フルコースとライダーと学園生活   作:ボルメテウスさん

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怪物からヒーローに

リコリコの地下にある施設。

そこで、ショウマは、閉じ込められていた。

先程まで、暖かく感じていた場所。

だが、周囲にいた人間達によって、ショウマはここに連れてこられた。

すぐにでも逃げたかった。

だが、記憶もなく、どこに逃げたら良いのか。

それが分からず、ショウマは、連れてこられた。

 

「はいはい、見張りは、私が代わるからね」

「えっ、ですが」

「えぇ、ここは私が担当している場所だよ、別に、逆らっている訳じゃないでしょ」

「それは」

「良いから良いから」

 

そう、ショウマを監視していた誰かの声。

それに代わるように誰かが言った。

疑問と共に、その人物の顔が見えた。

 

「千束」

「久し振りっていう訳じゃないよね、とりあえず」

 

すると、千束が取り出したのは。

 

「お菓子、食べる?」

 

それと共に千束が取り出したのは、お菓子だった。

グミ、チョコレート、マシュマロ、ペロペロキャンディ。

多くの菓子が取り出されており、一緒に座る。

ショウマは、少しだけ戸惑う。

だけど、それに釣られて、彼も食べ始める。

 

「・・・ごめんね、私の力じゃ、すぐに逃げられないの」

「千束は、悪くないよ、だって、俺が、怪物だったから」

 

千束の謝罪に対して、ショウマは首を横に振る。

 

「ショウマ君は、その記憶は本当にないんだよね」

「うん、それは本当、俺も、なんであそこにいたのかも、分からない。けど」

 

すると、ショウマは、目の前にあるペロペロキャンディを見て、笑顔になった。

 

「最初は、お菓子を、食べるのがなんだか嫌だった。理由なんて、分からなかった。けど」

「けど?」

 

ショウマは、その言葉と共に、霧がかかったように、光景が思い浮かぶ。

 

「誰かが、お菓子を食べてはいけないって言われたような気がするんだ」

「・・・」

 

その言葉に対して、千束は目を閉じる。

 

「千束?」

 

それは、最初に出会った時のショウマの事。

これから先、グラニュートと戦うのに、本当にショウマを、このまま連れて行かれて良いのか。

分からなかった。

 

「ショウマ君は、怪物だとしても、誰かを助ける良い怪物なのに」

「良い怪物?」

 

それに対して、ショウマは首を傾げる。

 

「例え、君が人間じゃなくても、あの時、私を助けたのは、間違いなくショウマ君だ。だからこそ、今もここにいたんだ」

「けど、俺があいつらと同じなのは変わらない」

 

ショウマは、それだけ言って、止まらなかった。

 

「・・・そうだね、そうかもしれない」

 

その言葉を、千束は否定しなかった。

それが、さらにショウマの心に影を落とす。

 

「けど、それは私達も同じだよ」

「えっ?」

 

すると、千束は笑みを浮かべる。

 

「さっき、ショウマ君を連れてくる時に一緒にいたフキも私と同じ格好をしていて、同じ人間だったでしょ。けど、ショウマ君は私とフキ、どっちが好き?」

「・・・千束、だって、怖くなかったから」

「そこは可愛いって言って欲しかったなぁ、けど、それでショウマ君は人間が嫌いになった?」

「うぅん、ここの喫茶リコリコは、とっても楽しかった。だから、俺は、ここに連れてきてくれた千束の事を守りたくて」

 

それを聞いて、千束もまた確信した。

 

(記憶がなくても、ショウマ君は変わらない。さっきの話だって、ショウマ君がお菓子が嫌いだったのは、闇菓子が嫌いだったかもしれない)

 

会話の節々に感じた疑問は、確かな確信があった。

だからこそ、ショウマの問題をなんとかしなければ。

 

「・・・よしっ、ショウマ君!」

「えっ?」

「一緒に考えよう!」

「考えるって、何を?」

「ふふっ、それは、勿論、ヒーローになる方法だよ!」

「ヒーロー?」

 

そう、千束は笑みで頷く。

 

「他の奴らが怪物だって言うんだったら、怪物に対抗出来るヒーローという事にすれば、上も黙ってくれるはずだよ」

 

最悪な事ではあるが、先程の話を聞く限りだと、グラニュートを倒す事は出来ない。

これまでも、リコリスは時間稼ぎを行う事しか出来なかった。

ならば、倒す可能性があるショウマが必要だと、証明すれば良い。

 

「まったく、騒がしいと思ったら」「あんたは結構無茶苦茶言うね」

「あっ、先生、あとミズキも」

「あとって、何よ、あれって!」

 

露骨な反応の違いに対して、ミズキは思わず叫んでしまう。

 

「にしても、グラニュートとか言う怪物って言うけど、全然人間じゃない」

「そう言われても、俺もよく分からないから」

 

そうしながら、ミズキはふと気になったのか、ショウマのお腹に触れる。

 

「それで、これが例の顔だっけ?これでえっと、こうして」

「あっ、ミズキ」「あっ」

 

すると、ミズキが触れると同時に、彼女は消える。

より正確に言えば。

 

「えぇ、何よこれぇ」

「あぁ、バカミズキ、何をやっていのよぉ」

 

そこにはアクリルスタンドになっているミズキがいた。

不用意に、触れた為、グラニュートとしての力が発揮された。

 

「えっと、確か、どうするんだっけ?」

「軽く衝撃を与えたら、解放されるはず」

「それじゃ、よっと」

「ちょっ、待って、それ怖い怖い!」

 

そうしながら、千束は、軽くミズキのアクリルスタンドを壊す。

それによって、ミズキは解放される。

 

「あんた、私、小さくなっていたから、結構怖かったのよ!」

「不用意に触ったミズキが悪いんでしょう、まったく」

「そんな事、言ったってねぇ、内側からじゃ、どんなに叩いても壊れないのよ!!」

「そうでなければ、簡単には」

 

その言葉と共に、ミカは、止まる。

 

「そうか」

「先生?」

「千束、一つ聞く」

「えっと、どうしたの?」

「おそらく、これから行う方法は成功するかどうかも分からない。だが、失敗したら、DAに追われるかもしれない」

「それって、成功したら?」

「グラニュートも、人も殺さなくても良いかもしれない。何よりも、これはショウマ君の協力が必要だ」

 

それと共にショウマの方へと目を向ける。

 

「誰も傷つかずに済む?」

「あぁ、可能性の話だがな、どうする」

 

それに対する、ショウマは。

 

「それで、誰かが助かるんだったら」

「そうか、千束は」

 

それに対して、千束は。

 

「そんなの、私が断る訳ないでしょ」

「そうか、ならば」

 

それによって、彼らが、これから行うべき事が、確かに決まった。

ゼンゼロから出る陣営は

  • 邪兎屋
  • 白祇重工
  • ヴィクトリア家政
  • 特務捜査班
  • カリュドーンの子
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