「本当に映画みたいだなぁ……」
千束は小声で呟きながら目を輝かせる。まさにカンフー映画の舞台そのままだった。
「おーい!皆さんこちらですよー!」
突然、通路の奥から声が響く。
現れたのは小さな虎のような少女だった。黄色と白の髪が外にはねている。
「はじめまして!わたしがこの適当館でお世話することになった橘福福です!」
福福は屈託のない笑顔で自己紹介した。幼い容姿とは裏腹に丁寧な言葉遣いだ。
「……本当に子供?」
たきなが怪訝な顔で福福を観察する。
「失礼ですね!こう見えても雲嶽山では宗主さまの次に偉いんですよ!」
ぷんぷんと怒る福福。しかしショウマは思い出していた。
(福福さんは見た目こそ子供に見えるけど……)
かつて柚葉から聞いた話によれば福福は百年以上の歴史を持つ雲嶽山において二番目に高齢の存在なのだ。
「まあまあ」
柚葉が二人を宥める。
「福福さんは見た目こそ子供っぽいけど、本当は大先輩だからね」
「わかってますよ~!」
福福が得意げに胸を張る。
一同は案内されながら奥へと進んだ。
しばらく歩いていくと立派な広間に出た。中央には岩の台座が置かれている。
「ここで待っていてくださいね!師範をお呼びしてきますので!」
福福はそう言って走り去った。
「師範……?」
ショウマが不安そうに呟く。
「心配ないわ」
柚葉が微笑む。
「儀玄さんは厳しいけど公平な人だから」
「でも……」
ショウマの表情は晴れない。儀玄の名を聞いただけで緊張が走る。
「あのー」
千束が小さく手を挙げる。
「儀玄さんってどんな人?」
「簡単に言えば……"雲嶽山の最強"」
柚葉の答えに千束が息を呑む。
「えっ……!?それって!」
「そう。ボッカ・ジャルダックに対抗しうる数少ない存在よ」
柚葉の言葉に三人の背筋が伸びた。
しばらくして広間の奥から気配を感じた。ゆっくりと歩いてくる影。
やがて姿が露わになると一同は言葉を失った。
長い白髪に黄色のコート。
太腿を露出させたパンツスタイル。
金色の鋭い瞳が一同を捉えている。
「ようこそ"適当館"へ」
その声は澄んでいた。
「わたしは儀玄。ここの主をしている」
儀玄の登場で空気が一変する。
「うわっ……カッコイイ……」
千束は思わず呟いてしまう。
「何ていうか……凄すぎる」
たきなも呆然としている。
「さて」
儀玄がゆっくりと口を開いた。
「聞きたい事が一つある。ショウマ」
「はっはい!」
共に共にショウマは、その言葉と共に立つ。
そんなショウマに儀玄が触れる。
「・・・なるほど、これはなかなかに複雑だな」
そう、呟く。
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子