「千束ちゃんにショウマ君、今日はどうしたんだ?」
喫茶リコリコ。
普段は喫茶店として営業しているその場所において、常連客は看板娘である千束と、マスコット系のウェイターとして有名なショウマの二人が元気がない事が気になっていた。
喫茶リコリコでは、珈琲と和風なお菓子以外にも、二人の存在が看板になっていた事もあり、その落ち込んでいる様子に、常連客一同が驚きを隠せなかった。
それに対して、ライカンは、その手に持った珈琲を渡しながら。
「実は、千束様とショウマ様。お二人共今回の文月学園での振り分け試験に事情があって、遅れてしまいした。その結果、どうやらFクラスになってしまったようなのです」
ライカンは、そう、疑問に思った常連客へと丁寧な説明を行った。
既に、喫茶リコリコでも、ハーフグラニュートであるライカンに関しては、受け入れ始めていた。
その理由として、千束が提案した動物の覆面をした執事という事で堂々と客の前に出した為。
最初こそ、あまりのリアルな狼という事もあって、困惑する客も多くいたが、その内、獰猛な狼なのに、執事というギャップもあって、あまり騒ぎにはならなかった。
何よりも、人間、常識で考えたらあり得ない真実よりも、常識で考えたらあり得る嘘の方が信じやすかった。
故に、ライカンが表に出ても、あまり目立たなくなった。
「そうなんだぁ、あそこって、結構クラスで差があるらしいよ」
「うんうん」
文月学園の事をある程度、知っている常連客は苦笑いをしながら、文月学園の事を話題に出しながら言う。
その最中、千束は。
「ふふっ、これはこれで燃えるじゃないか」
「千束?」
ふと、これまで何の反応もなかった千束が口を開いた事にショウマは驚く。
同時に千束は。
「ショウマ君!今こそ逆転だよ!」
「逆転!」
千束は、その言葉の宣言に、目を輝かせていた。
それはに対して、周囲は首を傾げる。
「この前見たスポ根映画でも、様々な映画でも、絶体絶命の場面はあった!」
「確かに!」
そう、千束の言葉に対して、ショウマは納得する。
そして、千束は、まるで、自分の夢を叶える為に、決意を固めるように、拳を強く握り締めながら、高々と叫ぶ。
「このままじゃ終われない!こんな所で負けられないんだよ!だからこそっ」
それと共に千束は。
「特訓だぁ!」「特訓!!」
千束の言葉に、ショウマはまるで子供のように賛同した。
「さっそく勉強会を!」「おぉ!!」
そう、二人が叫ぶと共に。
「とりあえず、店が終わった後に」
そう、エレンがため息を吐きながら、二人に言った。
そんな賑わいを見せる喫茶リコリコの翌日。
新学期が始まる少し前に、とある事件の始まりでもあった。
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子