フルコースとライダーと学園生活   作:ボルメテウスさん

337 / 366
トリガーは聞こえている

お菓子の家の材料を探していた。

 

「いやぁ、お菓子の家の材料も、順調に集まっているねぇ」

 

「えぇ、家の土台になるクッキーやウエハースが手に入ったのは大きいです」

 

「次は天井になりますかね」

 

ショウマ達は貧民街での収穫に満足していた。

 

だが……

 

「……」

 

千束だけは何かに気づいている。

 

(……見られてる)

 

視線を感じるのだ。

 

しかもそれは普通の人間のものではない。

 

もっと異質で粘つくような気配。

 

おそらく大統領の手先だろう。

 

「ショウマ君……たきな……気づいてる?」

 

小声で尋ねる千束。

 

「え?」

 

「なにか?」

 

二人は特に反応しない。

 

「いや……なんでもないよ」

 

千束は苦笑いで誤魔化す。

 

「あら?そこにいるのはショウマ君ですね?」

 

突然後ろから声をかけられた。

 

振り返ると、そこには謎の女性が立っていた。

 

「トリガー……さん?」

 

ショウマは記憶を辿る。

 

「思い出してくれましたか、記憶が無くなっていると聞いて、不安でしたが」

 

トリガーは笑みを浮かべる。

 

「あなたは?」

 

たきなが警戒しながら尋ねる。

 

「私はトリガーです。防衛軍の一員ですが、大統領の不正を暴くために単独行動をしています」

 

トリガーは端的に自己紹介する。

 

「防衛軍……ですか」

 

あまり聞いた事のない単語だったため、少し疑問に思う。

 

「えぇ、異世界と繋がる扉があり、そこから現れる未知の脅威に立ち向かう為に。最も、現状は私達の方が異世界の脅威になっていますが」

 

そうして、トリガーはため息を吐く。

 

「いえ、こちらの世界にも悪人がいますので。何よりも、こちらの世界の人達にも助けられましたので」

 

「そうそう、悪いのは、大統領でしょ」

 

たきなと千束はそれぞれ言う。

 

「そう言って貰えると、幸いです、そう言えば、よかったらこちらを」

 

それと共に、トリガーは一つの箱を取り出し、渡す。

 

ショウマは手にした箱を開けた。

 

中には艶やかなチョコレートが整然と並んでいる。

 

「うわぁ……!」

 

思わず感嘆の声が漏れる。

 

「すごいですね。こんなに綺麗なチョコレートを見るのは初めてです」

 

たきなも目を丸くしている。

 

「ありがとう、トリガーさん!これは本当に助かるよ!」

 

ショウマは感謝の言葉を伝える。

 

「お役に立てて嬉しいです」

 

トリガーは満足そうに頷く。

 

だが次の瞬間、たきなの鋭い視線がトリガーに向けられた。

 

「……どうして知っているのですか?」

 

その問いには冷たい緊張感が漂っていた。

 

「え?」

 

ショウマはきょとんとする。

 

「なぜ我々がお菓子の家を作ると知っているのですか?」

 

たきなの声は低く抑えられているが、明らかに警戒心が滲んでいる。

 

確かに先ほど会ったばかりなのに、まるで全てを見透かしたようなタイミングでチョコレートを差し出してきた。

 

これは偶然にしてはできすぎている。

 

「あら、簡単なことですよ」

 

トリガーは涼しい顔で答える。

 

「あなたの声が聞こえただけです」

 

「俺の声……?」

 

ショウマは首を傾げる。

 

「えぇ。ほら、私の耳は特別製ですので」

 

トリガーは笑みを浮かべる。

 

その仕草にはどこか妖艶さがあった。




次回作品
仮面ライダーゼッツ×○○○○○○パ×○I:○○○○○○○○○

ゼンゼロから出る陣営は

  • 邪兎屋
  • 白祇重工
  • ヴィクトリア家政
  • 特務捜査班
  • カリュドーンの子
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。