「幽霊の犯行?なんだそれ?千束が言っているのか」
たきなは半信半疑の表情を浮かべていた。深夜の喫茶リコリコには薄暗い照明だけが灯り、壁掛け時計の針は午前2時を指している。
「みずきさんも」
ショウマはおどおどと答えながらも、大きな瞳で画面を見つめていた。その腹部の機械の口は時折チカチカと光を放っている。
クルミは椅子に深く腰掛け、キーボードを素早く叩きながら答えた。
「ふぅん、幽霊ね、会った事ないな」
「嘘ですよ」
たきなは腕を組んで疑わしげな眼差しを向けた。リコリコの店内は静まり返っており、クルミのタイピング音だけが響いていた。
「幽霊かぁ、幽霊でも良いから、ランゴ兄さんと母さんにもう一回会いたいな」
ショウマが突然真剣な顔で言った。その瞳にはわずかな涙が光っていた。
「それは、なんというか否定しにくいからショウマさんは言わないでください」
たきなは少し気まずそうに視線を逸らした。夜の空気がどこか湿っぽくなりかけた瞬間、
「まぁ、カメラは嘘をつかない。始めるぞ」
クルミの冷静な声が響き渡り、パソコンのモニターが明滅し始めた。
モニターに映し出された映像は、昼下がりの喫茶リコリコだった。カウンターの奥には千束の姿があり、その手には割れた皿が握られている。
「隠蔽するの?」
千束の背後から、やけに明るい声が響いた。振り返ると、そこにはグラスを片手に持ったミズキの姿があった。明らかに酔っ払っている様子だ。
『みずきぃ』
千束は気まずそうに眉をひそめた。カウンターの下に皿を隠そうとしているのが見て取れる。
『先生におしりぺんぺんしてもらわないとねぇ』
ミズキはニヤニヤしながら千束に近づいてくる。その足取りはフラフラとしていて不安定だ。
『いやいや、自分だって、お店のお酒持って帰っているでしょうが』
千束は必死に言い訳をするが、その表情には焦りが見える。カウンターの下で小さな声で「どうしよう……」と呟いている。
『私達!罪人ぉ!』
ミズキは両手を広げて叫んだ。その声の大きさに千束は顔をしかめる。
『分かった!分かった!今回だけねぇ!』
千束はついに根負けしたように肩を落とした。ミズキに向かって苦笑いを浮かべながらも、どこか安堵したような表情を見せている。
「はぁ、見ましたか?隠蔽。幽霊が隠蔽しましたよ」
「千束ぉ」
その姿に対して、たきなは呆れ、ショウマも少し不安になる。
同時に。
「それにしても」
「ショウマさんも気づきましたか」
「えっ、うっうん」
「それじゃ、別の映像も見ないと」
「えっ映像?うん?」
たきなの言葉に一瞬だけ戸惑うが、そのまま映像を見続ける。
ゼンゼロから出る陣営は
-
邪兎屋
-
白祇重工
-
ヴィクトリア家政
-
特務捜査班
-
カリュドーンの子