サクラと名乗った人物。
彼女はそのまま、こちらに近づく。
それは一見、友好的な笑みに見える。
だが、ショウマは、その笑みに覚えがあった。
記憶にはないはずだった。
だけど、どこかで。
軽い自己紹介を口にすると、乙女サクラなる少女が手をたきなに向けて差し出した。
友好的に見えるが、何だか雰囲気が少し違う。
戸惑いがちにたきながその握手に応えた。
軽く握り合い、たきなが放そうとした瞬間に、今度はサクラが逃すまいと掴んで止める。
今度こそ当惑を露わにしてたきなが怪訝な顔でサクラを見た。
「命令無視した挙げ句、仲間にぶっ放したって本当っすかー?」
「っ……」
戯けたような口調で尋ねるサクラ。
その言葉にたきながかっと目を見開き、手を振り解いた。
反抗的と見たのか、サクラがにやにやと笑う。
「うっわ、本当なんすね?」
「違う、私は」
「やっぱ、敵より味方撃つ方が燃えるーみたいな?」
「やめて下さい」
「おおっと、撃たないでくださいよ!……あ、殺しのときにしか笑わないんだっけ?」
サクラがますます笑みを深めた。
対照的に、たきなの顔色が悪くなっていく。
それを見た、ショウマは。
「・・・それだけの為に来たのか」
「んっ、なんす」
そう、サクラが今度はショウマの方を見る。
先程までの様子を見ていた。
だからこそ、サクラは油断していたのだろう。
DAに来ていたから、怯えていたショウマの。
だからこそ、ショウマの。
「人が気にしている所を笑う。それがお前の仕事なのか」
その声は、これまでの、ショウマの印象とは異なっていた。
それは、リコリスとして、訓練されている故に、そのままサクラは黙ってしまった。
「ショウマ君、お疲れぇ」
だが、その雰囲気は、一気に消えた。
先程の、殺気がまるで消えるように。
ショウマの肩を叩いた千束の声で。
「千束」
「全く、DAもこういうの治さないと、かなりマズイのにねぇ」
「お前は、馬鹿過ぎるだろ」
「馬鹿って、言うな」
そう、千束と共に来たフキは呆れたように千束に言いながら、ショウマの方へと向かう。
「悪かったな、後輩が」
「あっ、こちらこそ、変に怒ってしまって」
フキは、そのままショウマの方に目を向けながら言う。
フキ自身、ショウマと会って話すのは、あまりない。
だからと言って、険悪という訳ではない。
だが。
「まぁ、お前の事は、ちゃんと見ている奴がいるからな」
「はっはい、それは勿論」
そう、ショウマとフキ。
互いに決して仲が悪い訳ではない。
互いの性格も知っており、信頼もしている。
そういう意味では、決して険悪ではない。
だが。
((なんか喋りにくい))
その雰囲気があった。
その時、僅かではあるが、ショウマとフキ。
二人は、どのような話題を出せば良いのかに思考を集中していた。
故に
「だったら、見せてやろうじゃないの!ショウマ君の実力をさぁ!ねぇ、ショウマ君!」
「えっ?」「・・・あいつ、私達が黙っている間に何を起こしたんだ?」
それに気づく事が出来なかった。
それと共に、千束とサクラが互いに睨んでいた。
そして、来ていた楠は、ため息を吐いていた。
「まぁ、良いだろう。ならば、DAのリコリスと、仮面ライダーとグラニュートの混合チームによる模擬戦を」
ゼンゼロから出る陣営は
-
邪兎屋
-
白祇重工
-
ヴィクトリア家政
-
特務捜査班
-
カリュドーンの子