「それにしても、なんでこんな所で話す事になったんだ?」
そう、最初に呟いたのは、この場の誰よりも小柄な体格をしており、一見少女に見える人物であるクレタ。
彼女がそう言うのは、会議が行われる場所における疑問だった。
「そうですね、グラニュート界では、どこでどのように盗聴されているのか分かりません。その事を考慮すれば、盗聴される可能性が低い人間界。
さらには、最も信頼出来る場所がベストだと考えたからです」
そう、この場を纏めるように言ったのは、朱鳶だった。
「確かに、この店長のミカ様と、人間界でも凄腕のハッカーであるクルミ様のお二人によりセキュリティは万全ではありますので」
それに続いて、セキュリティに問題ない事をライカンが示すと共に。
「それで、話す事って、あの男の事なのか?」
「えぇ、ある意味、全ての元凶であるデンテ・ストマックに関してです」
そう、この場にいるほとんどが既に知っている人物の名を告げる。
その中で。
「あぁ、悪いが、そのデンテって何者なんだ?名前を聞いている限りだと、ストマック社の一員だとは思うが」
それに疑問に思ったクルミは思わず問いかけた。
すると、ニコは。
「あぁ、そう言えばそうだったわ。こっちではかなり常識的だったから」
「まぁ、最も。裏の世界ではだけどな」
「裏では」
それと共に頷くと。
「デンテ・ストマックは元々はストマック社の創業当時からのメンバーで、かつては同社の技術部門を担っていた重鎮です。同時に、闇菓子を作り出した張本人です」
「っ」
それは、さすがにミカもクルミも驚きを隠せなかった。
「おいおい、それってかなりヤバい奴じゃないか!というよりも、そんな奴がなんで行方不明に?」
「・・・それは私から。元々、デンテ様自身は高い技術を持っていました。菓子の開発に関しても当時の社長であり、ゾンブ様から渡された緑の液体について、説明通り「異世界で手に入れた未知の材料」以上の認識は無く、材料が人間由来とは知らされぬまま闇菓子の原型開発しました」
「・・・つまりは技術を利用されて、闇菓子を作った訳か」
「えぇ、本人も、あまり闇菓子に関しては不愉快に思っており、闇菓子を利用したビジネスを始めたストマック社に嫌気をさして逃げ出しました」
「全ての元凶って訳か」
そこまでの説明を聞いて、クルミは呟く。
「まぁ、同時に、ストマック社をここまで追い詰めた張本人でもあるんだけどな」
「なんで、そこで、その話になったんだ?」
まるで、そこから切り替えるように、シーザーが呟く。
「ショウマの腹部にあるガヴ。あれは実はそのデンテによって改造されて出来た結果だ」
「改造って、そうか。よく考えて見れば、同じハーフグラニュートなのに、お前達のとはあまりにも違い過ぎるからな」
「そう考えると、全ての元凶であり、ストマック社を追い詰めてくれた功労者という訳か。けれど、今更見つけて、どうするんだ?」
「・・・ショウマのガヴが本当に安全なのか、確かめる為にかな」
「千束の人工心臓の事もあるからな。それに、今回の一件で大変だったけど、もしもデンテの協力があれば、今後も人工心臓の製造がよりやりやすくなるかもしれない」
「なるほどなぁ。けれど、未だに見つかっていないと」
そうして、全員が頷く。
「おそらく、グラニュート界の中でも、表、裏、さらには果てから、業界の繋がりまで。様々な方面で探ったけど、デンテはまるで見つからない」
「残された手掛かりとしては、人間界ですが、何か知っていますか?」
そうして、問いかけられるが。
「そう言われてもな、そもそも、グラニュート自体は最近の事だから」
「そうですよね」
ミカは、頷きながら答える。
だが、クルミは。
「・・・待てよ」
「どうかしたの?」
「そもそもの話、なぜ、これに関して、今まで疑問に思わなかったんだ」
「えっ?」
「グラニュートがこっちで滞在出来る時間は人に化けていなければ、伸ばせない。それ以外の方法としては、召喚獣フィールドだけど、それって、あの学園長だけで作りだしたのか」
「確かに、これまでは酸賀が作りだしたと思われたが」
そうして、全員が驚く。
「文月学園に、デンテが関わっているのか」
ゼンゼロから出る陣営は
-
邪兎屋
-
白祇重工
-
ヴィクトリア家政
-
特務捜査班
-
カリュドーンの子