お菓子の家の材料を探していた。
「いやぁ、お菓子の家の材料も、順調に集まっているねぇ」
「えぇ、家の土台になるクッキーやウエハースが手に入ったのは大きいです」
「次は天井になりますかね」
ショウマ達は貧民街での収穫に満足していた。
だが……
「……」
千束だけは何かに気づいている。
(……見られてる)
視線を感じるのだ。
しかもそれは普通の人間のものではない。
もっと異質で粘つくような気配。
おそらく大統領の手先だろう。
「ショウマ君……たきな……気づいてる?」
小声で尋ねる千束。
「え?」
「なにか?」
二人は特に反応しない。
「いや……なんでもないよ」
千束は苦笑いで誤魔化す。
「あら?そこにいるのはショウマ君ですね?」
突然後ろから声をかけられた。
振り返ると、そこには謎の女性が立っていた。
「トリガー……さん?」
ショウマは記憶を辿る。
「思い出してくれましたか、記憶が無くなっていると聞いて、不安でしたが」
トリガーは笑みを浮かべる。
「あなたは?」
たきなが警戒しながら尋ねる。
「私はトリガーです。防衛軍の一員ですが、大統領の不正を暴くために単独行動をしています」
トリガーは端的に自己紹介する。
「防衛軍……ですか」
あまり聞いた事のない単語だったため、少し疑問に思う。
「えぇ、異世界と繋がる扉があり、そこから現れる未知の脅威に立ち向かう為に。最も、現状は私達の方が異世界の脅威になっていますが」
そうして、トリガーはため息を吐く。
「いえ、こちらの世界にも悪人がいますので。何よりも、こちらの世界の人達にも助けられましたので」
「そうそう、悪いのは、大統領でしょ」
たきなと千束はそれぞれ言う。
「そう言って貰えると、幸いです、そう言えば、よかったらこちらを」
それと共に、トリガーは一つの箱を取り出し、渡す。
ショウマは手にした箱を開けた。
中には艶やかなチョコレートが整然と並んでいる。
「うわぁ……!」
思わず感嘆の声が漏れる。
「すごいですね。こんなに綺麗なチョコレートを見るのは初めてです」
たきなも目を丸くしている。
「ありがとう、トリガーさん!これは本当に助かるよ!」
ショウマは感謝の言葉を伝える。
「お役に立てて嬉しいです」
トリガーは満足そうに頷く。
だが次の瞬間、たきなの鋭い視線がトリガーに向けられた。
「……どうして知っているのですか?」
その問いには冷たい緊張感が漂っていた。
「え?」
ショウマはきょとんとする。
「なぜ我々がお菓子の家を作ると知っているのですか?」
たきなの声は低く抑えられているが、明らかに警戒心が滲んでいる。
確かに先ほど会ったばかりなのに、まるで全てを見透かしたようなタイミングでチョコレートを差し出してきた。
これは偶然にしてはできすぎている。
「あら、簡単なことですよ」
トリガーは涼しい顔で答える。
「あなたの声が聞こえただけです」
「俺の声……?」
ショウマは首を傾げる。
「えぇ。ほら、私の耳は特別製ですので」
トリガーは笑みを浮かべる。
その仕草にはどこか妖艶さがあった。
次回作品
仮面ライダーゼッツ×○○○○○○パ×○I:○○○○○○○○○
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子