東方白露伝   作:すぷりんくらー

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第弐話 対面

小鳥のさえずりと暖かい温度に目が覚める。・・・夢?いや違う、これは・・・

 

「知らない天井だ・・・」

 

自分から発した言葉に軽く笑いを覚える。

 

(一度言ってみたかったんだよな〜)

 

と、物思いにふけっている間に自分の状況をやっと把握した。

 

(・・・誰だこいつ)

 

縁側の方の障子にもたれ掛かって寝ている少女を見つけた。日差しが必死に少女を照らし、朝を伝えている。

 

「・・・ん、あ?起きた?」

 

少女が目覚めた。

 

「え、あ、はい」

 

・・・情けない、これだからコミュ障は。ひと一人と満足に話すことも出来ないのか。

と、自虐する。

 

(止めよう、自分でやってて悲しくなってきた)

 

さっきから黙って俺の顔を見ていた少女と眼が合う、整った顔立ちと綺麗な髪に見惚れていると

 

「私の顔に何か付いているかしら?」

 

「そりゃこっちの台詞だ、俺の顔に何か付いてたか?」

 

(なんでこんな話し方しか出来ないんだ俺は、もっと言い方ってもんがあるだろ)

 

「元気はあるみたいね、さ、食事にしましょ?貴方のこと、話して貰わなきゃ」

 

「・・・ああ」

 

少女に続いて障子を越え、続いて目に入ってきた景色に息を呑んだ。そこに広がっていたのは、幻想にまごう事なき美しい風景だった。

 

(元の世界じゃ、こんな景色は見れなかったな〜、どこもビルだらけだったし)

 

「・・・何やってん・・・ああ、そんなに綺麗?この景色」

 

「ああ、こんなに綺麗な風景は見たことが無い、いつも見れるあんたが羨ましいよ」

 

「慣れれば飽きるわ・・・まあ、嫌な気分のときに見れば悪くはないかもしれないけど」

 

そう言って居間に入った少女は、『ゲッ』と、何か変な物を見つけた様な声を上げる

 

「・・・何であんたがここに居るのよ」

 

「おはよー霊夢。何でって、昨日泊まっていいって言ったじゃん」

 

「だからってそんなに格好で寝る必要は無いでしょうが!さっさと服を着なさい!」

 

「分かった、分かったから」

 

何やら騒がしい、如何やら招かれざる客が居たようだ。『昨日』という言葉から察するに、昨日から居たようだが。

 

「・・・入っていいか?」

 

「え・・・ああ、良いわよ」

 

「おっ?」

 

白黒の魔法使いがそこに居た。・・・ちょうど着終わったようだ、危なかった。

 

「さ、飯を用意するわ、食べたいなら手伝いなさい」

 

「分かったぜ」

 

自分が何かする間もなく食卓に皿が並べられていく。このままではマズイ、飯が食えなくなる。せめて何か出来ることはと、あたりを見回すと

 

「・・・お茶を用意する」

 

「あら、淹れられるの?」

 

「少しは心得がある」

 

(子供の頃に行かされた茶道がこんなところで役に立つとは・・・)

 

〜少年少女準備中〜

 

「「「いただきます」」」

 

声を揃えて食事を開始したのは何年ぶりだろうか・・・なんだか懐かしく感じる。こうやって数人で食事をしたのも久しぶりだ。

 

「そうだった、自己紹介が遅れたわ、私は博麗 霊夢。この神社の巫女をやっているわ」

 

「私は霧雨 魔理沙、普通の魔法使いだぜ」

 

二人の自己紹介を聞き、ここが幻想郷だと再確認する。

 

「俺は橘 裕貴、まあ、色々あったんだよ・・・」

 

「暗い奴だな、もっと明るくいこうぜ?」

 

「全く魔理沙は・・・で?なんであそこで倒れていたのかしら?ここの世界のことも説明しなきゃいけないし・・・」

 

(・・・嘘は人間の特権だよな・・・)

 

〜少年説明&され中〜

 

「・・・なるほど、つまり裕貴は他人と違いに気づき、白い目で見られるのに耐えきれなくなって家を飛び出す。そして適当に山を歩いていたらいつの間にかここに着き、ここの寸前で力尽きた、と・・・」

 

魔理沙が軽く要約し、霊夢は興味無さげな雰囲気でお茶を飲んでいる・・・こいつ、かれこれ5杯は飲んでないか?飲みすぎだろ。

すると、唐突に霊夢が口を開く。

 

「・・・帰りたい?」

 

・・・帰りたくないし、帰れない。自分でこの道を選んだのだ、今更引き返せる筈がない。

 

「・・・いや、どうせ帰っても白い目で見られるだけだ。差し障りが無ければ、この幻想郷に住まわせて欲しい」

 

「貴方がそう決めたのなら反対しないわ、魔理沙は?」

 

「私も別にいいと思うぜ、これからよろしくな?裕貴」

 

「・・・ありがとう、これからよろしく頼む」

 

承諾が得られた事に、感謝の言葉を送る。さも当たり前といった顔をしているが。

 

「それで、何処に住むの?」

 

・・・壁にぶち当たった。

 

「考えてなかった・・・って顔してるぜ」

 

「なぜばれたし」

 

「顔に書いてあるわよ」

 

顔を手で拭う仕草をすると、魔理沙が爆笑した。

 

「アハハハハハハハ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎違う違うそういう意味じゃ無い‼︎‼︎‼︎アハハハハハハハ‼︎‼︎‼︎」

 

「何もそこまで笑わなくてもいいじゃない・・・住む所が無いならここに住むといいわ。困っている人を助けるのも巫女の役目よ」

 

(第一関門、クリア・・・か)

 

住む所が得られた事に安堵の溜息がでる。

 

「・・・いつも縁側でお茶飲んでるだけのくせに・・・」

 

「魔理沙、今何て言った?」

 

「ナンデモナイデス」

 

(とことん仲がいいな、こいつらは。心が温まる)

 

「あんた今失礼なこと考えなかった?」

 

「ナンデモナイデス」

 

「そこに直れ」

 

「「ごめんなさい」」

 

「よろしい」

 

(どうやら忙しくなりそうだ)

 

神社から笑い声が溢れる。ただ一人だけ、次の言葉に息を詰まらせる事になろうとは思いもよらなかったのである。

 

「じゃあ、そろそろ『スペルカードルール』でも覚えてもらいましょうかしらね』

 

「おっ!待ってました!」

 

そう言って境内の庭に向かっていく。

 

「・・・何ボケっとしてんのよ、さっさと来なさい」

 

「・・・今から何をするんだ?」

 

(まさか)

 

霊夢が当たり前そうな、魔理沙が不敵な笑みを浮かべて同時に死刑宣告を口にする。

 

「「弾幕ごっこ」」

 

(死んだ)

 

前途多難である。




小説って難しいですね、なかなか短くまとめられません。努力します。
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