「・・・ここは」
ふと、目を覚ました。
その光景に、見覚えがあった。
いつもの光景。
記憶が無くなった時から、暖かな記憶がずっとあった場所。
「起きたか、ショウマ」
「えっ」
そんな暖かな記憶と共に聞こえてきた声に思わず目を向けてしまう。
「なんで、ランゴ兄さんがここに」
それと共に見つめた先には、ランゴが喫茶リコリコでこれまで行っていた珈琲を煎れていた。
その光景に、疑問に思いながらも、ランゴはそのまま珈琲を出す。
「とりあえず飲むが良い」
「うっうん、頂きます」
混乱している事を余所に、ランゴの煎れた珈琲をすぐに飲み始めた。
店長から教わった影響もあり、コクのある味わいに心がゆっくりと落ち着いていく。
「さて、お前も気づいていると思うが、ここは現実じゃない。言えば、ここはお前の記憶の中の光景だ」
「記憶の中の、けど、俺はこんな会話、ランゴ兄さんとは」
「あぁ、そうだな。だが、あえて言えば、この私はお前の記憶から作られたランゴという事になる」
「・・・それでも、少し嬉しいよ、またランゴ兄さんと会えて」
そうして、ショウマは目から涙が出る。
「俺、結局、何も出来なかったよ、千束を守る事も出来なかった。その理由が俺がこれまで殺しをしなかったから」
その呟きと共に、ショウマは珈琲が入ったコップを握る力を強くする。
「俺が、殺しをする覚悟あったら、あの時っ」
「・・・本当にそうか」
「えっ」
ショウマの言葉に対して、ランゴは否定するように呟く。
「世界は残酷だ。本来ならば、殺さなければ救えない命があったはず」
そうして、ランゴの顔はグラニュートとしての本来の顔となった。
「けれど、お前は彼女と出会った事で誰も殺さない為の戦いを続けた」
「けどっ兄さんは」
すると、ランゴはそのまま両肩に手を置く。
「あぁ、けれど、俺の意思は、力はお前に受け継がれた。だからこそ生きろ。生きて」
その言葉を最後に、ショウマの意識はゆっくりと覚醒する。
「ここはっ」
ショウマは、下を見つめる。
そこはどこかの塔である事は分かる。
そして、先程までの自分が攻撃によってここまで吹き飛ばされた事が理解出来た。
けれど、疑問は。
「なんで、俺、無傷なんだ」
ショウマの身体には、ほとんど怪我はなかった。
後ろにはショウマがぶつかった事で凹んだ部分はあるが、それ以外はショウマには怪我はなかった。
だが、自然とショウマは自分のガヴに装填されていたゴチポットに目を向ける。
「兄さん」
見つめると、ゴチポットからは僅かに赤い光がゆっくりと出ていた。
「・・・分かったよ、俺はこれからも戦い続けるよ!」
ゼンゼロから出る陣営は
-
邪兎屋
-
白祇重工
-
ヴィクトリア家政
-
特務捜査班
-
カリュドーンの子