フルコースとライダーと学園生活   作:ボルメテウスさん

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ショウマの家族

「俺の兄さんと姉さん」

 

 ショウマの前にいきなり現れた双子から告げられた言葉に対して、ショウマも千束は驚きを隠せなかった。

 

 同時にショウマは自分の身体の変化に気づく。

 

「おいおい、俺達の兄さんと姉さんの名前を忘れたのか? どう思う、ジープ」「いや、忘れているからこそ、こうして呆けているんだろうなぁ、シータ」

 

(なんで、震えているんだっ俺っ? これは、嬉しいからじゃないっ、一体)

 

 身体が震えている原因は、シータとジープである事は分かる。

 

 だけど、なぜ。

 

 そんな疑問を余所に。

 

「おいおい、まさか忘れたのか?」「お前はその赤ガブのせいで不幸になったのになぁ」

 

 シータとジープの2人は、そのまま笑みを浮かべながらあ、ショウマの赤いガブを見つめながら言う。

 

「ちょっと、さっきから赤ガブ、赤ガブって、ショウマ君のお兄ちゃんとお姉ちゃんなのに、なんでそんな態度が取れる訳?」

 

 その態度に、千束は我慢が出来ずに睨んでしまう。

 

 すると、そんな千束を見て、シータとジープは口を押さえて。

 

「おいおい、まさか、知らないのか、あれを?」「いや、あいつは記憶喪失だから、知らないだろうなぁ、あの事を」

 

 2人が、そうまるで馬鹿にするように笑う。

 

 そうして、2人は。

 

「「そいつは、ハーフグラニュートであるが故に、母親と一緒にスパイスになれずに生き残っていたのを」」

 

「ぇっ」

 

 シータとジープの一言。

 

 それは、まるでショウマの中に閉じられた記憶が思い浮かぶように。

 

 記憶の中にある見覚えのない女性。

 

 だけど、確かに大事な女性だと分かる。

 

 その人物が、母親だという事が分かる。

 

 母親である彼女と共にいたショウマ。

 

 だが、自分達を包み込むベロの感触。

 

 そうしている内に、母親は、目の前でプレスされる。

 

 幾度となく見てきたそれを、シータとジープを含めた5人がそこにある機械を操作していた。

 

 その操作によって、稼働した機械に入れられた母。

 

 その結末は。

 

「あっあっあぁぁぁぁ!!」「ショウマくんっ!」

 

 その記憶を思い出し、ショウマは頭を抱えた。

 

 これまで、封じ込められた記憶。

 

 その一部であり、最も残酷な記憶。

 

 それが思い出してしまった為に、ショウマは、崩れ落ちる。

 

 千束は、すぐに寄り添う。

 

「なんでっそんな事をっ」

 

「私達とそいつの母親は違うからな」「親父の気まぐれで産んだそいつの事はずっと疎ましいと思っていたからな」

 

 そうしていると、2人の近くにいた黒服の人物達が動き出していた。

 

「俺達のように眷属を生み出せないような役立たずには、ストマック家には必要ない」「これ以上、バイトが消されても面倒だからな、エージェント、さっさと始末して」

 

 彼らの、その一言と共に、黒服達は、その手に持っている銃を構えた。

 

 ショウマは、すぐに立ち上がろうとする。

 

 だが、ショウマは、母親が目の前で死んだ光景を思い出して、その場を動けなかった。

 

 そうしている内に、エージェント達は、その銃をこちらに向けていた。

 

 だが、それよりも、千束は前に出ていた。

 

「なんだ? 人間が何をするつもり?」

 

「何をか、そうだね、ただ、ショウマ君を守る為にだけど?」

 

 そう言って、千束は、その手にはヴァレンバスターを手に持っていた。

 

「へぇ、何の関係もないのに?」

 

「関係はあるよ。だって、貴方達がショウマ君のお姉さんとお兄ちゃんじゃないんでしょ。だったら、そんな人達から、守るのは当然だよ」

 

「はぁ? それこそ、お前には関係ないだろ」

 

「だからあるよ、だって私は、ショウマ君の家族だから」

 

「えっ」

 

 その言葉に、ショウマもそうだが、シータとジープも驚きを隠せなかった。

 

「おいおい、人間は、ここまで頭が可笑しいのか?」「そいつはお前達と同じ人間でもないし、俺達のようなグラニュートでもない」「その上に、血が繋がっていないのに家族だなんて」

 

 そう、2人は交互と言っているが、千束は。

 

「それが家族にならない理由かな? 血なんて、繋がっていなくても家族になれる。グラニュートだから、人間と家族にはなれない。そんな訳ないじゃない」

 

 その言葉に合わせるように、千束の手元に自分の意思で乗るゴチゾウが一体。

 

「なんだ、それは!?」

 

 シータとジープにとって、ゴチゾウは未知の存在だった。

 

 そんなゴチゾウを、千束は、そのままヴァレンバスターのスロットに装填する。

 

『チョコ! Setチョコ! Setチョコ!』

 

 ヴァレンバスターに、ゴチゾウが装填された事によって、鳴り響く音声。

 

 その音声と共に、ヴァレンバスターのレバーを動かす事によって、弓矢を思わせる形から、銃へと変形させる。

 

 そして。

 

「変身」『チョコドン! パキパキ!』

 

 千束が、引き金を弾いた瞬間。

 

 千束の姿は変化する。

 

 ヴァレンバスターから飛び出たチョコが、千束を覆うと共に、その姿は一変。

 

 ショウマが変身するガヴに似た要素がありながらも、どこか異なる姿。

 

「あれって、機械人なのかっ!」「けれど、人間がそんな技術持っているはずないだろっ! お前っ一体何者なんだっ!」

 

 明らかに人間の技術ではない姿。

 

 それには、シータとジープは驚くしかなかった。

 

 千束は、そのままヴァレンバスターを構えながら。

 

「仮面ライダーヴァレン、ショウマ君の家族だ」

ゼンゼロから出る陣営は

  • 邪兎屋
  • 白祇重工
  • ヴィクトリア家政
  • 特務捜査班
  • カリュドーンの子
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