困惑を隠せなかった。
これまで仇だと思っていた。
自分達の主であるショウマを殺したと思っていた裏切り者のグラニュート。
だが、その正体が、ショウマだった。
「なんで」
エレンは、思わず呟く。
それに対して、千束は。
「・・・ショウマ君は、少し前、私の家のベランダで気絶していたの。そこで私が拾って、一緒に暮らしているの」
「では、なぜ」
「ショウマ君は、記憶喪失。だから」
それを聞いたライカンの顔は、先程までの冷静な表情ではなかった。
「私達は」
その一言が、何を意味するのか。
エレンは、その手に持っていた薙刀を地面に落としていた。
「えっ?」
千束が攫われた怒りもあった。
だけど、それと共に、ショウマは、その状況に困惑していた。
以前までの敵意がまるでなかった。
むしろ、何やら後悔している様子に。
ショウマは状況を把握出来なかった。
しかし。
「っ!」
そんなショウマの真横から、襲い掛かった衝撃。
ショウマは、そのまま吹き飛ばされる。
「ぐっ!」
ショウマは、空中でなんとか態勢を整えながら見つめる。
見つめた先。
そこにいたのは、さらに2体のグラニュート。
頭から巨大な角を生やしており、筋肉で膨れ上がっている牛のグラニュートが。
そして、ライカンと同じく、狼のグラニュートが。
「ようやく油断していたの、あの裏切り者が」
「あぁ、それで、本当なんだろうな、あの裏切り者を始末すれば、闇菓子が貰える事は」
そう、2体のグラニュートが会話をする。
「あぁ、奴らは復讐する事しか目がやっていなかったからな。本当に不意を突くのは難しかったがな」
「おい、エレンにライカンっ、さっさとこいつを始末するのを手伝え!」
2体のグラニュートは、そう、エレンとライカンに問いかける。
ショウマにとって、この状況はマズイ。
すると、気配を感じる。
「あら、逃がさないわよ」
「ぐっ」
そして、新たに現れたのは、鯨を思わせるグラニュートが出入り口を防ぐ。
5体のグラニュートが。
千束が人質に取られている状況。
「聞きたい事がある」
その最中で、ライカンは、睨む。
「お前達は、正体を知っていて、隠していたのか」
正体?
その単語に、ショウマは首を傾げる。
「あぁ、正体?どうでも良いだろ」
「裏切り者の始末、それを目的にやっていたんだから」
「・・・あぁ、そういう事か」
それを聞いてライカンも、エレンも理解した。
奴らは、その正体など、始めから興味はなかった。
同時にエレンは頭を抱えた。
「復讐だけ目を向けていた。だからこそ、本当に大切な事を、見逃しちゃった」
それは、後悔の言葉。
どうしようもない後悔が生まれた。
「エレン、分かっていますね」
「分かっているよ、というよりも、そもそもの話、仲間意識、あったの」
「いいえ、奴らは、勝手にこちらを利用しただけです。我々も、それをただ見逃しただけ」
「確かに」
同時にエレンも、ライカンは既に戦闘態勢に入っていた。
「ならば」
2人は、そのまま、真っ直ぐと走る。
ショウマもまた、構える。
だが。
エレンは、そのまま巨大な牛のグラニュートに。
ライカンは、狼のグラニュートに。
各々が突っ込んでいった。
「仲間割れ」
「てめぇ、何を邪魔をする!」
「こちらを都合の良い駒のように動かそうとした。それを教えられただけですよ」
「悪いけど、付き合って貰うよ、憂さ晴らしに」
それに、ショウマは戸惑った。
だが、千束が安全な状態になっているのは確かだ。
「ちっ、やっぱり半端物に与していた奴らは邪魔だったか」
同時に鯨のグラニュートは、そのままショウマに襲い掛かる。
「相手が一人だけになったんなら」『マシュマロ!EATマシュマロ!EATマシュマロ!』
周囲を見ても、スピードに秀でているグラニュートが多く見られた。
だからこそ、ショウマは、そのガヴに新たなゴチゾウをセットし、構える。
そして。
「ふんっ!」『!ふわマロ!ふわふわ~!』
ショウマは、新たな姿、ふわマロフォームへと姿を変える。
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子