「ショウマ君?どうしたの?私達のそんなに怖かった?」
千束の着ぐるみが両手を挙げて降参のポーズを取る。だが、ショウマは震える指でPCの画面を指差した。
「ねっねぇ、たきなに聞きたいんだけど、さっきまでこれを動かしていたのって、誰?」
その質問に全員が首を傾げた。
「何を言っているんですか、ショウマさん。クルミですよ」
たきながジト目で答える。その目に映る画面には、確かに着ぐるみの映像が再生されている。しかし……
「クルミだったら、今朝から出掛けていたぞ」
ミカの着ぐるみが落ち着いた声で言い切った。
一瞬の沈黙。
「え……?」
千束の声が裏返った。
「いや、いましたよね、クルミ」
たきなが不安そうに目を泳がせる。その手はまだ銃を握ったままだ。
「いや、いなかったよ」
千束の着ぐるみが首を横に振る。
「いやいやいや」
「いやいやいや」
二人の「いやいやいや」が重なり合う中、ショウマが震える声で言った。
「その、さっきまでパソコンを動かしていたの、俺、たきなの知り合いだと思っていたけど、さっき、すっと消えたんだけど」
「えっ、どういうこと?」
千束の着ぐるみが混乱した様子で周囲を見回す。
「いやいやいや、待って待って!クルミは本当に朝からいないんだってば!」
ミズキの着ぐるみも両手を振りながら抗議する。
「じゃあ……」
たきなが震える声で言いかける。
「さっきまで、私達と一緒に見ていたのって」
「・・・本物の幽霊」
そのショウマの一言に、室内が凍り付いた。
「幽霊は何ができるんですか?」
ショウマの質問に千束の着ぐるみが震えながら答える。
「ホラー映画によれば……透けて見えるとか、壁を通り抜けたり、突然目の前に現れたり……」
「それから?」
「あと……人を怖がらせたり……」
「怖がらせる……」
「どうかしたの、ショウマ君」
「いや、なんだか、幽霊って言っても、グラニュートよりも怖くないような」
「えっ、いや」
それと共に、全員がこれまで戦ってきたグラニュートを思い浮かべる。
そのどのグラニュートも、簡単に幽霊を越えるような化け物ばかり。
しかも、ショウマもまた、ハーフグラニュート。
それらを冷静に振り返った一同が頭に思い浮かんだのは。
『あれ、幽霊って、意外と怖くない?』
その結論に至ると共に、先程までの怖さが嘘のように。
「・・・とりあえず、皆、何か食べるか?」
「賛成!たきな達を驚かすのに、体力を使ったから」
「本当に、何を下らない事をしていたんですか」
「えぇ、たきなは結構ビビったじゃないの」
「千束だって」
そうしながら、先程までの事などなかったように、全員が夜食を作り始める。
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子