優こと叔父さんと話を終えた後、ショウマは1人、公園のベンチに座っていた。
エレンは、ライカンへの報告もある為、先に1人で戻ったのだ。
「・・・・・・はぁ」
先程までの喧騒が嘘のように静まり返った空間で、ショウマは大きく溜息を吐いた。
「いやぁ〜いいねぇ」
「え?」
不意に聞こえた声に驚いて顔を上げるとそこにいたのは見慣れない少女だった。
ボリューミーな赤髪のセミロングヘア。
大きめのベレー帽のような帽子。
そして手には赤い傘を持っていた。
だが一番気になるのはその服装だ。
上半身は黒いシャツ一枚に灰色のカーディガン。
下半身は白いプリーツスカート。
一見すると普通の女子高生風だが……。
なぜかその腰からは黄色と黒色が交互になった太い毛並みの立派な尻尾が生えていたのだ。
突然現れた謎の少女に戸惑うショウマだったが、相手の方は何故か楽しげな笑みを浮かべており。
「あれ?どうしたの?そんな鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔してさ?」
「いや……君は誰なんだい?」
「へぇ~私のことを忘れちゃったんだぁ」
ニヤリと悪戯っぽい笑みを浮かべてこちらを見つめてくる少女の姿に思わず警戒してしまう。
スカートの下から出ている狸の尻尾。
その尻尾の特徴から、彼女が人間ではなく、ハーフグラニュートである事は容易に想像できたからだ。
だが……なぜだろうか?
初めて見るはずなのにどこか既視感がある。
どこか懐かしさすら感じるのだ。
「……ん?なんだいその疑わしい視線は?怪しいもんじゃないよ?」
「怪しいヤツはみんなそう言うんだよ」
「ひどいな〜せっかく久々に会ったっていうのに」
ぷぅっと頬を膨らませて怒ってますよアピールをしてくるものの全く怖くはない。
むしろ可愛らしいとすら思ってしまったぐらいだ。
そんな風に呆然としていると再び少女から声がかかり意識をそちらへ向けるとそこには不貞腐れている様子もなくいつもの調子に戻っていて少しばかり安心してしまう。そして改めて向き直ったところで気になっていることを尋ねることにした。
「ねぇ君は一体誰なんだい?」
「ん?私かい?私は浮波柚葉っていう者でねぇ……まぁ見ての通りハーフグラニュートさ」
そう言うと自らのスカートの中にある尻尾を掴んで見せてくれた。
「こうやって自由自在に扱えるように訓練したおかげで今はこんなこともできちゃったりするんだぜ?」
そう言って手に持った傘を回転させてクルクルっと回すと同時に尻尾を振ってみせる。
その動きはまさに曲芸師のように華麗であり見惚れてしまうほどだった。
その動きに魅了されつつも我に返ったショウマは慌てて質問をする。
「えっと君はどうして僕に話しかけてきたのかな?」
「まぁいろいろ面白い話とか教えたりしたかったんだけどねぇ」
「?」
唐突に雰囲気が変わり不思議に思ったショウマだったが次の瞬間耳打ちしてきた言葉によって固まることになる。
それはあまりにも衝撃的な内容であり、すぐに飲み込むことができなかったからだ。
「いやぁ久し振りに会ったけど記憶がなくても揶揄うとこういう反応してくれるんだねぇショウマ君は♪」
「そっ、そうなの?」
「あっはははっ♪可愛い反応だねぇ。そういうとこ変わってないみたいで安心したよ」
(この人が僕の知り合いなのかな?)
だが目の前の少女の口ぶりからして少なくとも初対面ではないことは明らかであるようだ。
それに先程の発言にも引っかかる部分が多く存在しておりそれらについて考えても答えは出ないので取り敢えず目の前の相手としっかりコミュニケーションを取るためにも話題を変えることにした。
「えっとさっき言ったことなんだけど……君の名前教えてもらってもいいかな?」
「ん?ああそうだった忘れてたよ。私の名前は浮波柚葉。まぁ見ての通りハーフグラニュートさぁ♪」
そう言いながらスカートの裾を翻して黄色と黒色が交互になった太い毛並みの立派な尻尾を見せつけてくる。
どうやら先程のは偶然ではなく狙ってのことのようだ。
「へぇ~そうなんだ。それにしてもすごい毛並みだね」
「そうでしょ♪この尻尾は私の自慢でもあるんだからねぇ」
得意げにそう話す少女こと柚葉だったがすぐに真面目な顔つきになり話を続けた。
「それでショウマ君は何しにここに来たんだい?」
「あっうん、ちょっと色々とあって」
「ふぅん、叔父さんの事かな」
「っ」
その一言を聞くと共に、ショウマは眼を見開く。
「にひひっ、私ってば、色々な情報を取り扱っているんだよ。まぁ、だからこそショウマ君には伝えておかないといけない事があるんだよね」
「伝えなきゃいけない事?」
疑問に思うショウマを余所に、先程までの様子から一変。
「・・・このままじゃ、ガチで人間とグラニュート。どちらもヤバい事になるの」
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子