ショウマが、今、何が起きているのか。
それを理解出来るのは、それ程、時間はかからなかった。
「あの時、俺は吹き飛ばされたのかっ」
そうして、下を見れば、かなりの高さがある。
落ちれば、普通の人間ならば死ぬ高さである。
だが、ハーフグラニュートであるショウマは、この程度の高さは落ちても平気だった。
いや、むしろ。
「・・・そっか、全部、思い出した」
この光景をショウマは見た事があった。
幼少期の頃から、ストマック社から逃げた時まで。
全ての記憶が。
「頭を叩けば、記憶を思い出すって言っていたけど」
自虐のようにショウマは、辛い過去だと理解出来た。
けれど、そんな想い出の中でも、エレンを始めとした自分と同じハーフグラニュートとの交流。
それがショウマにとっては暖かい想い出となって、支えてくれた。
そして、見つめた先には、今はゴチポットとなったランゴがいる。
「・・・ランゴ兄さん、今は戦えって言うんだね」
まるでショウマの言葉を肯定するように、ゴチポットの向きが変わる。
「だから絶対に守る。俺を……今の俺にしてくれたこの世界を」『オーバー!』
まるで、ショウマの決意と共に、ガヴから鳴り響く音声。
そして、ショウマもまた見つめた先。
そこは塔の一部が吹き飛ばされた光景。
「皆を……絶対に……!」『マスター!わー!わー!』
その中に、千束がいる事を。
それを見た時、ショウマは既に走り出していた。
「変身!」『マスターテイスト!』
一瞬、ショウマの身体が包み込む。
それは、これまでのガヴと比べれば、スマートかつシャープな外観が特徴。
ガヴの最初の姿であるポッピングミを沸騰させる新たなガヴ、マスターモード。
一瞬。
まるで走っているショウマを包み込むような形になった。
マスターモードへと変身したショウマはそのまま塔の側面を走って行く。
それは、これまでの、どのガヴとも違った。
重力に従うように落ちる勢いよりも早く。
塔の側面を走る速度はまるで滑空するかのような速度。
ショウマはその走行に合わせるように両腕を動かす。
それこそまるで車が空を駆け巡るかのようなスピード。
その姿はまさに滑空する車そのもの。
重力を感じさせない軽やかな動きで塔の側面を疾風の如く駆け抜け。
そして、地面に到達した時には既に千束を抱えていた。
そのまま、瓦礫を足場にして跳んで行く。
まるで重力を感じていないかのように軽やかに。
ショウマは空中で身体を反転させながら着地した。
そうして、吹き飛ばされた千束をお姫様抱っこで抱えながら。
そのまま地上へと降り立った。
「千束」
そうして、千束に声をかける。
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子