「それは一体」
「良いから、そういうの気にせず」
新たなライダーベイクへと変身した酸賀。
酸賀は、その手に持つベイクマグナムをショウマと千束に向けていた。
その銃口が二人に向けられる瞬間、空気は張り詰め、一瞬の静寂が場を支配した。
そのまま酸賀はベイクマグナムの引き金を引く。
それと共に放たれたベイクマグナムから放たれた弾丸は真っ直ぐとショウマ達へと向かって行く。
弾丸が放たれる音が空気を裂き、その軌跡が目に見えるほどの速度で接近してくる。
「変身!」『グルキャン!』
瞬時にショウマは、自身が変身する中で最も高い防御力を誇るグルキャンフォームへと変身する。
装甲が光り輝きながら彼を覆い、その姿が一瞬で変わり果てる。その変化と共に、ベイクマグナムから放たれた弾丸を正面から受け止める。
だが。
「ぐっ!」
ベイクマグナムの弾丸を受け止めたグルキャンフォームの腕のヒビが入る。
その痛みと共に、ショウマの表情が苦痛に歪む。彼の体には衝撃が伝わり、防御した腕に亀裂が走った。
それを見たショウマは驚きを隠せなかった。
「これは」
「おぉ、性能はまぁまぁかな?ほらほらぁ」
それを見て酸賀は満足そうな声を出すと共に、そのまま追撃する。その動作は流れるように滑らかであり、一切の躊躇も無かった。
ショウマは、両手を交差させながら、その攻撃を受け止める。その姿勢で耐え忍ぶが、その力強さには息詰まるような緊張感が漂っていた。
「ちょっと、受け止めるだけじゃ、性能を見せる事出来ないでしょう」
「性能を見せる」
酸賀の言葉に対して、ショウマは呟く。その言葉には疑問と困惑が込められていた。
「そっ、デモンストレーション。たきなちゃんには、このベイクマグナムを使って貰いたいの。だぁかぁら!もっと本気で戦って貰わないと困る訳」
酸賀がそう呟きながら。
「勿論、千束ちゃんにもね」
それと共に、酸賀はその背中に現れた「サクッ」というエフェクト。それはまるで幻影のように現れ、一瞬にして周囲の空気を歪める。
それを軽く蹴る。その動作は素早く、まるで流れるような動きだった。
そこには、既に移動していた千束がいた。
「うわっと、ちょちょちょぉ!!」
ヴァレンに既に変身していた為、瞬時に動く事が出来た。しかし、その動きにも限界があった。
だが、近くにあった車にエフェクトが当たると共に爆発が起きる。その爆発音が耳を劈き、衝撃波が周囲の物体を揺さぶる。千束は反射的に身構え、その爆発から身を守ろうとする。しかし、その瞬間の恐怖と不安が彼女を包み込んでいた。
「ガヴとヴァレン。二人を同時に相手に俺でも簡単に勝てる程の性能。そんなの、誰だって欲しくなるでしょ」
そう言いながら、酸賀は千束に近づこうとする。その足取りは軽やかで、その自信満々な態度には一切の躊躇が無かった。
だが。
「止めろ!」
千束に近づく酸賀を、ショウマが後ろから覆い被さるように止める。その行動には勇気と決意が込められていた。
しかし。
「だからぁ、少しは戦う気を起こしてくれないと困るんだよぉ!」「ぐっ」
しかし、酸賀は、その腹部を蹴り上げる。その力強さと速度には、抵抗もできず、ショウマは吹き飛ばされる。その瞬間、空気中を漂う埃と破片が舞い上がり、彼の体が地面に叩きつけられた。
重量級のグルキャンを簡単に吹き飛ばす程の力。その強さには驚愕しかなかった。酸賀の力強さとその武器の性能が、その場の全員に明白に示された。
「はぁ、君達ってば、せっかく文月学園で人と戦う事に慣れたのに、俺の時はなんで本気じゃないの?」
「ぐっ、文月学園ではっ、召喚獣フィールドで、制限されているから」
ショウマは苦しみながらも反論する。その言葉には一縷の希望と懇願が込められていた。
「そうだよ、それだけしかないよ。だからさぁ、もっと本気を出さないと。でないとさ」『ベイキング!フルブラスト!!』
そう、酸賀はベイクマグナムを二回、軽く操作する。その動作には一切の躊躇や迷いがなく、ただ冷静だった。そして、その銃口は再びショウマに向かって突きつけられた。
そして。
「死んじゃうよ」
それと共に、その狙いはショウマに向けていた。その視線には冷酷さと無慈悲さが満ちており、彼の心臓に直接突き刺さるような恐怖を煽った。
「ショウマ君!」「ショウマさん!」
それは避けられない一撃。その事実は全員が理解していた。誰もがその瞬間に固唾を呑み、その緊迫感が場を支配した。
そのはずだった。
『ヴラムシューティング!』
「んっ?」
背後から聞こえた音。それは全く予想外だった。その瞬間、全員の注意が一斉に背後に向いた。そして、その音と共に放たれた光線が、酸賀の放った必殺の一撃を相殺した。
その場にいる全員が何が起きたのか分からなかった。しかし、その状況を把握する余裕もなく、状況はさらに混迷を極めた。
しかし、ショウマはすぐに行動していた。その瞬間的な判断力と機転で状況を打開しようと決意した。
ブルキャンバギーを呼び出すと共に、そのまま運転し。
「二人共、乗って!」
そう、二人を乗せると共に、その場をすぐに逃走した。その瞬間の行動には迷いが無く、彼の決断力と勇敢さが光っていた。
「えっあぁ、逃げられちゃったなぁ」
そうしながら、酸賀はため息を吐きながら、変身を解除する。その瞬間、彼の表情には一瞬だけ失望が浮かんだ。
「これもバランスが悪いのかねぇ」
そう、既にこの場にいない第三者に文句を言うように。酸賀もまた、その場から去って行った。その足取りには若干の苛立ちが混じっていたが、その姿勢にはまだ余裕が感じられた。
ゼンゼロから出る陣営は
-
邪兎屋
-
白祇重工
-
ヴィクトリア家政
-
特務捜査班
-
カリュドーンの子