大統領との、最期の戦いが迫る。
決して、負けられない。
そんな戦いへの恐怖がショウマの中にあった。
戦いに行くのに怯えるのは初めてだ。
「ショウマ君」
そこへ千束が声をかけてきた。
「どうしたの?」
ショウマが尋ねると、千束は明るい笑顔を見せた。
「せっかくだからさ、お菓子の家、作ってみない?」
「「えっ」」
千束の提案に、ショウマとたきなは驚いた表情を浮かべる。
「こんな時に、何を言っているんですか」
たきなが呆れたように言う。
「こんな時だからだよ。まだ、大統領が動き出す前だから、最高のお菓子を食べて、元気を出さないと」
千束は真剣な眼差しで答えた。
「うん。たしかにそうだね」
ショウマは少し考えてから頷いた。
「お菓子の家って、何?」
ショウマは興味津々に聞く。
「知らないの?」
千束は驚いたように聞き返す。
「うん。見たことないんだ」
ショウマは恥ずかしそうに答えた。
「じゃあ教えてあげるよ!」
千束は嬉しそうに言った。
「お菓子の家ってのは、元々は童話の中に出てきたものなんだ。でも今は実際に作れるようになったんだよ!」
千束は説明を続ける。
「まず材料を準備するんだけど、例えばクッキーとかキャンディーとかを使うんだ。それらを接着剤代わりにして積み上げていくの!」
「へぇ~すごいなぁ」
ショウマは感心したように言った。
「けど、こっちの世界で材料って手に入るんですか?」
たきなは、そう純粋な疑問を言う。
グラニュート界において、お菓子は存在しない。あっても砂糖や小麦粉等の食材のみ。
「あ~そこまでは考えてなかったなぁ」
千束は苦笑いしながら答えた。
「うーん」
ショウマは考え込む。
「でもきっとなんとかなるよ!」
千束は楽観的に言った。
「そうかな?」
「だって、こっちにはハーフグラニュートもいるんでしょ?ショウマ君と同じように生活している人がいるんだったら、そういう甘味もあるんじゃないかな!」
その言葉を聞いたショウマは少し考える。
「そうだね。試してみる価値はあるかもしれないね」
ショウマは笑顔で答えた。
「全く、こんな緊急事態に」
「こんな時だからこそだよ、たきな。それにたきなだって興味ない?こっちの世界のお菓子!」
「・・・それを言われたら」
ショウマを含め、詳しい事を知らない。
だからこそ、全員の興味を持つには十分過ぎる内容だった。
「とりあえず材料を集めてみようか」
三人は話し合いながら計画を立て始めた。
大統領との戦いに向けた準備と並行してお菓子作りの計画も進めることになった。
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子