喫茶リコリコにて、届いたその品物。
「待たせたわね、これが依頼されていた物よ」
「おぉ、出来たんだ」
自信に満ち溢れた笑みと共に、ニコは持って来たそのアタッシュケースを千束達の前に渡した。
千束達は、そのアタッシュケースの中身を確認する。
「おぉ、これはなんだかSF映画に出てくる銃みたい!!」
「さすが、千束、分かっている」
そうして、そこに収まっている銃を取り出して、見つめる。
形としては、銃というよりも弓に近い形となっている。
銃口の部分には、ゴチゾウをセットする為の台座があり、千束達の言う通り、近代的な銃を想像させる銃であった。
「これ、結構造るのに色々と大変だったのよ。制作には白祇重工が協力してくれたし、色々な技術は特務捜査班を参考にしたんだから」
「うぅん、一体全体、どういう技術で造られてるのが、さっぱり。というよりも、これって具体的にはどんな感じなの?」
そうしながら、その手に持つ銃を見つめる。
「説明書ならここにあるぜぇ」
「おぉ」
そうしているとビリーが取り出したのは説明書だった。
「この銃、その名はヴァレンバスター!」
「おぉ! ヴァレンって、もしかしてバレンタインデー」
「たぶん、そうかもしれないな」
そうしながら、ビリー達は、そのまま説明書の続きを読み始める。
「えっと、これは俺の機械人をモデルに、ゴチゾウがそのアーマーを形成して、戦えるようにするみたいだぜ」
「……そう言えば、ビリーの事を普通にスルーしていたけど、機械なの」
「そうみたいだぜ、もう失われた技術で、それを再現するのは大変だったみたいだけどな」
キリッと言うビリーに対して、千束はどう答えたら良いのか分からなかった。
「まぁ、見ている限りだと、ビリーと似た機械のアーマーを装着する事から、ショウマが生身なのに対して、これを使った変身はパワードスーツを身に纏うのに似ているな」
「けど、これにも弱点はある」
「そうなの?」
すると、アンビーが取り出したゴチゾウ。
「ゴチゾウは、あくまでもショウマの眷属。ショウマだったら力は貸すけど、それ以外の場合は、各々と相性の良いゴチゾウじゃないと変身できないみたい」
「そういう感じの弱点という訳か」
そうしながら、千束は、そのままゴチゾウ達を眺める。
どれが、彼女自身と相性の良いゴチゾウなのか。
それを見定める為に。
そうしていると、何かが落ちてきた。
「あれ、これって」
「ゴチゾウ?」
落ちてきたゴチゾウ。
それに疑問に思っていると、ゴチゾウが話し始める。
それを聞いたショウマは。
「えっ、本当に!?」
すると、ショウマは、すぐにその場から離れた。
「えっちょっ、ショウマ君!」
「おぉい!」
ショウマが飛びだしたのを見て、千束もまたすぐに追いかける。
「どうしたの?」
「プレスした人間が纏められたアタッシュケースを持った怪しい奴がいたらしいんだっもしかしたら」
「攫われた人っていう事」
それを聞いて、すぐに走り出す。
だが、それはこれまでのグラニュートとどこか違う。
グラニュートは基本的に滞在する時間は少ない。
ハーフグラニュートでなければ、数分程度。
文月学園の召喚フィールドでなければ、長時間の活動は出来ない。
そんなグラニュートがなぜ。
そう考えている間にも、目的の場所に辿り着く。
そこに立っていたのは、これまでのグラニュートとどこか雰囲気が違った。
立っていたのは4人の人影だった。
だが、二組が同じ格好をしていた。
一組目は、全身が黒いスーツを身に纏っている。
だが、顔はペストマスクを思わせる怪しげな仮面であり、光る目は白と青で別れている。
そして、もう一組は犬や狼などの獣を彷彿させる白い頭部を持ち、黒いケープを羽織った白いドレスに身を包んでいる。
そして、双子なのか、見た目はかなり似ている。
そんな双子、ショウマを見て、笑みを浮かべた。
「よぉ、赤ガヴ! まだ生きてたのか?」「赤ガヴ?」
そう、ショウマに向かって馴れ馴れしく話しかけてきた。
だが、その言葉は、ライカン達のような友好的な声ではない。
むしろ見下しているような言動。
「えぇ、私達の事を忘れちゃった訳なのか、赤ガヴの癖に」
「さっきから赤ガヴって、貴方達、ショウマ君のなんなの?」
その言動に少し苛ついたのか、千束は質問した
「んっ、人間と一緒にいたのか、まぁ、良いけど」「何なのって言われたらね、そうだね」
双子は、互いに顔を見合わせると共に
「お兄ちゃんと」「お姉ちゃんだね」
「なっ」
その言葉に2人は驚きを隠せなかった。
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子