グラニュート界の貧民街。
薄汚れた路地には様々な匂いが入り混じり、埃っぽい空気が喉を刺激する。
昼間でもどこか薄暗く、怪しげな店がひしめき合っている。
ショウマと千束は辺りを見回しながら慎重に歩を進めていた。
「たきな、本当にこっちで合ってるの?」
ショウマが声を潜めて尋ねる。
「確かこっちの方だったはずです」
たきなが前方を指差す。
「おい!そこのお嬢さん!」
突然声をかけられ三人は振り返る。
そこには小さな子供が立っていた。
「その財布落としたぜ!」
子供は千束のバッグを指差す。
「え?あら、本当だわ」
千束が確認すると確かに開いていた。
「ありがとね坊や」
千束が笑顔で礼を言うと子供は去っていく。
しかしその背中は妙に落ち着きがない。
「あいつ怪しいな……」
ショウマが呟く。
その時――
「おい!待ちやがれ!」
怒号と共に先程の子供が大人の男に追われてきた。
男は手にナイフを持っている。
「危ない!」
ショウマが咄嗟に子供を庇うように前に出る。
「どけっ!」
男がナイフを振りかざす。
その瞬間――
「そこまでだよ」
凛とした声が響き渡る。
路地の奥から現れたのは見覚えのある四人組。
ニコ率いる邪兎屋のメンバーだった。
「あれ?アンタ達ここで何してるの?」
ニコが片眉を上げて問いかける。
「ちょうど良かった!」
ショウマが安堵の表情を浮かべる。
「実はお菓子の家の材料を探していて……」
「・・・お菓子の家?」
それには、アンビーは首を傾げる。
「・・・お菓子の家?」
アンビーが首を傾げる。
「そうなんです」
ショウマが頷く。
「この辺りでお菓子と言えば・・・」
ニコが腕を組んで考える。
「ああ!クッキーなら売ってるぞ!」
ポンと手を叩いてニコが叫ぶ。
「クッキー?」
ショウマが興味深そうに聞き返す。
「この貧民街じゃ珍しい高級品さ。普段は手が出ないんだがね」
ニコがニヤリと笑う。
「子供達の憧れってわけか」
千束が納得したように言う。
「まあね。あたしらも昔は夢見たもんさ」
ニコが懐かしそうに語る。
「それじゃあ早速買いに行きましょう!」
たきなが提案する。
「ちょっと待った!」
ニコが手を上げて制止する。
「いくらなんでもここじゃクッキーなんて滅多に手に入らないよ」
「えっ!?」
ショウマが驚く。
「ただでさえ貴重なものだし、最近は特に物資不足でね」
ニコが困ったように頭をかく。
「どうしましょう・・・」
たきなが不安そうに呟く。
「しょうがないな。特別に教えてやるよ」
ニコがニヤリと笑う。
「この先の古びた菓子屋なら在庫があるかもしれない」
「本当ですか!?」
ショウマが喜ぶ。
「ただし」
ニコが人差し指を立てる。
「あそこは厄介な店主がいるから用心しなよ」
「分かりました!」
ショウマ達は菓子屋へと向かう。
店内は薄暗く埃っぽい。
カウンターの奥には痩せた老人が座っている。
「いらっしゃい・・・」
老人が低い声で迎える。
「クッキーを下さい!」
ショウマが声を張り上げる。
「どれくらい欲しいんだ?」
老人が無愛想に答える。
「全部お願いします!」
ショウマが即答する。
「馬鹿言うな。全部だと500万ドルはかかるぞ」
老人が呆れたように言う。
「えっ!?」
ショウマが驚く。
「そんなに持ってないんですが・・・」
たきなが申し訳なさそうに言う。
「なら半分で250万ドルだな」
老人が妥協案を示す。
「それでも高すぎます・・・」
千束が呟く。
「じゃあ諦めるしかないね」
老人が冷たく言う。
「ちょっと待ってください!」
ショウマが叫ぶ。
「私達にはどうしても必要なんです!」
「何に使うんだ?」
老人が怪訝そうに尋ねる。
「お菓子の家を作るんです!」
ショウマが説明する。
「ほう・・・」
老人の表情が和らぐ。
「なら仕方ないな。特別に100万ドルで譲ってやろう」
「ありがとうございます!」
ショウマ達は喜ぶ。
支払いを済ませて大量のクッキーを手に入れる。
「これで材料は揃いましたね」
たきなが満足そうに言う。
「でもこんなにどうするの?」
千束が疑問を投げかける。
「もちろん全部使いますよ!」
ショウマが元気よく答える。
「でもこんな量じゃ家一つ作るのが精一杯ですよ」
たきなが心配そうに言う。
「大丈夫です。余った分は貧民街の子供達に分けましょう」
ショウマが提案する。
「いいアイデアですね!」
千束が賛同する。
「さすがショウマさん」
たきなが感心する。
こうしてショウマ達はクッキーを手に入れ、貧民街の子供達のためにお菓子の家を作ることになった。
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子