東方白露伝   作:すぷりんくらー

5 / 10
第肆話 出会い

「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!清く正しい射命丸です!取材よろしいでしょうか?」

 

(誰だっけこいつ)

 

「何で来たのよ・・・」

 

「こんな良いネタを見逃す私ではありません!」

 

「帰りなさい、手羽先にするわよ」

 

「話を聞くまでは帰りません!」

 

目をキラキラさせながら物凄い勢いで霊夢と話している。ネタってお前・・・。

 

「あなたが噂の新しく幻想入りした人ですか⁉︎いやぁ〜結構逞しい人ですね、ちょっと外の世界の事を詳しくお聞かせ願いm「霊符【夢想h「あちょっとやめて下さいホント調子乗り過ぎましたスミマセン」

 

「よろしい、手羽先にされたくなかったらさっさとどっか行きなさい」

 

どうやら霊夢は色んな人(?)から恐れられているようだ。さすが異変解決グループなだけはある。

 

「う〜ん、仕方ありませんね。今日は引き下がりますが、また来るのでそのときは取材受けて下さいよ?」

 

「・・・分かった」

 

「ああそれと、好きな女の子のタイp「手羽先「スミマセンでした」

 

どさくさに紛れて何てこと聞き出そうとしやがるんだこの烏は、因みに俺は手羽先より唐揚げの方が好きだ。

 

「それでは!また来ます!ああ、これからも『文文。新聞』をよろしくお願いしま〜す!」

 

高速で飛び立って行った射命丸に軽く手を振り、ふと気付いた疑問を口に出す。

 

「あいつはブン屋なのか?」

 

「えぇ、そうよ。『文文。新聞』っていう新聞を書いているわ。有る事無い事全部書くような新聞よ。一応ここもとってるけど、解約した方がいいかしら・・・?」

 

結構迷惑な性格らしい、霊夢は毎日ネタにされているそうだ。気に入らない記事があったら妖怪の山に行って射命丸をフルボッコにするみたいだ。

 

「自業自得だぜ」

 

(全くだ)

 

「・・・ッ!」

 

「またかぁ?霊夢」

 

また霊夢の勘が働いたらしい。便利だな霊夢の勘は、探知機みたいだ。

 

「呼ばれてないのにババババーン!皆んなのアイドル、ゆっかりんだよ〜!よろしく(はぁと」

 

「霊符【夢想封印】」「恋符【マスタースパーク】」

 

「え、なんd『ズドォォォォォォォォン‼︎‼︎‼︎』」

 

(え、えぇぇぇぇぇぇぇぇ⁉︎容赦無さすぎじゃね⁉︎魔理沙にまでやられるとか嫌われ過ぎだろ)

 

どうやら今出て来たバbゲフンゲフン女の人は相当嫌われているようだ。【夢想封印】と【マスタースパーク】が飛んでいったところは地面が抉れている。

 

「別に良かっただろ?霊夢」

 

「ええ、今回は特別。敷地内で見つけたら容赦無く撃っていいわよ」

 

(ヒデェ)

 

「あらあら、いきなり酷いじゃない二人とも」

 

「⁉︎」

 

「チッ、まだ生きてた」

 

真後ろから声がしたと思えば、さっきのバbゲフンゲフン女の人が変な穴から上半身だけ出しているでは無いか。ホラーじゃねえか。

 

「・・・何で俺に抱き着く」

 

「え〜?だってゆかりん怖いんだもん」

 

いきなり抱き着いてきたこのバbゲフンゲフン女の人は、幻想郷の賢者、八雲 紫だと思われる。

 

(このバbゲフンゲフン紫さんは、こんな性格だったのか・・・まあ実際隠してるだけだろうけど)

 

「さっきからずっと失礼なこと考えてない?」

 

「ナンノコトダカワカラナイ」

 

「・・・まあいいわ」

 

幻想郷はエスパー多すぎ、異論は認める。といってもまだ4人しか会ってないわけだが。

 

「それで、何の用かしら?まさかこんな事をする為に来たわけじゃないでしょう?」

 

霊夢がキレ気味の顔で紫に問いかける

 

「あら、用がなくてはここに来てはいけないのかしら?」

 

「私は来て欲しくないのよ」

 

「それは残念。でも今日は貴女に用があったのではなく、裕貴に用があって来たのよ」

 

「裕貴に・・・?」

 

三人が俺を見てくる。若干修羅場と化しているこの場を俺は一刻も早く抜け出したかった。

 

「・・・分かった、話を聞く」

 

「ッ!裕貴!」

 

「それではこちらに来てもらっても?」

 

そう言って紫は傘を振るう。すると空間が裂けて、幾多もの目玉がギョロリとこちらを覗いていた。紫は溶け込む様にその割れ目に入っていった。

 

「・・・」

 

続いて俺も、その空間に足を踏み入れる。残された二人は言葉を失ったままだった。

 

〜少年移動中〜

 

目玉だらけの空間を抜けると、見えたのは一つの立派な家だった。

 

「ここが私の住んでいる場所。人間を招き入れたのは、貴方が初めてかも知れないわね」

 

紫が沈黙を破り、暗に中へ入れと囁く。

 

「・・・失礼する」

 

紫に着いて行くと、真ん中に黒い台がある和室へと案内された。

 

「藍」

 

「はい」

 

紫が一声呼ぶと、確か八雲 藍だったか、紫の式だったと記憶している彼女が何本もの尻尾を揺らす事なく一瞬で現れた。

 

「客人にお茶を」

 

「はい」

 

「・・・で?」

 

藍が消えた後、俺が紫に問いかける。

 

「・・・実は、貴方に頼みがあるの」

 

「頼み?」

 

(この前幻想入りしたばっかの奴に、妖怪の賢者である八雲 紫が頼みごと?)

 

「実は、この頃外の世界の凶悪な妖怪が多数幻想入りして、村の人間を食っているの。そう簡単に入ることは出来ないはずなのにね。恐らく何者かが、【博麗大結果】に干渉している可能性があると、私は推測しています」

 

「・・・賢者であるあんたは、そいつらの目的が分からない以上、迂闊には動けない」

 

「そういうこと。一応藍や村の上白沢 慧音に協力して貰ってはいるけど、被害は増え続けているばかりで、何も出来ないままなの・・・」

 

このままでは、人間と妖怪のパワーバランスが崩れて幻想郷が幻想たるものでは無くなってしまう。そこで、俺か・・・

 

「汚れ役を押し付けているのは十分に承知しているわ、けど、どうか力を貸して欲しいの・・・」

 

「・・・そんな事、こんな大袈裟にしなくても引き受けたのに・・・」

 

「・・・え?」

 

「俺のことを受け入れてくれたこの幻想郷に、少なからず俺は恩を感じている。それが恩返しになるなら、俺は進んで汚れ役を引き受けよう」

 

紫は少し拍子抜けした顔をしている。幻想入りしたばかりの奴にこうもあっさり受け入れてくれるとは思ってもいなかったんだろう。

 

「それより、もう戻っていいか?そろそろ霊夢達がブチ切れてる頃だと思うんだが・・・」

 

身の危険を感じて身震いする。問答無用で吹き飛ばされそうだ。

 

「・・・分かったわ、あのスキマをそのままにしておいたから、急ぎなさい」

 

「おう、ありがとな」

 

「ああ、そうそう。霊夢に『近々異変が起こる』と、伝えといてもらえるかしら?」

 

「分かった、じゃあな〜」

 

そう言って俺は廊下を駆け抜けた。

 

紫side

 

「・・・全く、礼を言うのはこちらの方よ・・・」

 

「宜しかったのですか?人間は脆いですよ?」

 

いつの間にか立っていた藍が言う。

 

「いいのよ、彼ならやってくれるわ」

 

裕貴side

 

「やっべ〜絶対殺されるよ、【夢想封印】と【マスタースパーク】を同時撃ちされるかもしれない」

 

と裕貴が独りごちる

 

(フラグ立てちまった・・・おっ、もうすぐ抜けられる)

 

出口を見つけ、そこに向かいダッシュする。出口を抜けると、博麗神社から見える美しい景色が見えてきた。

 

「「あ」」

 

(やべっ、目があった)

 

無言で突撃してきた二人を、俺は避けることが出来なかった。

 

「大丈夫⁉︎紫に変な事されてない⁉︎」

 

「何か変な物食わされてないか⁉︎」

 

物凄い慌てっぷりに、少し笑ってしまった。

 

「ハッハッハッハッハ‼︎別に何もされてねえよ。ただ少し話をしただけだ」

 

「「・・・本当に?」」

 

二人が上目遣いで聞いてくる、やめろ、何回ドキッとさせるつもりだ。

 

「ああ、本当だ」

 

「な〜んだ、良かった〜」

 

「てっきり殺されたかと思ったぜ」

 

不吉な事を言うな。

 

「俺はそう簡単に死ぬつもりはない」

 

そう断言すると、二人が笑顔にな・・・

 

「よくも心配かけてくれたわね・・・?」

 

「ちょっとお仕置きが必要なみたいだぜ・・・」

 

二人の背後に『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ』というオノマトペが付きそうな雰囲気だ。

 

「待ってくれ、これには理由g「「問答無用!」」アーッ(ピチューン」

 

フラグの力は恐ろしいものだと、体で実感した裕貴であった。




如何しでしたでしょうか。次の話でやっと紅霧異変にいけそうです。頑張ります
質問・意見・要望等御座いましたら遠慮なくおっしゃって下さい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。