ヴラムが、ホームベースに立つ。
その手にはバット代わりに手を持っているヴラムブレイカーをだらりと構えていた。
それはあまり力を入れていないように見えた。
「「・・・」」
ジープは、先程のたきなに行ったような傲慢な態度は見られなかった。
その狙いを真っ直ぐと構えていた。
ジープとヴラム。
互いに明確な敵対をしている訳ではなかったが、その強さは理解していた。
故に、油断はなかった。
「ヴラム、お前は強者だ。だからこそ、私は全力で行かせてもらうよ」
その言葉と共に、ジープはベイクマグナムの引き金を引く。
ベイクマグナムから放たれた一撃は。
「っ」
ヴラムはそれを、真っ直ぐと構えていたヴラムブレイカーで受け止めた。
その力で受け止めたヴラム。
その衝撃は凄まじく、その身体に反動が走った。
だが。
「っ」
そのまま、その反動を利用した。
そのまま、ヴラムはその力でボールを打ち返した。
打ち返されたボールはその力のままに遠くへと飛んでいった。
その飛距離は驚異的なものであり、一塁、二塁を超えて三塁まで飛んでいった。
その打球はそのまま外野まで飛び出した。
「っ」
ジープは思わず息を飲んだ。
まさか、ヴラムがその力でボールを打ち返すとは思わなかったからだ。
だが。
「ファール!」
審判の声が響く。
その打球は一塁と三塁を結ぶ線の外側に飛び出し、ファールとなった。
「・・・くそっ」
ヴラムは悔しそうに舌打ちをする。
その表情には焦りが滲んでいた。
「やるじゃないか」
ジープはその言葉を放つ。
その言葉には確かな敬意が込められていた。
「だが、次は仕留める」
その言葉と共に、ジープは再びベイクマグナムを構えた。
その銃口からは火花が散り、今度こそヴラムを仕留めようと狙いを定めた。
一方、ショウマはベンチで息を飲んで見守っていた。
「ヴラム、頑張れ」
その言葉を呟きながら、心の中で応援する。
その背後では、たきなが一塁に立っていた。
彼女は緊張した面持ちで次の展開を見守っていた。
そして、その瞬間が訪れた。
「行くぞ」
ジープがその言葉を放つ。
その声には確かな自信が込められていた。
ベイクマグナムから放たれた一撃が迫りくる。
その弾丸は凄まじい速度でヴラムへと向かっていった。
ヴラムはその瞬間、ヴラムブレイカーを構えたまま動きを止めた。
そして。
「・・・っ」
ヴラムはそのボールを。
そのボールを、見逃した。
そのボールはホームベースの後ろへと通過し、キャッチャーミットに収まった。
「ストライク!」
審判の声が響く。
その声には勝利への確信が込められていた。
「どうした?ビビったか?」
ジープはその言葉を放つ。
その言葉には勝ち誇ったような笑みが浮かんでいた。
だが。
「あんたの強さは知っている。だからこそ、今度は確実に仕留める」
そう呟く。ヴラムはその言葉を放つと同時に。
再びヴラムブレイカーを構えた。
その構えは先程とは異なり、力が込められていた。
「次は見逃さない」
その言葉を放つと同時に、ジープは再びベイクマグナムを構えた。
その銃口からは火花が散り、今度こそヴラムを仕留めようと狙いを定めた。
そして。
「・・・っ」
ジープは引き金を引く。
ベイクマグナムから放たれた一撃は。
「・・・っ」
ヴラムはそれを、真っ直ぐと構えていたヴラムブレイカーで受け止めた。
その力で受け止めたヴラム。
その衝撃は凄まじく、その身体に反動が走った。
だが。
「アオォォォォォン」
「っ!」
ジープの叫び声。
それは、ヴラムの力が削がれる。
ヴラムの最大の武器である聴力。
しかし、それは今は最大の弱点となった。
「ぐっ」
ジープの本来の姿である狼の特性のあるグラニュートとしての姿。
そこから出る遠吠えによって、ヴラムの耳が痛くなった。
その一瞬。
ヴラムが打ったボールは、そのまま地面に転がる。
それは、ヒットという形になった。
しかし、ヴラムは両耳を押さえていた。
それを見たエージェントはすぐにボールでタッチした。
「アウト!」
同時にエージェントは、既にヴラムブレイカーに似た銃をボールにセットし、引き金を引いた。
ボールは、2塁へと向かって。
たきなは先程のヴラムがボールを撃ち、ヒットしたと考えて、走っていた。
しかし、予想外の事態が起きていた。
エージェントから放たれたボールをキャッチしたエージェント。
それと同時に、ボールはそのままたきなの身体に当たった。
「アウト!」
再び審判の声が響いた。
「まさか、この弱点を突くとはな」
「兄さんから既に聞いていたからね」
ヴラムは、そのままジープを睨むが、ジープは笑みを浮かべる。
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子