車に乗っている間も、ショウマは暗い表情のままだった。
そして、そんなショウマの左右にいるたきなと千束は、各々が別の反応だった。
たきなは、自分の世界に入っており、その手にあるメモ帳に。
千束は、反対に外から監視カメラ越しに、こちらを見ているだろう人物に対して、べーっと舌を出しながら、睨んでいる。
「本当だったら、ショウマ君と同じく、来たくなかったけどね」
「けど、健康診断は必要な事でしょう。それに、なんでショウマさんをこちらに」
「・・・そりゃ、本部は嫌だけどさ、ショウマ君の知り合いって言うグラニュートの人達には会いたいからさ。というよりも、私の目的はそっちだから」
千束としては、既に頭の中には、健康診断というよりも、仲間になるかもしれないグラニュート。
彼らとの会話が最優先であった。
もしかしたら、本部に、ショウマと仲の良いグラニュートがいれば。
「少しだけでも、変われると思うから」
そう、ぼそっと呟いてしまった。
手荷物を検査機にかけながら、顔認識で入行許可を得る。
そして、速やかに受付へと移動して各々の用事へ向かう事にした。
「錦木さんは体力測定ですので、隣の医療棟へ」
「はーい」
「井ノ上さんは」
「楠木司令にお会いしたいのですが」
「司令は現在会議中です。お戻りになるのは二時間後ですが」
たきなが受付に用件を伝える。
その途中で。
「アレでしょ、味方殺しの……」
「DA追い出された子でしょ」
「組んだ子、全員病院送りにするんだって。おっそろしー」
声を小さくしているが、聞かれても構わないという声量で話している。
だが。
「それに、あっちにいる男って、確か」
「あぁ、例のグラニュートだって」
「何時までもこっちにいるし、味方だって言われてもね」
「っ」
そう、ショウマに対して、受け入れない言葉で呟いていた。
隣では、千束が声の主たる三人を睨んでいる。
「何だアイツらー?」
「・・・
「――お待ちになりますか?」
「あっ……はい」
その会話を聞いてか、たきなは僅かに動揺していた。
それと共に、たきなは、察してしまった。
(そうか、リコリスにとって、ショウマさんは脅威だと考えている)
ショウマは、確かにグラニュートから人々を守る為に戦っていた。
その評価は、たきなも聞いていた。
だが、自分以外の、ショウマに対する評価は、あまり考えていなかった。
リコリスから見て、ショウマは一体、どう見えているのか。
おそらく、たきなの中で、思いついたのは。
(何時、こちらに手を出すか分からない怪物ですか)
なんとなく察してしまった。
同時に、ショウマが、ここに来たくない理由と千束が不機嫌な理由も察してしまった。
そう、考えていると。
「話に聞いていたが、本当にショウマだったか」
そう、聞き覚えのない声。
それと共に、見つめた先には。
「えっと、誰?」
そこにいたのは、青い制服に緑色の足下まで伸びているだろうツインテールの少女。
まるで見た事がなく、リコリスの制服ではない事は分かる。
「ふむ、そう言えばまだ自己紹介がまだだったな、我は青衣。ぬし達が、ショウマの世話になっているリコリスの二人だったか?」
「という事は、もしかして取引先の」
「うむ、特務捜査班の青衣だ」
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子