「いらっしゃいませ。何名様ですか?」
店内の奥から現れたのは、温かみのある笑顔を浮かべた男性だった。
優しそうな雰囲気で、どこか懐かしさを感じさせる。
「あ、はい。えーと……明久君達に、見かけない3人だね」
店長である男性が、明久たちを確認し、その後ろにいるショウマたちに視線を移す。
「どうも井ノ上たきなです」
「同じく錦木千束でぇす!」
「ぼくはショウマ!井ノ上ショウマです!」
「皆さん初めまして。この『ひだまり』の店長をしている井上優です。ゆっくりしていってくださいね」
「よろしくお願いします!」「よろしく!」
皆が口々に挨拶を返す。
「井ノ上……?」
ショウマが優の言葉に反応し、首を傾げる。
「ん?どうかしたかね、ショウマ君?」
優が不思議そうにショウマを見つめる。
「いえ……井ノ上って名前が、なんだか……」
ショウマが言葉を探していると、優もまた不思議そうな表情を浮かべていた。
「あなたも……井ノ上さん……?」
「はい。井ノ上ショウマです」
「同じ……名字……?」
優は驚いたようにショウマを見つめ返す。どこかで見覚えがあるような気がする。
しかし、ショウマの顔には見覚えはない。
「偶然だな。俺も『井ノ上』だからな」
雄二がそう言うと、優はさらに驚いた顔をする。
「ほう……君も井ノ上というのか……」
「いえ、自分は坂本雄二です。同じクラスのショウマ君が『井ノ上』です」
優は頷きながら、改めてショウマを見つめる。
「同じ名字だなんて……これは奇遇だね」
「ええ……。なんだか不思議な感じです」
ショウマがそう答えると、優はふっと微笑んだ。
「まあ、世の中には同じ名字の人がいるもんだからね。それにしても、ショウマ君は本当に楽しそうに駄菓子を見ているね。駄菓子は好きかい?」
「はい!大好きです!」
ショウマは元気いっぱいに答える。
「そうか。それは嬉しいな。この店は駄菓子を中心にしているから、ショウマ君みたいなお客さんが来てくれると、私も嬉しいよ」
優は優しく微笑みかける。
「へへっ。お菓子が好きな人がこんなに喜んでくれるのは、本当に嬉しいね」
千束がショウマの様子を見て、ニヤニヤしながらそう言う。
「まあ、ショウマはお菓子に関しては食いしん坊ですからね」
優はそんなショウマの様子を微笑ましそうに見つめている。
(……なんだか、懐かしい感じがするな……)
優は心の中でそう呟く。
それは、失踪した妹の面影を見ているのかもしれない。
そして。
(店長さんの雰囲気、お母さんとどこか似てる気がする……)
ショウマは、優の優しい笑顔に懐かしさを覚えた。
「じゃあ、僕も少し見て回ってもいいですか?」
「もちろん。ゆっくり見て回ってね。何か気になるものがあれば、いつでも声をかけてくれ」
ショウマは嬉しそうに店内を歩き回る。駄菓子の数々に目を輝かせながら。
優もまた、そんなショウマの姿を穏やかな目で見守っていた。
(本当に……妹が生きていたら、こんな感じだったのかもしれないな……)
優は心の中でそう思いながら、ショウマの後ろ姿を見つめていた。
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子