フルコースとライダーと学園生活   作:ボルメテウスさん

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決着

「勝者!Fクラス!」

 

その宣言は、あまりにも驚きを隠せない様子であった。

最強であるはずのAクラス。

その中でも、おそらくは最強であるはずの仮面ライダー。

その仮面ライダーが、最弱のFクラスの仮面ライダーに負けた事。

 

「本当に、Fクラスの仮面ライダーなの」

 

そう、優子は思わず言ってしまった。

 

「最初、確かにあの仮面ライダーの弱点を攻めていた。それに関しては悪くなかったし、決して油断していなかった。しかし」

「自分の弱点である熔けた装甲。それをチョコにする事によって、周囲にばら撒かせるとはね」

「それだけじゃない。あの遠距離による攻撃も、ほとんどが空振りだったけど、実際には地面にチョコを広げる作業だった」

「・・・総合的に見れば、瞬時にこちらの弱点を見抜き、戦略を立てた」

「悔しいけど、仮面ライダーで最強なのは、間違いなく彼ね」

 

それと共に、フウはAクラスの面々と合流する。

 

「ごめんね、負けちゃって」

「気にしないでくれ、僕も負けてしまったのだから」

 

そうして、フウを慰める面々。

そして、Fクラスの方を見る。

三勝三敗。

七回の戦いの内、最期の勝負。

それで、全てが決まる。

Fクラスの面々にとって、最期の勝負。

その勝負の内容は。

 

「教科は日本史。内容は小学生レベルのテストで百点満点の上限ありだ!」

 

純粋な学力での勝負では無い事に、漸くざわつくAクラス。小細工を積み重ねてここまでやって来たうちの代表が、並の策で霧島に挑むと思ってたのだとしたら、最上位クラスの割に頭がハッピーセット過ぎる。

これは幼馴染というアドバンテージをフルに活かした雄二にしか出来無い戦術、ある種の賭け。

【大化の改新】この問題が出るかどうかの究極のギャンブル。これがゼロだった勝率を五分五分まで引き上げる。

 

「それでは、問題を用意しなくてはなりませんね。対戦者は視聴覚室へ、そこで最後の試合を行います」

 

ノートパソコンを閉じて高橋先生が教室を後にする。霧島もその後に続て出ていった。

それと共に、それが最期の勝負となった。

だが、その直後。

 

「そう言えば、聞きたいんだけど」

「何?」

「この勝負って、霧島さんがその問題を間違える事を前提にしているよね」

「そうだよ」

「けどさ、その前に雄二が100点をしっかりと取れるのかな?」

 

そう、ショウマが呟いた。

それに対して。

 

「HAHAHA、何を言っているだい、ショウマ、さすがに雄二だって、それぐらい承知で言ったに決まっているじゃないかぁ」

「それじゃ、もしも取れなかったら」

「そんなの決まっているじゃないか、ショウマのライダーキックの刑だよ」

 

そうしていると、そのテストの結果が出た。

それを見た瞬間。

 

「先生!召喚獣フィールドを!ショウマ!今すぐにあのクソ雄二に正義の一撃を」

「えぇ」

 

その結果、敗北となった。

 

「おっ落ち着いてよ、明久」

「落ち着いてられるかぁ!!というよりも、ショウマは、なんで落ち着いているのさ」

「いや、確かに残念だったけど、負けちゃったのならば、仕方ないかなぁって、命を懸けている訳じゃないし、誰も死んでいないから」

「俺が死にそうになっている件は、どうなんだ」

 

そうして、今でも、殺されそうになっている雄二は、叫ぶ。

 

「そう言えば、なんか言う事を聞くって言っていたけど、なんだろう」

 

そうしていると、霧島は言葉を紡ぐ。

何でも言うことを聞くって約束を思い出し、ムッツリーニは必死で準備を始めた。

明久もムッツリーニの準備の手伝いを始めた。

それに対して、ショウマは首を傾げる。

 

「……雄二、私と付き合って」

 

霧島の告白に、全員が茫然とする。

 

「やっぱりな。お前、まだ諦めてなかったのか」

「……私は諦めない。ずっと雄二のことが好き」

「その話は何度も断っただろ?他の男と付き合う気はないのか?」

「……私には雄二しかいない。他の人なんて、興味無い」

 

霧島が今まで告白を断ってきた理由は、一途に雄二を思っていた結果だった。

他の女子を見ていたのは、雄二の近くにいる異性を警戒していたからである。

 

「拒否権は?」

「……ない。約束だから。今からデートに行く」

「ぐぁっ!放せ!やっぱこの約束は無かったことに」

 

霧島は雄二の首根っこを掴み、教室を出て行った。

 

「「「……………」」」

 

教室にしばしの沈黙が訪れる。

余りの出来事に言葉が出なかったのだ。

 

「さて、Fクラスの皆。お遊びの時間は終わりだ。」

 

ショウマ達の耳に野太い声がかかる。

声の方を見やると、そこには鉄人と呼ばれる生活指導の西村先生が立っていた。

 

「あれ、西村先生。僕らに何か用ですか?」

「ああ。今から我がFクラスに補習についての説明をしようと思ってな」

「おめでとう。お前らは戦争に負けたおかげで、福原先生から俺に担当が変わるそうだ。これから1年死に物狂いで勉強できるぞ」

『なにぃっ!?』

 

Fクラスの男子生徒全員が悲鳴を上げる。

鉄人は『鬼』の二つ名を持つほどの厳しい教育をする先生だ。

 

「いいか。たしかにお前らはよくやった。Fクラスがここまで結果を出すとは正直思わなかった。でもな、いくら『学力だけが全てではない』と言っても、人生を渡っていく上では強力な武器の1つなんだ。全てではないからと言って、ないがしろにしていいものじゃない。」

 

鉄人は、勉強の大切さを説く。

 

「そうか、なんだか、残念だったな、福原先生と会ったばかりだから」

「まぁ、そう落ち込むな井上。福原先生とは、これから別の授業でも会うからな」

「はい」

「…鉄人、なんだか、私達と態度違くない」

「ある意味、問題児との扱いの差だ」

ゼンゼロから出る陣営は

  • 邪兎屋
  • 白祇重工
  • ヴィクトリア家政
  • 特務捜査班
  • カリュドーンの子
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