身体に感じる痛みと共に、たきなはゆっくりと目を開ける。目の前にはぼんやりとした光がちらつく。その光は、彼女の意識を徐々に覚醒させ、現実へと引き戻していく。
「ここは」
たきなが目を覚ますと共に周囲を確認する。周囲の薄暗い空間、遠くから聞こえる微かな音。その場所がどこなのか。すぐに確認する。駐車場に停められた車の間から漏れるわずかな光。それを見る限りだと、どこかの駐車場だと分かる。現在地の確認を終えると共にすぐに立ち上がろうとするが、身体の痛みと不安感が彼女の動きを鈍らせる。
「あぁ、そんなに慌てたら駄目だよ」
その声が聞こえた瞬間、たきなの体が緊張した。声の主は見覚えのある人物だった。
「酸賀さんっ、なんで」
「なんでここにいるかって?そうだねぇ、君を連れてきたのは僕だからと言ったら信用してくれるかい?」
その言葉と共に、彼の後ろを見る。そこに倒れていたのは、ショウマ。彼の姿を見ると、たきなの心臓は激しく鼓動し、不安感が彼女を襲う。
「ショウマさんっ」
すぐに確認する。ショウマの顔は青ざめ、目は虚ろに見開かれたまま。何度も見たその姿が、完全に死んでいることを物語っていた。しかし、そのショウマの腹部を見れば、紫色のガヴがあった。そのガヴは鮮やかな色彩を放ちながらも、冷たい存在感を放っていた。
「ビターガヴ」
なぜ死んでいるのか、様々な疑問がたきなの脳裏をよぎる。しかし、その答えはすぐに出ると共に、懐にある銃を取り出す。
「いきなり、銃を出すなんて怖いじゃないか」
その声には皮肉が滲んでいた。
「この場でビターガヴを殺せる可能性があるのはあなただけですから」
たきなの瞳は鋭く、決意と不安が入り混じった複雑な表情を浮かべていた。彼女は一瞬も目を逸らさず、酸賀を見据え続けた。
「ビターガヴを殺したねぇ、俺がそんな力を持っていると思うかい?」
彼は、ひょうきんな表情で言った。まるで何もかもを知っているかのように。その言葉は、どこか嘲るような響きを含んでいた。
普段と変わらない笑みを浮かべる。
その普段と変わらない様子に、たきなは恐怖を感じた。それは、ただ単なる恐怖ではなく、彼女の心に深く刻まれた恐怖。まるで、彼が彼女を支配しているかのように。まるで、彼の存在そのものが、彼女の自由を奪っているかのように。
「なんで、私をこんな所に連れてきたんですか」
たきなが、思わず睨むように呟いた。その声には、震えと怒りが混ざっていた。彼女の瞳には、深い疑念が浮かび上がっていた。
けれど。
「まぁ、そうだねぇ」
そして、笑みを浮かべる。
彼の笑顔は、まるで何もかもを理解しているかのように。まるで、彼女をからかっているかのように。
「なんで私をっ」
たきなが問いかけると。
「あえて言うと君に期待をしているからね」
彼の声には、冷酷さが滲み出ていた。彼の言葉には、何かが隠されている。
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子