる男の子は、とても綺麗な目をしており、特に害を及ぼすようではないと判断してしまう。

 

 そんな彼と千束も自然と見つめ合ってしまう。

 

 千束は、徐々に顔を赤くしていく。

 

 そして、そのまま空に向ける。

 

「たぶん、ずっと上から」「上からって、もしかしてだけど」

 

 千束は、それに対して、苦笑いをしていく。

 

「空からとか言わないよね」

 

 そう、千束が質問すると男の子の方は。

 

「たぶん、そうなるのかな?」

 

 と答えると同時、少し困った表情を浮かべた。

 

 彼の返事を聞き。

 

「そっかぁ~そうなるのか~うん!」

 

(ちょっと頭があれかな、それとも何かショックで? とにかく、このまま放っておくのも駄目だよね)

 

 彼の返答に対して、少し困ってはいたが、すぐに一変。

 

「とにかく、部屋に入って、そこにいたら寒いから」

 

「うっうん」

 

 千束は、そのまま彼を部屋の中に招いた。

 

 一人暮らしではあるが、ある程度綺麗に片付いており、来客も特に問題なかった。

 

 幸い、朝ご飯を作りかけているが、もう一人増えても問題ない。

 

「えっと、確か、お腹が空いているんだよね、食べる」

 

 千束は、なるべく男の子を心配させないように笑顔で言うと。

 

「ありがとう! えーと」

 

「千束だよ」

 

「ちさとさん?」

 

 彼は、彼女の名前を確認するように聞いて来ると。

 

「僕は……」

 

「んっ? 何」

 

「僕の名前は、なんだろう」

 

「えっ」

 

 ここまで、不思議ちゃんという印象を抱いていた男の子。

 

 だが、まさかの記憶喪失という事に千束は驚きを隠せなかった。

 

「もしかして、何か事件に巻き込まれたとか?」

 

 もしも、それならば、すぐに保護をしないと。

 

 そう考えている時だった。

 

 男の子が何かに近づいた。

 

「どうしたの?」

 

 千束は、どうしたのかと気になって、駆け寄る。

 

 そこにあったのはグミ。

 

「これって、何?」

 

「えっ、何って、お菓子のグミだよ」

 

 普段はあまり買わないグミだが、なぜか食べたくなった事もあり、買っていたグミ。

 

 それに興味があるように、グミを見つめる男の子。

 

「……食べてみる?」「えっと」

 

 千束は、我慢しているのかと思い、問いかけると男の子は少し戸惑っている様子。

 

「お菓子、嫌い?」

 

 千束がそう尋ねると、男の子は首を横に振る。

 

「分からない、けど、なんだか、不幸にさせるような感じがして」

 

「えぇ、そうかなぁ?」

 

 それに対して、千束は優しく笑顔にする。

 

「グミもそうだけどね、お菓子はとっても美味しいの、けど一番は誰かと一緒に食べる事、ほら」

 

 そう千束は取り出したグミを男の子に渡す。

 

 千束もまた、グミを一個、自分の口の中に入れて、食べる。

 

 千束の、その行動を見て、少し戸惑っていたはずの男の子は、ゆっくりとグミを口の中に入れる。

 

 最初に一回、噛む。

 

「!!」

 

 すると、男の子の表情は変わる。

 

 先程まで、少し暗そうな表情から一変して、まるで子供のように夢中で食べていた。

 

 そんな彼に見守る千束は微笑んでいた。

 

 この笑顔を、見ているだけで嬉しかったのだ。

 

「ねぇ、これがグミ!」

 

「そうだよ、グミだよ」

 

「なんだか、柔らかくて! だけど歯応えがあって! それに甘い!!」

 

「もぅ、そんなに大袈裟に言わなくても」

 

 そんなはしゃぐ姿を見ているとつい笑ってしまう千束。

 

 すると、男の子の腹部が何か変化が起きた。

 

「「えっ??」」

 

 それは、千束も、男の子も驚きを隠せなかった。

 

 すると、お腹の部分を男の子が服を捲ると、そこにあったのは獅子舞を思わせる赤い顔。

 

 その口が大きく開くと共に、そこから跳びだしてきたのは。

 

「~~~」

 

 小さなお菓子のパッケージを模した小さく可愛らしい姿した存在。

 

 紫色の身体をし、つぶらな瞳をしているそれは、千束の常識を変えるには十分過ぎた。

 

「えっと、これは何?」「何だろう?」

 

 千束の疑問に対して、男の子もまた首を傾げる。

 

 男の子はそれを見ながら、自然ともう一個グミを食べる。

 

 すると、男の子の腹部にある赤い顔がまた反応すると共に、飛びだしたのは、先程と同じ存在が飛びだしてきた。

 

 ただし、今度は色は水色である。

 

「えぇ、これって、一体、あれ?」

 

 すると、千束は先程から飛びだしてきた存在。

 

 その存在が出てきたタイミングが、丁度、男の子がグミを食べた時に出ている事に気づいた時であった。

 

 同時に千束はその生物の正体に気づくと同時に叫んだ。

 

「えっと、この子は君が食べている物の妖精みたいなものかな?」

 

「妖精かな? よく分からないけど」

 

 常識外れな出来事もあって、頭が混乱していた。

 

 そこで、千束が出た結論は。

 

「……とにかく、朝ご飯、食べようか」

 

「うん!」

 

 とりあえず、お腹が空いたので、何かを食べる事にした。

 

 そのまま用意した朝ご飯であるトースト、目玉焼きなど王道の朝ご飯を食べていく。

 

 その最中で、男の子からは、妖精? のような物が出てくる事はなかった。

 

(さっきはグミを食べている時に出てきたけど、今は出てこない。もしかして、あのグミが?)

 

 チラリとグミを見つめるが、すぐに否定した。

 

(だったら、私も影響が出ているはず、なのに何も出ないという事は、やっぱり、腹部にあるあれが何かある)

 

 男の子の謎は、未だに多くある。

 

 その謎を解くヒントが、そこにある。

 

「あっ、そう言えば」

 

 ここまで、驚きの出来事の連発だった為、千束は、すっかりと聞きそびれた出来事を思い出す。

 

「君、名前は」

 

「名前? 俺の名前は」

 

 そのまま、首を傾げていると、ふと、自分の服を見る。

 

 千束も、それに釣られて、見る。

 

 そこには服に刺繍をされており、文字が書かれていた。

 

「えっと、これは?」

 

 だが、それは千束の知らない言葉だった。

 

 日本語でも、英語でもない。

 

 まるで見た事のない単語に、疑問に思っていると。

 

「ショウマ?」

 

「えっ」

 

 だけど、彼はその文字を読めた。

 

「ショウマって、もしかして、君の名前?」

 

 そう尋ねると、彼は。

 

「たぶん、そうだと思う」

 

 未だに自信のない様子で答える。

 

 だけど、千束は。

 

「そっか、それじゃ、これからよろしくね、ショウマ君!」

 

 そう言いながら手を差し出すのだった。

 

 それに対して、ショウマも笑顔になって。

 

「うん!」

 

 二人はこうして出会った。

 

 それが、後に、世界を救う事になる一歩になるとは。

 

 この時の、彼らはまだ知らない。

ゼンゼロから出る陣営は

  • 邪兎屋
  • 白祇重工
  • ヴィクトリア家政
  • 特務捜査班
  • カリュドーンの子
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