「ハァッ!」
ショウマの咆哮と共に放たれた一撃が広間の壁を抉る。
もう一体のガヴ——赤い瞳の影は悠然とその攻撃を避けた。
戦いが始まってすでに二十四時間が経過していた。
「すごい……」
千束が息を呑む。
最初はぎこちなかったショウマの動きが、まるで熟練した戦士のように研ぎ澄まされていた。
「あれは……ショウマなの?」
たきなが不安げに呟く。
目の前にいるのは確かにショウマの姿をしている。
だが動きがあまりにも洗練されすぎている。
「うむ……」
儀玄は無言で見守っていた。
彼女の表情には微かな微笑みが浮かんでいる。
「……まさか」
柚葉が目を見開く。
「もしかして……あの影って」
その言葉を遮るようにショウマが再び跳躍した。
「グアァッ!」
猛禽類のような俊敏さで間合いを詰めると、影のガヴに向かって渾身の一撃を放つ。
影のガヴは防御の姿勢を取るが……
「違う!これはっ!」
ショウマの動きが変わる。
防御ではなく受け流しに切り替えたのだ。
「見事な判断だ」
儀玄が満足げに頷く。
「戦いの中で学習している」
「でも……」
千束が心配そうに見つめる。
「本当にあれがショウマ君なの?あんなに別人みたいな……」
「ええ」
たきなが静かに答える。
「でも間違いなくショウマさんです」
その言葉に千束は戸惑いながらも納得した。
一方でショウマ自身も気づき始めていた。
影のガヴの動き。一挙手一投足。
どれも覚えのあるものばかりだった。
(まさか……)
無意識のうちに脳裏に浮かぶ顔。
だが、そう考えていると。
『ケーキング! アメイジング!』
そう考えていると、眼前にいるのは、ケーキングフォームに変身したもう1人のガヴ。
だが、それはショウマが変身している白いケーキではなく、チョコケーキをモチーフにした形となっている。
ショウマはその姿を見て驚くが、すぐに気持ちを切り替える。
ショウマもまた、すぐにケーキングフォームに変身する。
ショウマの掲げた右手に白いクリームが渦巻き、イチゴとチョコレートが絡みつく短槍——ガヴホイッピアが形成される。
同じく影のガヴも黒いチョコレートを基調とした短槍を構えた。
「来い!」
ショウマの挑発に応じるように影が動く。
瞬間、床を蹴り上げる二つの姿。
『ザシュッ!』
鋭い衝突音と共に砂糖とチョコレートの粒子が宙を舞う。
「ふっ!」
ショウマは巧みなステップで距離を取りながら反撃する。
一方、影はまるで計算された軌道で迎撃する。
それらの攻撃を見ていけば、ショウマは理解出来た。
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子