喫茶リコリコ。
普段は、多くの客で賑わっているその場所は、かなり暗い雰囲気となっていた。
「……それで、なんでショウマ君がそのグラニュートと同じだと言えるの、フキ」
そうしながら、千束は不機嫌な様子で、目の前にいる彼女の同期であるリコリスであるフキに問いかける。
その言葉に対して、フキはため息を吐くと共に。
「最近になって、行方不明者が多い事はお前も知っているだろ」
「そうだね、日本でもかなり奇妙な事件だって、話題になっているね」
近年、稀に見る行方不明事件。
多くの人々が急に消える事件。
その事件の関連性は未だに分からず、攫われた人々はどこにいるのか。
多くの謎に包まれていた。
「その事件に関わっていると思われる奴らが、怪物だって分かったの」
「……それって、文月学園にいた」
「えぇ、グラニュートです」
フキの言葉に対して、ミカは疑問に言うと、すぐに答える。
同時に、彼女が取り出したスマホ。
それを彼らに見せる。
「これって」
そこには、先程、千束が攫おうとしたグラニュート。
そのグラニュートに変装した男であり、その腹部にある口から舌が伸びた。
最初の戦いの時に、千束に対して行った行動であり、その餌食となった被害者は、捕まる。
抵抗した様子だが、それも空しく、なんと被害者は。
「これって」
そこから監視カメラで遮られた。
だが、次の瞬間、グラニュートによって攫われた被害者は、小さなアクリルスタンドへと変わっていた。
「この映像もあって、私達の方でも対策した。だけど、通常兵器ではあまり効果はなかった。集団でもやっても、奴らが消える時間の時間稼ぎしか出来なかった」
「消える時間までって」
千束は、その言葉に首を傾げる。
「奴らは、通常の空間では5分程度しか活動出来ない。それがなぜかは分からない。だからこそ、私達はその5分を稼ぐ為に行動していた。そして、被害者だと思われるアクリルスタンドは回収出来た」
「その人は」
「未知の技術だったけど、軽く叩けば、すぐに解放されたよ」
「良かった、けど」
その言葉と共に千束が思い出したのは、あのグラニュートの言葉。
闇菓子の材料にする。
つまりは、被害者は全員。
「けど、それだったら、ショウマ君は関係ないじゃない! だって、その五分をとっくに超えているよ!」
現在、ショウマは喫茶リコリコの地下にある訓練スペースで拘束されている。
数人のリコリスによる監視と共に行われている状態だった。
千束は、それが許せずに思わず叫ぶ。
「だが、奴らと同じ特徴があまりにも多すぎる。何よりもお前も見たはずだ。あの怪物達と同じ口がある事を」
「それは、たまたま」
「そんな偶然、ある訳ないだろ! 第一、そのグラニュートと同等に戦える奴が人間な訳ないだろ」
フキは、すぐに叫びながら言う。
「現状、奴らの情報はあまりにも少なすぎる。お前が言っていたグラニュートという個体の名前も、奴らの目的が人間を使った闇菓子という何かしか分かっていない。
だけど、今、あいつを尋問すれば、さらに情報が分かるかもしれないんだ」
「けど、ショウマ君は、良い子だよ、今回だって、私を助けてくれたし」
「だが、次は助けてくれるという保証がどこにある」
千束は、必死に叫ぶが、それに対して、フキは睨み付ける。
「あいつらは怪物だ、私達と同じ倫理観を持っているとは限らない。今回は助けたかもしれないけど、今度は私達を殺す為に動くかもしれない。その時、お前は責任を取れるのか」
「それは」
本来だったら、『出来る』と即答したかった。
けど、フキの言葉を否定する事は出来なかった。
『異世界の怪物』。
それが、千束の中で、答えを鈍らせた。
「とにかく、後日、尋問用の施設まで護送する。それまでは、ここの地下で幽閉しておけ。これは本部命令だからな」
それだけ言い、フキは、すぐにその場から出て行った。
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子