優は、ゆっくりとショウマの母親であるみちるの話をしていた。
昔からお菓子好きだったみちるは、色々なお菓子を食べていた。
「みちるはお菓子が大好きでね、大学でも、お菓子サークルに入っていたんだ。失踪した翌日には友人とデザートビュッフェに出かける予定があったから……急に消えて随分心配したよ」
「そうなんですね」
優が語るみちる像はショウマが思い浮かべるイメージとは異なるが、それでもやはり母親はどこか共通している。
「・・・だから、みちるは、どんな事があっても、生きるのを諦めない、俺はそれを信じる」
「っ」
その言葉に、間違いはなかった。
実際に、ショウマは、母親であるみちるがよく言っていた。
『ショウマだけじゃないっ、こんな世界にいたら、エレンちゃんやライカンさん達は幸せにならないっ!だから、いつか絶対にっ皆を連れて、人間界に帰って幸せになるっ』
その言葉は、エレンもよく聞いていた。
だからこそ、エレンを始めとした多くのハーフグラニュートは彼女を慕っていた。
「ごめんね、こんな話しちゃって」
「いえ……」
謝罪する優に対し首を横に振るショウマであったもののその後は何を喋ればいいのか分からなかったのか黙り込んでしまうのであった……。
そうして沈黙が続くなかふとエレンの方を見ると彼女はじっとこちらを見つめており目線が合う。
「・・・」
それは、真実を伝えるべきかどうか。
その決断を。
「いえ、その、ゼリー美味しかったです」
そう、ショウマは立ち上がり、エレンにアイコンタクトをする。
「ショウマ君?」
「それでは、俺達はここで」
「もう帰っちゃうのかい?」
「はい、少し用事が残っていますので」
「そうか……」
「それでは」
「ショウマ君、また来ておくれよ」
しかし、そんな優の呼びかけに対しショウマは頷いた。
そうして、店を出て行く。
「・・・どうするの」
「エレン」
店を出て行き、横に並びながら歩く。
「まだ、決心は」
「・・・分からない。だって、こんな話をしたら、きっと」
「そうだねぇ」
エレンもまた、その言葉に同意しながらも、店から出て行く。
だからこそ、気づかなかった。
「ショウマ君」
その姿を見ていた優。
そして。
「失礼する」
「あっいらっしゃいって、あぁ」
すると、優は、店に入ってきた人物に目を向ける。
「久し振りですね、西本先生」
「・・・ご無沙汰です、優さん」
ショウマとエレンが気づかない間に、ショウマにとって決して無視出来ない2人の人物が出会っていた事に。
彼らはまだ知らない。
ゼンゼロから出る陣営は
-
邪兎屋
-
白祇重工
-
ヴィクトリア家政
-
特務捜査班
-
カリュドーンの子