たきなは、DA本部にある噴水の前にいた。
本部に戻りたい。
その一心で行動をしていた。
だが、その行動は、無意味であった。
先程の、司令からの言葉。
そして、後から来たサクラからの言葉。
その言葉で、ここには戻る事が出来ない。
そんな不安があった。
「あなたが、井上たきなさんですか?」
「えっと」
ふと、聞こえた声。
見上げると、そこには一人の女性がいた。
女性が身に纏っている制服は、たきなにとっては見覚えはなかった。
だが、先程、確かに見た気がした。
「確か協力者となった」
「都市秩序部捜査課、班長、朱鳶です」
そう、きっちりとした挨拶を行う彼女に対して、たきなも思わず固まってしまう。
「その、こちらになんで?」
「・・・それが、いつの間にか模擬戦を行う話を先輩から聞きまして。そのメンバーで、まだ来ていないたきなさんを迎えに来ました」
「私を、ですが」
それと共にたきなは顔を俯いていた。
その表情に、何かがあったのか、察した朱鳶はそのまま横になる。
「正直に言いますと、私はかなり安心したんですよ」
「安心って、一体何を?」
「たきなさんの事です。あなたが、今はショウマ君の妹のようになっていると」
「・・・私は、そんなつもりはありません。何よりも、その、ショウマさんは兄と姉がいるんですよね、ストマック社の」
そこまでの話を聞いていた。
だから、なぜそれがここに。
すると、朱鳶も続ける。
「記憶は今はありません。けれど、ここに来てから、ショウマさんはあなたの事をずっと気を遣っている」
「それは、千束のバディという事だから」
「きっとそれだけで、あなたを守ったりしません」
朱鳶はそう言う。
「偽物だとしても、互いに思い合っている兄妹。その関係は、偽物も本物も関係ないと思います」
「私は、それは分かりません」
「今は、分からなくても良いです。けれど、きっと、今も戦っているのは、あなたの為だと思います」
そうして、朱鳶は立ち上がります。
「それでは、私は先に訓練所に向かいます。私も、あなたと同じように少し困った相棒であり先輩が待っていますので」
それだけ、苦笑いをしながら、先に言った。
その言葉を聞いて、疑問に思ったが。
「あっ、ここにいたって、あれ、見た事のない人だけど?」
「都市秩序部捜査課、班長、朱鳶です。すいません、少し先にお話をさせて貰いました、千束さん」
「おっおぉ、どうもぉ」
そうしながら、千束は驚きはしながらも、すぐに握手をする。
「私は、先に訓練所へと向かいます。到着、お待ちしています」
「・・うん、ショウマ君と一緒に待っていてね」
それだけ言うと、そのまま朱鳶は、すぐにその場から離れていった。
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子