東方白露伝   作:すぷりんくらー

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第伍話 兆候

やあ、裕貴だよ・・・ダメだ、俺にこんな話し方は出来ねえ・・・。今俺は人里に来ている。理由は、八雲 紫からの頼まれ事と、ただ単に人里に来てみたかっただけといった理由だ。まあ今は絶賛頼まれ事中なんだがな。

 

『グガァァァァァァァ‼︎‼︎‼︎』

 

「うるせえな・・・死ねよ」

 

目の前には、裕貴の二倍はある妖怪が雄叫びを上げている。右腕は無く、左目も潰れ、身体中に切り傷がある妖怪は、声で裕貴に最期の抵抗をしようとしているのだろう。

 

『グガァァァァァァァ‼︎‼︎‼︎』

 

妖怪が、残った左腕で突きを繰り出す。それを回転しながら躱した裕貴は刀を逆手に持って、遠心力のついた一撃を放つ。斬撃は妖怪の首を飛ばし、辺りを赤く染め上げた。

 

「今日はこの辺りでいいだろ」

 

本音は人里に行って甘味を食い漁りたいのである。

 

〜少年移動中〜

 

(結構賑わってるな・・・)

 

野菜、肉、食事処、お札、傘・・・それぞれを専門にして営んでいるようだ。しかしそんなものに興味は無い、俺は今猛烈に甘い物を食べたい気分なのだ。

 

(どっかないかな〜・・・おっ!いいのがあるじゃねえか)

 

のれんに『甘』の一文字が書かれた甘味処を見つけ、外の席に座る。その後、『栗羊羹』と『おしるこ』と『お茶』を注文する。2分と経たないうちに持ってこられた甘味に胸を踊らせる。

 

「では、いただくとするk「すまないが、隣、良いだろうか」・・・どうぞ」

 

青くて長い髪、そしてこの特徴的なZUN帽・・・

 

「上白沢 慧音・・・」

 

「ん?私がどうかしたか?」

 

「いや・・・」

 

危ねえ、口に出てた。慧音のイメージとか頭突きしかねえよ。

 

「それより、見ない顔だな。新しく幻想入りした者か?」

 

(察しがいいな)

 

「ああ、橘 裕貴だ。今は博麗神社に住まわせてもらっている」

 

「なるほど、私は上白沢 慧音、近くの寺子屋の先生をしている」

 

・・・あ、だった

 

「八雲 紫をご存知か?」

 

「まあ、一度だけ会ったことがあるが・・・それが?」

 

「その八雲 紫によると、近々この辺りで異変が起こるようだ」

 

「異変が・・・?」

 

おそらく、レミリア・スカーレット主犯の、後に『紅霧異変』と呼ばれることになる異変だろう。

 

「俺が頼める立場ではないが、人里の警備強化を」

 

「そうか・・・分かった、警備を増強しよう。わざわざ教えてくれてありがとう」

 

「いや、当然のことをしたまで」

 

話してるうちに全部食い終わった俺は、席を立とうとする。しかし、慧音が言った言葉に体が凍った。

 

「そう言えば、博麗神社に住んでて大丈夫なのか?金銭的な意味で」

 

そう言えばそうだった、博麗神社は参拝客が少ないから御賽銭が入らないんだった・・・。

 

「良かったら、私の寺子屋で働かないか?なにぶん、人手が足りんのでねぇ」

 

「・・・良いのか?」

 

「ああ、もちろん給料も出す」

 

「是非」

 

やった!これで魔理沙の差し入れ(毒キノコ入り)生活から脱却出来る!長かった・・・これで、ようやく・・・!まあキノコ嫌いじゃないんだけど・・・

 

「それでは早速明日から来てもらってもいいか?」

 

「分かった」

 

「では此れからよろしく頼む」

 

そう言って握手を交わした。その後、裕貴は駄菓子屋によって博麗神社へと空を蹴った。

 

〜少年移動中〜

 

「・・・戻ったぞ」

 

「あら、お帰り」

 

「お帰りだぜ」

 

「そらよ」

 

霊夢と魔理沙に駄菓子屋で買った煎餅をヒョイと投げる。

 

「あら、ありがと。丁度切れてたところだったのよ」

 

「これでお茶が進むぜ」

 

(勝手知ったる他人の家ってか・・・まあいいか)

 

いつも通り、この後適当に他愛のない話をして、飯を食って、魔理沙が帰る若しくは泊まって、寝て・・・そうなると思っていた。

 

「「「・・・ッ!」」」

 

悪寒を感じ、空を見上げる。遠く一点から広がる紅い霧はみるみるうちに空を覆い尽くし、太陽を完全に隠した。

 

(・・・遂に始まったか)

 

霊夢はいつも通り気怠そうな、魔理沙は興味津々といった子供のような、裕貴は無表情で空を見つめた。

 

「全く、面倒くさい事になってきたわね・・・ハァ」

 

「あそこには何があるんだろうな〜、楽しみだぜ!」

 

「・・・行くか」

 

三人は異変解決のために空を翔けた。

 

???side

 

「・・・これで幻想郷は私の手の中に・・・待ってて、フラン。ようやくあなたをその暗い闇の底から連れ戻すことが出来るから・・・」

 

 

 




如何でしたでしょうか、やっと紅魔郷に入れそうです。気合い入れて行きます!
意見・質問・要望等御座いましたら遠慮無くおっしゃってください。
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