カリエスを倒す事が出来た。
その仮面の下に隠された素顔を見て、ショウマは驚きを隠せなかった。
「・・・この顔って」
見た事はなかった。
だが、その顔は、まるで見た事はなかった。
けれど、理解は出来ていた。
「俺だ」
人間ではなく、もしもグラニュートとして生まれたらどうなっていたのか。
そう思わせるような異形が、そこに立っていた。
だが、ショウマは感傷に浸るよりも早く、その場をカリエスを連れて、そこから離れた。
先程までの、ニエルヴ達がいた所に。
「倒したよ、それでこちらの交渉は出来るんだよね」
そう、ショウマは倒したカリエスをニエルヴ兄さん達の前に飛ばす。
先程までの戦闘の様子を扉越しで見ていたとはいえ、彼らは驚いた様子で見ていた。
「嘘だろ、赤ガヴに、なんであれ程の力を、それにあの武器」
「・・・ランゴ兄さんの武器がなんで、お前が」
「・・・俺の中にランゴ兄さんがいるからだ」
そうして、ショウマはグロッタ達を睨み付ける。
全員が、臨戦態勢に入る中。
「なるほど、素直に降参だ」
「ニエルヴ兄さん!だけど」
「赤ガヴの力を使って、この状況を打開する。それは変わらないよ。けれど、予想外だったのは、赤ガヴの力に加えて、ランゴ兄さんの力まで取り込まれていたという事だ」
「ランゴ君かぁ、彼の戦闘能力って、やっぱり高いの」
「兄弟の中で最強だよ。それが、未だに成長している赤ガヴに取り込まれた以上は僕達に勝てる可能性は低いよ。けれど、これは幸運でもあるよ」
そうして、ニエルブは笑みを浮かべる。
「つまりは、大統領と十分に戦える戦力を持っている意味でもある。不安な要素が減って、僕としてはかなり嬉しいけどね」
「ニエルヴ君のそういう所、嫌いじゃないよ」
そうして、彼らの話の中で。
「まぁ、手を組むにしても、こっちから条件はあるけどね」
「千束?」
だが、その中で千束は不満そうに言う。
「人間、いきなり出しゃばるつもり?」
「そっちが不満に思っているようだけど、こっちにも不満があるの、忘れていない」
千束は、そう言って、全員に眼を向ける。
「・・・千束の言う通りですね」
「たきなまで、それって」
すると、千束が言葉に出したのは。
「謝って、ショウマ君に」
「赤ガヴに?なんでだ」
「ショウマ君が記憶を無くす前、酷い事をしたんでしょ。何よりも、お母さんを殺した。もう過ぎてしまって、謝って許されるかどうかは分からない。
けれど、少なくとも、手を組む前に謝るべきでしょ」
「あはぁ、可笑しい事を言うね、殺人集団がよく言えるねぇ」
「こっちは赤ガヴの力は必要かもしれないけど、人間、あんたらの力は必要ないのよ」
そう、ジープとグロッタは睨み付ける。
「だったら、ここでやる」「千束、そういう事だったら、私も」
そう、千束とたきなもまた構える。
「えっえぇ、2人共、ここは「良いじゃないか」ニエルブ」
ショウマはすぐに止めようとしたが、ニエルブが止める。
そう、睨み付けると。
「互いにすっきりしなければ、進まない話もあるからね」
そう、紳士的な笑みとは別に、彼の目は、これからの戦いから得られるデータにしか、考えていなかった。
それが理解出来ているショウマだが、既に止められる状況ではなかった。
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子