やあ、裕貴だよ・・・ダメだ、俺にこんな話し方は出来ねえ・・・。今俺は人里に来ている。理由は、八雲 紫からの頼まれ事と、ただ単に人里に来てみたかっただけといった理由だ。まあ今は絶賛頼まれ事中なんだがな。
『グガァァァァァァァ‼︎‼︎‼︎』
「うるせえな・・・死ねよ」
目の前には、裕貴の二倍はある妖怪が雄叫びを上げている。右腕は無く、左目も潰れ、身体中に切り傷がある妖怪は、声で裕貴に最期の抵抗をしようとしているのだろう。
『グガァァァァァァァ‼︎‼︎‼︎』
妖怪が、残った左腕で突きを繰り出す。それを回転しながら躱した裕貴は刀を逆手に持って、遠心力のついた一撃を放つ。斬撃は妖怪の首を飛ばし、辺りを赤く染め上げた。
「今日はこの辺りでいいだろ」
本音は人里に行って甘味を食い漁りたいのである。
〜少年移動中〜
(結構賑わってるな・・・)
野菜、肉、食事処、お札、傘・・・それぞれを専門にして営んでいるようだ。しかしそんなものに興味は無い、俺は今猛烈に甘い物を食べたい気分なのだ。
(どっかないかな〜・・・おっ!いいのがあるじゃねえか)
のれんに『甘』の一文字が書かれた甘味処を見つけ、外の席に座る。その後、『栗羊羹』と『おしるこ』と『お茶』を注文する。2分と経たないうちに持ってこられた甘味に胸を踊らせる。
「では、いただくとするk「すまないが、隣、良いだろうか」・・・どうぞ」
青くて長い髪、そしてこの特徴的なZUN帽・・・
「上白沢 慧音・・・」
「ん?私がどうかしたか?」
「いや・・・」
危ねえ、口に出てた。慧音のイメージとか頭突きしかねえよ。
「それより、見ない顔だな。新しく幻想入りした者か?」
(察しがいいな)
「ああ、橘 裕貴だ。今は博麗神社に住まわせてもらっている」
「なるほど、私は上白沢 慧音、近くの寺子屋の先生をしている」
・・・あ、だった
「八雲 紫をご存知か?」
「まあ、一度だけ会ったことがあるが・・・それが?」
「その八雲 紫によると、近々この辺りで異変が起こるようだ」
「異変が・・・?」
おそらく、レミリア・スカーレット主犯の、後に『紅霧異変』と呼ばれることになる異変だろう。
「俺が頼める立場ではないが、人里の警備強化を」
「そうか・・・分かった、警備を増強しよう。わざわざ教えてくれてありがとう」
「いや、当然のことをしたまで」
話してるうちに全部食い終わった俺は、席を立とうとする。しかし、慧音が言った言葉に体が凍った。
「そう言えば、博麗神社に住んでて大丈夫なのか?金銭的な意味で」
そう言えばそうだった、博麗神社は参拝客が少ないから御賽銭が入らないんだった・・・。
「良かったら、私の寺子屋で働かないか?なにぶん、人手が足りんのでねぇ」
「・・・良いのか?」
「ああ、もちろん給料も出す」
「是非」
やった!これで魔理沙の差し入れ(毒キノコ入り)生活から脱却出来る!長かった・・・これで、ようやく・・・!まあキノコ嫌いじゃないんだけど・・・
「それでは早速明日から来てもらってもいいか?」
「分かった」
「では此れからよろしく頼む」
そう言って握手を交わした。その後、裕貴は駄菓子屋によって博麗神社へと空を蹴った。
〜少年移動中〜
「・・・戻ったぞ」
「あら、お帰り」
「お帰りだぜ」
「そらよ」
霊夢と魔理沙に駄菓子屋で買った煎餅をヒョイと投げる。
「あら、ありがと。丁度切れてたところだったのよ」
「これでお茶が進むぜ」
(勝手知ったる他人の家ってか・・・まあいいか)
いつも通り、この後適当に他愛のない話をして、飯を食って、魔理沙が帰る若しくは泊まって、寝て・・・そうなると思っていた。
「「「・・・ッ!」」」
悪寒を感じ、空を見上げる。遠く一点から広がる紅い霧はみるみるうちに空を覆い尽くし、太陽を完全に隠した。
(・・・遂に始まったか)
霊夢はいつも通り気怠そうな、魔理沙は興味津々といった子供のような、裕貴は無表情で空を見つめた。
「全く、面倒くさい事になってきたわね・・・ハァ」
「あそこには何があるんだろうな〜、楽しみだぜ!」
「・・・行くか」
三人は異変解決のために空を翔けた。
???side
「・・・これで幻想郷は私の手の中に・・・待ってて、フラン。ようやくあなたをその暗い闇の底から連れ戻すことが出来るから・・・」
如何でしたでしょうか、やっと紅魔郷に入れそうです。気合い入れて行きます!
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