プール掃除が終わると、子どもたちは「早く変身見せて!」とショウマに詰め寄った。その熱狂ぶりに園長先生も微笑んで言う。
「ショウマさん、もしよろしければ園児たちに少しお時間いただけませんか?」
ショウマはため息をつきながらも頷いた。
「わかった。でも……変身したら何か食べさせてくれる?」
子どもたちが一斉に笑い出す。
「お兄ちゃん、おなかペコペコなんだね!」
「ショウマ君が変身する仮面ライダーはね、なんと食べたお菓子によって変わるんだよ」
「えっ、そうなの!」
「だったら、どんなお菓子を食べたらどんなライダーになるの?」
子供たちの質問攻めにショウマは困惑する。
「あははぁ、どうしよう」
そう悩んでいる時だった。
「そう言えば、スイカはどう?スイカのガヴとか見てみたいし!」
「・・・いや、千束、そもそも、ここには包丁がないですから、スイカは食べれませんよ」
「あっしまった!」
それと共に、千束は失念したように呟く。
すると、千束は少し考えて。
「そうだ!ショウマ君!」
「どうしたの?」
「暑い夏にぴったりな、あの姿になろう!」
それと共にショウマに渡したのは、ブリザードソルベゴチゾウ。
「えっと、これに?」
「さぁ!」
笑みを浮かべた千束。
それと共に周囲にいる子供も、仮面ライダーに変身するのを期待して見ていた。
「それじゃ」
それと共にショウマもまた、ゆっくりと構え。
「変身」『ブリザードソルベ! ヒエヒエ!』
「わぁー!お兄ちゃん、氷みたい!」
「かっこいい!」
子どもたちの歓声が響く中、千束が満面の笑みで言った。
「さあ、ショウマ君!そこのスイカを凍らせて切っちゃって!」
「えっ?そんなことできるの?」
ショウマが戸惑いながら質問すると、千束はウインクして答えた。
「できるよね!」
「じゃあ……やってみる」
ショウマは少し自信なさげに答えながらも、ガヴホイッピアを構えた。クルミが素早く動き出し、子どもたちを安全な場所に誘導する。
「みんな、少し離れて見ててね」
子どもたちは不思議そうな顔をしながらも、素直に従った。たきなは小さな冷蔵庫から取り出したスイカを中央に置き、準備を整える。
「行くよ……」
ショウマは深呼吸をして集中すると、ガヴホイッピアから冷たい風が吹き始めた。風は次第に強くなり、スイカの周りに白い霧が立ち込める。そして—
「よっ!!」
ガヴホイッピアから鋭い氷の刃が飛び出し、スイカを綺麗に真っ二つに切断した。断面はまるで鏡のように滑らかで、周囲には美しい氷の結晶が舞い散った。
「わぁー!すごい!」
「スイカが凍ってる!」
子どもたちは目を輝かせて歓声を上げた。ショウマは照れくさそうに頭を掻きながら言った。
「これでお腹いっぱいになりそうかな……」
「もちろん!」
千束が嬉しそうに言うと。
「それじゃあ、もう一つやってみようか!」
千束が目を輝かせる。
ショウマは少し考え込んだ後、手をかざした。
「ガヴホイップ!」
すると、何とホイップクリームのような頭部の前垂れがアイスコーン柄になっている兵士が現れる。
「おぉぉぉ!!」
それを見て、子供達はさらに大興奮。
「これ何のヒーロー?!」
「おじさんのケーキの騎士みたい!」
「アイスクリームの王さまだ!」
ショウマは少し恥ずかしそうに笑いながら言った。
「えっと……『ホイップ兵』って言ってね。みんなが美味しいスイカを食べるお手伝いをするんだ」
ホイップ兵は無言だが、両手を高く挙げて嬉しそうなポーズを取る。そして子供たち一人ひとりに向かって歩いていくと、片手で「何か欲しい形はある?」とジェスチャーする。
「うさぎさんがいい!」
「星型がいいな!」
「三角!」
子供たちの様々な要望に応えようと、ホイップ兵は器用に手を動かし始める。その指先から出てくるのは小さなカッターナイフのような道具。あっという間にスイカがうさぎや星の形にカットされていく。
「すごい!魔法みたい!」
「私の分もお願い!」
「僕も!」
順番待ちをする子供たちの列ができ始める。ホイップ兵は一つ一つ丁寧に形を作りながら、時には子供たちと一緒に笑い合い、時には真剣な表情で細かい部分に挑戦する。
「こんなこともできるよ!」
たきなが子供たちの前に小さな箱を持ってくる。そこには色とりどりのデコレーションシートやチョコペンが入っていた。
「これを好きなように飾ってみて」
「わぁ!可愛い!」
「ケーキみたい!」
子供たちは自分のカットしたスイカに一生懸命デコレーションを施していく。チョコペンで絵を描いたり、カラフルなシートを貼ったり。完成したスイカアートはどれも個性的で楽しいものばかり。
「できた!」
「見て見て!猫ちゃんだよ!」
「僕のは……ドラゴン!」
それぞれのスイカアートを見せ合いながら子供たちは大盛り上がり。ホイップ兵も一緒に手を叩いて喜ぶ。
「ホイップ兵さんもありがとう!」
「また出てきてね!」
子供たちからの温かい言葉に、ショウマは胸がいっぱいになる。
「良かったね、ショウマ君」
「・・・うん」
その光景と共に、こんな使い方を続けたい。
ショウマの心は、そう考えられた。
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子