実験部隊異世界飛行機録。 作:Su-30SM Mister-X
こっちはクラス代表戦からやります。
IFよりもっと書くもんあるだろって?
知らんな。
SPエピ 若きソラの王
いつの日だったか私はベッドの上で孫娘たちに見守られながら天寿を全うした。狭い窮屈なベッドの上だった。
私の体は空を飛ぶことを出来ない身体になったが、私の魂は空へと飛び立った。
そして気づけば、新たな身体を持って私はそこにいた。
私は、帰属だとか国だとかに興味は無い。私の国は大空に他ならない。
私はまた窮屈な時代に生まれたものだ。こうも空を飛ぶことへの壁が厚いとは…魂は空へと引っ張られるのに、肉体は空を見上げることしかできない。
この世界には空を飛ぶ手段は沢山ある。それに面白い物もあった。
インフィニット・ストラトス、通称IS。現代の航空機を遥かに凌駕した性能を持った特殊な小型有人飛行ユニットだ。聞くだけでなんとも興味をそそられる物だが私はその機体に興味を失った。
「なんとも面白くない世界だ。」
そのISは女性にしか扱う事が出来なかった。男に関しては起動すらしないと来た。このISの特性は世界を瞬く間に女尊男卑へと塗り替えた。
私はそんなことはどうでも良かったが、少々生きにくい世界なのは事実だ。
全く、期待させるだけさせてから落とすとは、これも私に対する罰なのだろうか。
そんなある日の事だった。
一人の青年がISの起動に成功したのだ。
その一報は世界に衝撃をもたらした。
その結果として、全世界各国で急遽男全員を対象に検査が行われた。
我先にと二人目を探し出す為だ。
結果として、その二人目は見つかった。
某所。
私は検査を受ける為に検査場へ向かった。
「適正なし、はい次の人。」
やる気の一切感じられない女の人の声がよく通る。ISは女しか扱う事ができないと思っているのかモニターすら見ない。
「さっさと済ませてもらっても良いですか?」
後が混んでるんで。
そう言い放つ女。ムカつくが私も起動できるとは思っていない。
言われた様にISに触れた。
「適正な…え?」
確かにISに触れた。結果。私の身体にはISが纏わりついていた。
これが意味する事はすなわち、私は二人目の男性IS操縦者だ。
「…気分が良い。透明だ。」
その空には雲一つなかったという。
IS学園。IS操縦者を育成する為の学園でどこの国にもどこの企業にも属さない。共学ではあるのだが、ISを操縦できる男性は私ともう一人しか居ない。
つまり、2名以外は全員女子生徒という実質女子高と言って良い学園だ。
「お前がミハイ ア シラージか。人嫌いだと聞いていたが…」
IS学園の前で私を待つ者がいた。
「私は別に人が嫌いな訳では無い。ただ、邪魔をされるのが嫌いなだけだ。」
「なるほど、クラス担任の織斑千冬だ。こっちは―」
「副担任の山田真耶です。よろしくね?」
「ミハイ ア シラージだ。さて、積もる話はあるだろうが、早く操縦試験を始めよう。」
「あっ、そうですね!では、本日は起動試験と稼働試験を行います。準備が出来次第、第三アリーナへ誘導します。」
「了解した。」
「まずはハンガーへ案内します。自由に設備は使ってもらって大丈夫です。準備ができ次第、備え付けの端末で連絡してください。私達はモニタールームで待機していますので、何かあったらこの端末で連絡してくだだい。」
ハンガーには量産機のISがいくつか用意されていた。武装も豊富だ。
「機体はラファール・リヴァイヴで、兵装は何にしようか…」
銃剣類は豊富だがミサイル類は少なかった。
「とりあえずミサイルは積むことは確定だ…あと連射も仮定して瞬間火力の高い銃を―」
色々試行錯誤した結果、ミサイルを主事軸とする機体になった。
「さて、時間もいい頃合いだ。始めようか。」
そうして端末で通信を始めた。
「少々時間が掛かった。申し訳ない。」
「大丈夫ですよ。では早速稼働試験を始めますね?」
「了解した。いつでも構わない。」
「では、ラファールリヴァイヴの安全装置を解除してください。」
言われたとおりに安全装置を解除する。
全ての兵装が発射可能状態になる。
お互いに距離を離して、アリーナのカウントダウンが動き出す。
3…2…1…
「い、行きます!!」
口調自体に覇気はないが、動きは間違いなく強者の動きだった。
なるほど、相手にとって不足はない。
「そうでなくては面白みもない。」
スラスターの推力を上げてエネルギー量を稼ぐ。
『レーダーロック』
シーカーと火器管制レーダーが捉えた。
「FOX1」
セミアクティブレーダーホーミングのミサイルがまっすぐ敵に向かって飛んでいく。
あっけなくミサイルは避けられたが速度を殺せた。
軽機関銃で弾幕を張りつつミサイルを変更しARH式へと切り替える。
近接信管も付いている。
「やはりこれでは仕留めるには足りないか。」
相手も精確に反撃をしてくるが、軌道する航空機には距離が離れていればなんの脅威にもなり得ない。
いくらグレネードランチャーの弾頭に近接信管が付いていようがまず届かないのであれば効果はない。
それに弾頭もあのサイズだ。威力などたかが知れている。
飛び方は洗練されているが、絶望的に私と相性が悪い。
近づいてくるなら機銃を喰らい、離れればミサイルに追われる。
「もう少し…」
まだ理解したい。
アドバンテージはまだ私にある。
「そろそろか。」
理解はできた。飛び方も見れた。
「悪くないパイロットだった。」
イグニッションブーストだとか言ったか。とにかくブースターの出力を瞬間的に跳ね上げ、肉薄したところにミサイルを全弾叩き込んだ。
「文句無しの合格だ…まさか落とせるとは思っていなかったが…」
「初心者ってなんでしょうね一体…」
「稀にこういうイレギュラーも入ってくる。そういうものだと捉える事しか出来んよ。」
安全装置を戻し、接地する。
地面に降り立った私は機体の返却準備を進める。
「それにしても…今年はやけに出来事が多いな…。」
教室はざわめき、どこからも声がする。喋っていないのはそこの一人と一部の生徒だけだ。
「それでは皆さん、転入生を紹介します。」
「ミハイ ア シラージだ。空をこよなく愛するただの高校生だ。」
黄色い歓声とはこのことを言うのだろう。高校生の元気はすごいと率直に感心する。
「二人目の男子よ!しかもクール系の白髪イケメン!!」
「このクラスで良かった!!」
いや…これはこの学園だから起こっている事か。
「ミハイ君の席は織斑君の後ろですね。」
これも巡り合わせか。
「同じ男子同士、仲良くやろうぜ!!」
「ああ。」
そうしてSHRは終わり休憩へ入った。
「そうだ、ミハイ…入学前に渡されたあの分厚い教科書持ってないか?」
「あの教科書か?確かここに…」
カバンを漁ってあの分厚いのを探す。
「あった、コレのことか?」
「そうそれ!!借りてもいいか?俺のやつ古い電話帳と間違えて捨てちゃってさ。」
「別に構わない。それに既に読み終わったからそのまま持って行っても良い。」
「サンキューミハイ!!」
チャイムが鳴り、全員が席についた。
「お前ら席に…着いてるか…じゃ、さっさと1ヶ月後のクラス代表戦に出る代表者決め…もといクラス長決めをやるぞ。誰かやるか?」
クラス長か。私は辞退しよう。時間が勿体無いしな。そんな時間があるなら飛行時間に回したい。それにしてもクラス代表戦か…そんなものも控えていたな…
「はいは~い!織斑君を推薦します!!」
「俺ェ!?」
「私も推薦します!!」
これなら織斑一夏がクラス長になりそうだ。
「私はミハイ君を推します!」
「いや、私は降りる。」
「えぇー…」
「私は頼まれてもやらないぞ?」
「納得いきませんわ!!」
「そうだそうだ!!俺は…ん?」
確か…セシリア・オルコットと言ったか…甲高い声を上げて何を言うかと思えば…
「そのような選出は認められません!!だいたい、男がクラス代表だなんていい恥晒しですわ!!わたくしに、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を味わえとおっしゃるのですか!?」
…別にそれはどうでも良いが…
「ここは実力で選ぶべきですわ!!それにわたくしはこんな島国にまで来て猿真似する気はありませんわ!!大体、文化後進国な国で過ごす事自体耐え難い苦痛ですのよ!!」
「イギリスだって大したお国自慢無いだろ?世界一まずい料理で何年チャンピオン維持してんだよ」
「貴方、まさかわたくしの祖国を侮辱する気ですの!?」
「いや?別に?思ったことを言っただけだし?」
「それに実力で選ぶならって言うけど、俺もミハイも実力を知らないしな。」
「貴方達まさかわたくしの事を知らなくて?」
「存じ上げないな!!」
「知らない。」
「なっ…イギリス代表候補生のわたくしを知らないと!?」
「代表候補生って何だ?」
「知らないし知る気もなければ興味も無い。」
「…貴方達…ええそうですかそうですか!!」
「何だよ!」
「決闘ですわ!!」
ほう…私とか?
「上等だよ!!」
「そうか…面白くなって来たな。」
「負けたらっ!?」
「入学式前の模擬戦以来久々だ。楽しんでやるとしよう。」
「どれほど君が喰らいつけるか―」
見物だな。
「決まったな。じゃぁ勝負は「今ここで決めるのは」駄目だ。一週間後にアリーナで決める。」
「了解。」
「それまでに織斑、お前はISについてしっかり知識と技術を身に着けろ。」
「わかった。千冬ね痛ってぇ!!」
「織斑先生だ馬鹿者。」
「はい…織斑先生…」
話はついた。さて…ラファールリヴァイヴの調整をしなければな…
「満足できそうだな。」
そうして、今のうちにロードアウトを構築する私だった。
コメントはいつも募集してます。
あれば本編も頑張りますんで…お願いTLSは辞めてあ゙あ゙あ゙