「まさか、ここまですぐに受け入れて貰えるとは」
「驚きを隠せなかったかい?」
そんな会話を行っているのは、喫茶リコリコ。
まだ、開店が行われる少し前の事もあり、客の姿はなく、外からの人を気にせずに活動出来る時間帯。
それ故に、店内では、開店準備を行う従業員しかおらず、そこには、店長であるミカ、カフェ店員のミズキ。
そして。
「えぇ、正直に言えば、あなた方から見たら、私は敵の種族と同じなので」
喫茶リコリコにおいて新しく入る事になった裏方を担当する事になったライカンであった。
執事服を身に纏っていても、彼は、その狼にしか見えない為に、表に出る事は出来なかった。
「種族が同じというだけで敵対しているんだったら、私達の世界では同族同士争いが起きない事になる。何よりも、あなたの人格は千束が保証した」
「千束様ですか」
すると、ライカンは少しだけ俯いた。
「私は、我が主の恩人である千束様に無礼を働いてしまった。それは今でも後悔しております」
「千束は、それを気にしている様子はない。だから、気にするなと言っても、無理な話か」
「えぇ、ですから、私が出来る事で、サポートしていきたいと思います」
そうして、ライカンはそのまま作業を続ける事にした。
「そう言って貰えると助かる。正直に言えば、ショウマ君達がいない間、ここの護りが手薄になるのは少し心配だったからね」
「護りというのは、もしや、これまで戦ったグラニュート達の事でしょうか」
「あぁ、ここにはショウマ君がプレスしたグラニュートが保管されている」
そうしながらも、ミカは、どこに保管されているのかは、話さない。
それは、ライカンに向けての信頼がないという訳ではない。
だが、簡単に話せば、もしもグラニュートが脱走した時、疑われるのは、ライカンである。
それを防ぐ為に、黙っていた。
ライカンも、それをどこか察したのか。
「了解しました。何よりも、ここはショウマ様が向こうの世界にはなかった居場所。それを守る事が、今の私の使命ですから」
「あぁ、そうしてくれると助かる。だが、もう一つ聞きたい」
「なんでしょうか?」
同時にミカは尋ねる事にした。
「向こうの世界で、私達に協力してくれる勢力はいるのか」
それは、おそらく今後の動きに関係する話題であった。
ライカンは、少しだけ悩むと共に。
「小さな組織ですが、幾つか」
「本当か」
それはさすがに驚きを隠せず、目を見開く。
「元々、ショウマ様はハーフグラニュートという事で、差別を受けていました。なので、少しでも外の交流をしようと何度か出て行かれました。
その際に、ご友人が出来たと話していました」
「信頼出来るのか?」
「多くがハーフグラニュートであり、彼らは人間に敵意は向けていません。そして、自分と同じ人間を材料にしている闇菓子を製造しているストマック社に敵視しております」
「なるほどな」
そういう意味では、信頼しても良いかもしれない。
「ねぇねぇ、聞きたい事があるんだけど」
「なんでしょうか、ミズキ様」
すると、これまで黙っていたミズキ。
その表情は真剣であった。
故にライカンもまた、構えた。
「あなたって、独身かしら」
「まぁ、そうなりますね」
それを聞いたミズキの眼鏡はキラリと光った。
「異種族でもありか」
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子