「さあ、始めよう」
ボッカは優雅に腕を広げる。
ショウマは一瞬で距離を詰め、目にも留まらぬ速さで拳を繰り出した。空気が裂ける音と共に、三連打がボッカを捉える──はずだった。
「──遅い」
ボッカの右手がショウマの拳を掴む。指一本でその動きを止めた。
「なっ!?」
ショウマが驚愕する間もなく、ボッカの左脚が弧を描き、衝撃波が腹部を直撃する。
「ぐあっ!」
ショウマの体が宙を舞い、壁に激突した。
「おや? これが噂の赤ガヴか? 拍子抜けだね」
ボッカは軽く首を傾げながら近づく。その動きは滑らかで、まるで水が流れるように自然だった。
「スピードだけでは私を超えられないよ」
嘲笑うように告げると同時に、ボッカの姿が消えた。次の瞬間、ショウマの背後に現れ、肘打ちを叩き込む。
「ぐっ!」
再び壁に叩きつけられたショウマ。その額に汗が滲む。
「どうした? その程度では──」
言葉が終わる前に、ショウマが低く構えた。全身の筋肉が収縮し、爆発的な推進力を生み出す。
「これが……限界突破だ!」
一筋の紫の閃光が広間を走った。音すら置き去りにする速度で、ショウマの拳がボッカの胸を狙う。空間が歪むほどの速度に、周囲の景色が溶ける。
「ふむ」
ボッカは僅かに眉を寄せた。しかし次の瞬間、その動きが明らかに変化した。
まるで時間が止まったかのように、ボッカの視界が鮮明に広がる。ショウマの拳の軌跡、微細な筋肉の動き、空気の乱れまでもが手に取るように把握できる。
「残念だね」
ボッカの掌がショウマの拳を受け止めた。衝撃波が周囲を襲うが、その姿勢は微動だにしない。
「何っ!?」
ショウマの瞳が驚愕に見開かれる。全力の一撃を片手で受け止められたのだ。
「これでも……!」
ショウマが反撃に転じようとした瞬間、ボッカの蹴りが腹部を貫いた。
「ぐあっ!」
今度は床に叩きつけられるショウマ。大理石の床が砕け散り、亀裂が放射状に広がっていく。
「この程度かい?」
そう言って、ボッカは再び接近する。その動きは先ほどまでの軽快なものとは異なり、重厚な威圧感を纏っていた。
「次は本気で行くよ?」
ショウマの背筋に寒気が走る。この男の底知れぬ力に、初めて恐怖を感じた瞬間だった。
「まだだ!」
ショウマが叫ぶと同時に、全身の装甲がオレンジ色に輝き始め、オーバーモードへと変わる。
オーバーモードとなり、そのまま巨大化した拳を、真っ直ぐとボッカに放とうとした。
だが。
「それは見切っているよ」
それと共に放たれた一撃。
それはボッカの手を包まれる。
「なっ」
ショウマの驚愕の声が響き渡る。
信じられない。
あのオーバーモードの攻撃を受け止めるどころか、ボッカは片手で完全に封じ込めている。
「どうした?これがあのオーバーモードの力なのかい?」
「っ!」
ショウマは歯を食いしばりながら力を込めるが、ボッカの手は微動だにしない。
「まさか……この力でさえ」
ショウマの表情に焦りが浮かぶ。
「君のオーバーモードは確かに素晴らしい。しかし」
ボッカが軽く息を吐くと、ショウマの拳を押し返し始める。
「それだけでは、私を超えることはできないよ」
「ぐっ!」
ショウマが後方に吹き飛ばされる。
その瞬間、千束とたきなが駆け寄ってきた。
「ショウマ君!」
「大丈夫ですか!」
「あぁ」
ショウマは膝をつきながらも立ち上がる。
「まだ……まだ負けられない!」
ショウマは再びオーバーモードの力を高めようと試みるが、ボッカはそれを軽く制止するように手を振った。
「もう十分だよ。君の力は理解した」
「なっ……!」
ショウマが驚愕する間もなく、ボッカがゆっくりと歩み寄る。
「私はこの世界の全てを掌握している。君たちの力もまた、その一部にすぎないんだよ」
「ふざけるな!」
ショウマが叫びながら再度攻撃を仕掛けるが、ボッカはそれを軽々と回避し、反撃の蹴りを叩き込む。
「ぐあっ!」
ショウマが再び地面に叩きつけられる。
「ショウマ君!」
千束とたきなが駆け寄ろうとするが、ボッカが片手を上げると、二人の動きが止まる。
「あら、あなた達は私が遊んでおげるわ」
「ぐっ」「ここに来て」
そこにはリゼルが前に立ちはだかる。
それにより、ショウマの救援に迎えなかった。
「ふむ、さて、私も忙しいからね、ここで終わらせるよ」
そう、ボッカが攻撃を仕掛けようとした時。
「試験召喚!」
そんなボッカに攻撃を仕掛けたのは。
「えっ」
ここにはいないはずのクラスメイトの召喚獣がいた。
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子