「えっ」
「俺は」
ショウマは、目の前の兄。
ランゴの姿に驚きを隠せない。
「それじゃ、本当に、俺の兄さんなのか」
ショウマの言葉にランゴは頷く。
「あぁ、だからこそ」
ランゴの言葉はそこで止まる。
ショウマの腕の中にいるランゴの鼓動は次第に弱くなっていく。
「記憶を失う前の私にとって、ストマック家を大きくする事。それだけが私にとっては生き甲斐だった」
「そんなの」
ショウマは信じられなかった。
喫茶リコリコで見せたラーゴとしての彼は、そんな印象とは正反対だった。
穏やかな笑みを浮かべながら過ごす姿はまるで家族のような温かさがあった。
そんな彼が、ストマック家を大きくする事だけを考えていたなどとは信じられなかった。
「あぁ、記憶を無くして、ストマック家の呪いから解き放たれた私にとって、あの日々は本当に生きていた。そう思える程に」
「そんなっ」
「だからこそ」
ランゴはショウマを見つめる。
「私が作った珈琲で喜ぶ人達。そして、店での笑い声。それは、これまでの私にはなかった確かな幸せだった」
その瞳には感謝の気持ちが込められていた。
「最後に言わせてくれ。今まで本当にありがとう」
それと共に、ランゴは目を閉じる。
「ランゴ兄さん!」
ショウマは必死に声をかけるが、ランゴの鼓動は完全に停止してしまっていた。
ショウマは絶望的な気持ちに包まれた。
目の前にいるランゴが本当に兄であることを知った今、彼を失った悲しみは計り知れないものだった。
ショウマの心の中には、様々な感情が渦巻いていた。
ランゴとの出会いから今日までの日々が頭の中でフラッシュバックし、彼との思い出が次々と蘇ってきた。
彼と一緒に過ごした時間、彼の笑顔、彼の声。
全てが大切で、かけがえのないものだった。
しかし、その全てはもう二度と戻ってこない。
ショウマは胸が締め付けられるような痛みを感じた。
まるで心臓が抉られるような痛みが全身に広がり、息をするのも苦しくなった。
「呆気ないですね。これがストマック家の長男ですか」
「っ」
それと共にランゴを馬鹿にするような声。
それに対して、ショウマは怒りを隠せなかった。
「あなただけで何が出来るのか、んっ」
そうしていると、マーゲンは、その光景に疑問に思った。
ランゴの身体は、光に包まれる。
その光に対して、何なのか。
だが、その疑問が徐々に変わっていく。
そして、ランゴの身体は。
手の平に収まる程度の大きさの何かに変化した。
「なんだ、それはっ」
マーゲンの呟き。
だが、それと共に、ショウマは既に立ち上がっていた。
「一緒に戦おう、兄さん」『オーバー!』
手に持っていたのは、これまでにないゴチゾウ。
それは、まさしく瓶。
その瓶を、ガヴに装填する。
『ボコボコ…ボコボコ…』
そのまま、ゆっくりと、ショウマがハンドルを回す。
その時のショウマの目は、片方は紫、もう片方は赤。
まるで、ショウマの身体にランゴが宿ったように。
「変身!」『オーバーエナジー!』
その一言と共に、ショウマの姿が、一変する。
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子