ショウマは、なんとか立ち上がり、酸賀に立ち向かおうとした。しかし、両腕の痛みが彼を苛む。
彼は歯を食いしばり、額には汗が滲んだ。その痛みはまるで炎のように彼の全身を駆け巡り、息を詰まらせる。
それでも、ショウマの意志は揺るがなかった。彼は千束とたきなの前へと進み出る。
「っ」
その一言は痛みを耐えながらも決して退かない意志の表れだった。
そんなショウマの肩に千束は手を置く。千束の手がショウマの肩に触れた瞬間、彼の体が微かに震えた。その手の温もりが彼を少しだけ安堵させた。
「ショウマ君、ここは私に任せて」
「千束、でも」
千束の言葉に、ショウマは動揺する。彼の視線は千束の瞳に吸い込まれ、その中には強い決意が感じられた。しかし、その表情には不安も混じっていた。
けれど、千束が取り出したのは。
「それって、確かヴラムの」
「使えるかどうか分からないけど」
千束が取り出したヴラスタムギアは、陽光を受けて鈍く輝いていた。その輝きは、まるで希望の光のようにショウマの目に映った。しかし、その背後には不安と緊張が漂っている。
冷や汗を滲ませながらも、千束はそれを静かに巻きつけた。その手つきには慎重さが感じられ、彼女の真剣さが伝わってくる。
彼女が手持ちにあるゴチゾウを装填しようとしたその瞬間、酸賀の声が響いた。
「あぁ、それ、使うのは無理だと思うよ、千束ちゃん」
酸賀の言葉が冷たく響く。その声は公園の静寂を破り、不穏な空気をさらに濃くした。ショウマと千束の間に緊張が走り、その場の雰囲気が一瞬にして張り詰めた。
「知っている感じね」
「そりゃあね。それに、そのドライバーではこれまでのゴチゾウでは使えないシステムだからね」
酸賀は少し肩をすくめながらそう言った。その声には軽い諦めが感じられるが、彼の目には依然として冷たい決意が宿っている。
千束はその言葉を静かに受け止めながら、ヴラスタムギアをしっかりと巻きつけた。彼女の指先がギアの感触を確かめるように触れるたびに、その表情はますます引き締まっていった。
「だからと言って、諦める訳にはいかないよね」
千束は決意を込めて言った。
その声には強い意志が込められており、その瞳には揺るぎない覚悟が宿っていた。千束は深く息を吸い込み、一歩前へと進み出た。
「千束ちゃん、本当にそれで戦うつもり?」
酸賀の声は冷ややかでありながらも、その問いにはどこか期待が混じっていた。しかし、千束は一瞬も迷うことなく頷いた。
「そうよ。どんなに厳しい状況でも、私たちは諦めないわ」
その言葉と共に、千束はヴラスタムギアを握りしめ、決然とした表情を見せた。
そして、その時、千束の横にたきなが現れた。たきなは冷静な表情で立ち、その手には千束のヴァレンバスターが握られていた。
「たきな?」
千束は驚きと感謝の混ざった表情でたきなを見つめた。その視線には、仲間との絆の強さが映し出されていた。
「私も、まだ戦いますよ」
たきなは静かに、しかし確固たる意志を込めて言った。その声には迷いがなく、その目には揺るぎない決意が宿っていた。
「はぁ、そういうのは良いから。まぁ、結局は戦うのは変わりないけどね」
酸賀の言葉は公園の空気に溶け込み、その場の緊張感が一瞬和らいだ。彼の声はどこか諦めと期待が入り混じっているように感じられる。
そんな中、酸賀が近づこうと一歩踏み出す。その足音は地面に響き渡り、周囲の木々が微かに揺れた。公園のベンチには静寂が漂い、風が通り抜ける音が耳に心地よい。
その瞬間、ショウマの腹部に埋め込まれたガヴから、突如としてゴチゾウが飛び出した。
「えっ」
ショウマは驚愕の声を上げ、その目は大きく見開かれた。ゴチゾウは空中を舞い、その姿はまるでチョコレートの甘さを具現化したかのように輝いていた。
「これは」
千束とたきなも驚きを隠せない。彼らの視線はゴチゾウに釘付けになり、その存在が何を意味するのかを考え始める。
「チョコフラッペの」「ゴチゾウ」
ショウマは手に取ったゴチゾウをじっと見つめる。
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子