グロッタは全身に漲るパワーを解放するように雄叫びを上げた。その巨体からは想像もつかない俊敏さで千束に肉薄する。振るわれる大鎌は空間ごと引き裂くような勢いで千束に迫った。
「っ!」
千束は冷静にその軌道を見極め、最小限の動きで回避する。鎌の風圧だけで皮膚が裂けそうな錯覚を覚えた。
「逃げても無駄よ!」
グロッタは執拗に追撃を仕掛ける。振り下ろし、横薙ぎ、突き。一撃一撃が必殺の威力を秘めている。千束は鞭モードのヴラムブレイカーを器用に操り、その柄で攻撃を捌きながら的確にカウンターを繰り出す。しかし――
「痛くも痒くもないわね!」
グロッタはニヤリと嗤う。千束の蹴りや拳を受け止めても微動だにしない。それどころか、受けた衝撃が瞬時に倍増し、反撃のカウンターとなって千束を襲う。千束は咄嗟に回避するが、装甲の一部が裂け、僅かな出血が見えた。
「厄介な能力ね……!」
千束は内心舌打ちする。単純な物理攻撃では決定打にならない。ならば――
「なら、こういうのはどうかな!」
千束は距離を取り、ヴラムブレイカーを鎌モードに変形させる。
「そんなちゃちな武器で!」
グロッタは再び猛スピードで突進してくる。千束は冷静にタイミングを計り、ヴラムブレイカーを振るった。狙いは――グロッタの大鎌。
「なっ!?」
千束の鎌がグロッタの鎌を絡め取るように巻きつき、動きを封じた。
同時に千束はグロッタの懐に入り込み、至近距離から連続パンチを叩き込む。衝撃吸収される前に、超高速で攻撃を重ねるのだ。
「くっ……このっ!」
グロッタは苦悶の表情を浮かべる。初めてダメージらしいダメージを感じたようだ。千束はさらに畳みかけるように膝蹴りを放ち、グロッタを吹き飛ばした。
「どう?少しは効いたでしょ?」
千束は不敵に微笑む。グロッタはゆっくりと立ち上がるが、その体は明らかに消耗していた。
「……舐めやがって!」
グロッタの目に凶暴な光が宿る。全身から黒いオーラが噴出し始めた。異常な筋肉の隆起。大鎌が歪み、より禍々しい形状へと変貌していく。
「お前のその余裕綽々な態度……粉々に砕いてやる!」
地を蹴ったグロッタの速度は先程とは比較にならない。閃光のごとき突進と共に放たれる渾身の一撃。千束は辛うじてヴラムブレイカーで受け止めたが、その衝撃で大きく吹き飛ばされ、瓦礫に叩きつけられた。
「千束!」
遠くでたきなの悲鳴が聞こえる。千束は血を吐きながらも立ち上がる。肋骨が何本か折れているかもしれない。しかし、目は死んでいない。
それを感じたたきなは、その手にあるヴァレンバスターを投げる。
「っ!」
それを、千束は逃さなかった。
彼女は、投げられたヴァレンバスターを手に取る。
そして、彼女が行ったのは。
「ふんっ!」
ヴラムブレイカーを無理矢理ヴァレンバスターに接続する事だった。
既に破壊され、レバー部分が使えなかった。
その部分にヴァレンバスターを無理矢理接続させる。
それと同時に、ヴラムブレイカーに、フラッペいずゴチゾウを装填する。
「ちっ、それが何が!」
「私、眼は良いんだ。だからさ、何の意味もなく、何度も攻撃していたと思う!」『チョコ!』
そうして、ヴラムブレイカーの刃を地面に突き刺し、構える。
本来、想定されなかった使い方の為か、両方の武器が悲鳴を出す。
それでも、千束は、迷わず、その引き金を引く。
同時に放たれた一撃。
それは、真っ直ぐと、グロッタへ向かう。
「まさかっこいつ!」
それは、既に時が遅かった。
すぐに、防御を行おうとした。
だが、放たれた一撃は、あまりにも早く。
あまりにも鋭かった。
その一撃はグロッタのダメージを受け入れる量を遙かに超え。
「がぁ」
一瞬で気絶させるには、十分過ぎた。
「はぁ、疲れたぁ」
同時に、千束の変身もまた、解除される。
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子