ダンガンロンパXXX   作:Krk

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第一章 (非)日常編 -4

 …朝だ。

 気分はさほど晴れやかではない。

 とはいえいつまでも部屋にこもっている訳にもいかない。

 朝になったら、朝食のため食堂に集まることになっているはずだ。

 

「おはようございますっ、見通くん!」

 食堂に着くと声野がいつも通り、明るく声をかけてきた。

 昨日何事もなかったかのように、普段通りの態度だ。

 いつもと同じ、そのはずだが……。

「……声野、何かいつもと違うか?」

「……えっ!?」

 

「わ、私、どっか変ですかっ!?」

 声野は俺の発言に、わたわたしながら頭やスカートを触る。

 

 赤みがかった長い茶髪は、両側が左右対称に結われている。シワひとつない赤系のブレザーに、真っ直ぐな飾りのないリボンタイ。校章もきちんと付いている。

 

 いつも通り、優等生然とした見た目だ。

 

「……気の所為、か」

「ほ、ほんとですか……!?寝癖とかついてないですよねっ!?」

 そう言ってしきりに髪に手をやっている。

 

 ……さて。

 朝のアナウンスからしばらく経ち、ほとんどの生徒は席についているが……。

「……全員は、集まってないみたいだね」

 尾後と、南界。それに甘井がまだ来ていないようだ。

「さっそくサボりとか、ほんっと協調性ないトリオだよねー」

 青空が呆れた口調で言った。

 

「……一度呼んできた方がいいかな。昨日あんな事があったばかりだし……」

「あ、私が行きますよっ!明日家くんはここで待っててあげてくださいっ!」

 そう言って、声野がぱたぱたと出ていった。

「ほっときゃいいのに、真面目だねぇ」

 高梨が茶を飲みながら笑い混じりにそんな事を言う。

 

 しばらくして、声野が戻ってきた。

 そばには誰もついてきていない。

「どうだった?やっぱり、来ないって?」

「い、いえ……それが、その……」

 

「誰も、会えなくって。なんか、変なんですよね。尾後くんと南界さんの方は、チャイムを鳴らしても反応がないだけなんですけど……」

「甘井さんの部屋……鍵が開けっ放しなんです。なのに部屋には、誰もいなくって……」

 声野は眉を下げ、不安そうに周りを見上げた。

 

「な、何か、あったんでしょうか……?」

「あの不思議ちゃんのやること、まともに考えるだけ意味なくない?」

「で、でも、やっぱり、嫌な感じがすると言うか……」

「……そうだね。早まった事を考えている可能性もない訳じゃないし……。探しに行ってみようか」

 明日家がそう言い、全員で食堂を出る。

 

「この辺はいなさそうだったので……学園の方ですかね?」

 声野の言葉に、学校エリアへと探索の足を伸ばす。

「一人で脱出しようとして、玄関ホールに行ってるんじゃないのー?」

「そんなナイーブなタイプかなぁ」

 

 各人が憶測を投げ合いつつ、歩く。

 その時。

『やめて……!』

『来ないで……っ!』

 

「!?」

 怯えたような、少女の声が聞こえてきた。

「い、今のって……」

「甘井の声じゃない!?」

「確か、こっちの方から……!」

 

『きゃああああああああッ!!』

 

 つんざくような悲鳴が上がった。

 

「い、今、視聴覚室から聞こえてきました……!」

 急いで駆け出す。

 視聴覚室に着き、扉に手をかけるがガタガタと揺れるばかりで、どうにもならない。

「駄目だ、開かない……!」

「あ、確か、鍵は食堂に……!」

「じ、じゃあ私、取ってくる!」

 青空が飛ぶように出ていった。

 

 焦れるような時間を経てから青空が戻ってきて、手にした鍵を振っている。

「あった!あったよ!」

 

 かちゃり。

 扉が開いた。

 そして俺達は……そこにあるものを、目にした。

 機械的に並んだ、モニターの前。

 ぐったりとブレザーに包まれた身体を投げ出し、金髪の女生徒が倒れている。

 

 甘井めう。

 その変わり果てた姿だった。

 

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