Lost memories   作:K(ハーメルンのすがた)

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頼りになる最高の相棒が登場です。
そして相棒さんクランクアップです。


遠ざかるあの日の約束も

 

 ──────カントー地方、マサラタウン

 

「ごちそうさま。美味しかったよ」

「そう、よかった!戻ってきたって事はまたいつも行ってる所に行くの?」

 

 今日、バトルタワーにチャレンジャーが来ると聞いたので、遅れないように昨日旅先からマサラタウンに帰ってきた。

 

 オレは家で母さんの作った朝ごはんを食べ終えた。

 

「うん。シキミタウンにね」

「そっか。そういえばサトシ、そろそろ彼女出来たの?」

「……!?なんだよいきなり!?」

「どうなの?」

 

 母さんはオレに彼女が出来たのか聞いてきた。

 ……もう二十歳だからな……でも……

 

「彼女は……いいかな。オレがタワータイクーンの代理をやらなくてよくなるまでは……」

 

 そう言ってオレは朝食を済ませてピカチュウと一緒に机に乗ってきたエーフィを抱きしめた。

 昔一緒に旅した女の子に告白……?ってやつをされた事もあったけど、いなくなったリラの事を忘れられなくて断ってしまった。

 戻ってくるかもわからない人をずっと想っていてもどうにもならないのはわかってるけど……

 

「……そっか。親子揃って、大事な人の帰りを待ってるのね。何かの呪いかしら?」

「かもね。そんなのあって欲しくないけど……」

「そうね……」

「うん。それじゃ、行ってくるよ」

 

 オレはピカチュウとリラのエーフィと共にバトルタワーに向けて出発した。

 

 

────────────────────────

 

 

 ──────カントー地方、空港

 

「リラに会ってくる」

 ……なんて言って飛び出して来ちゃったけどなぁ……

 

「ピカチュウ、バトルタワーってどこだっけ……」

「ピカピピカチュ?」

「あ、シキミタウンか。……どうやって行くんだっけぇ…………」

 

 シンオウ、イッシュ、カロスと旅をして、アローラに結構滞在していたのでカントー地方の土地勘が無くなっている……さすがにマサラタウンへの道はわかるけど……

 ロトムもアローラ以外のタウンマップは持っていないようだ。

 

「どうしようピカチュウ…………」

「ピーカ……ピカ?」

 

「お困りのようだな、サトシ!」

 

「……!!その声は……!!」

 

「よっ!」

 

「タケシぃぃぃ!!」

 

 空港に偶然タケシがいた。

 もしかしてククイ博士が連絡してくれたのかも……!

 

「助けに来てくれたのか?」

「いや、これからパルデア地方のアカデミーで講義を受けに行くんだ。うん、めちゃくちゃ偶然」

「なんだよ……期待して損した……」

 

 タケシは助っ人に来てくれたのではなかった。ジョウトにホウエン、シンオウの時とは違うらしい。

 

「いや勝手に期待するなよ。で、お前何しに戻ってきたんだ?」

「それがさ、前にフロンティアブレーンのリラと会っただろ?」

「ああ、お前見事に一回負けてたな」

「その後勝ったからいいの。で、そのリラがこの世界に二人いるかもしれないんだ」

「……ドッペルゲンガー的な何か?」

「いや、多分違くて──────」

 

 オレはタケシに今アローラ地方にいる大人になったリラの事を話した。

 

「リラがおとなのおねえさんに?いやいや、そんなまさか……」

『これが写真ロト!』

「ん?なになに?……ッ!!?ほんとだ…………」

「な!言っただろ?」

「俺、パルデアじゃなくてアローラに行こうかな……くっ……!!こんな美人になるなんて……!!俺としたことが…………ッ!!!」

 

 ロトムがアローラにいる方のリラの写真を見せた。

 途端に動揺するタケシ。

 

「で、このリラの他に前に会ったリラがいるかもしれないから、確かめに来たんだよ」

「なるほどな。……ブレーンの方のリラを今のうちに……いやでもハルカやヒカリと同い年くらいの女子は恋愛対象外だ……うーん…………」

「何言ってんだこいつ?」

「ピカ……」

 

 タケシがブツブツ早口で呪文を唱え始めた。怖い……

 

「よしサトシ!バトルタワーのリラに会いたいんだな?」

「一緒に来てくれるのか!?」

「はいこれ、カントー地方のタウンマップ」

「え?」

「ロトムに見せたら多分バトルタワーまで行けると思うぞ。それじゃ、俺はパルデアでレホール先生やキハダ先生に会うついでにジニア先生の講義受けて来る!じゃあな!アローラにいるリラによろしく!」

「あー!おいタケシ!……誰一人として名前がわからなかった……こっちのリラにもよろしく言えよ……」

 

 タケシはオレにこの地方のタウンマップを渡し、パルデア?地方行きの飛行機に乗りに行った。

 結局オレとピカチュウ達だけで行くしかないか……

 

「ロトム、オレ多分反対方向目指しちゃうから案内頼む……」

 

 

───────────────────────

 

 

 ────────カントー地方、どこかの森の中

 

「ロトムー、あとどれくらいだー?」

『この近くにある湖の先にあるみたいロト!もうすぐだロト!』

「湖……あ、思い出した!ありがとうロトム!ここからはオレ道わかる!行こうぜ!」

 

 空港にいたタケシと別れ、オレはロトムの案内でバトルタワーに向かっていた。

 まだ着かないのかなと考えていると、記憶にある道だと気付いた。

 走って森を進み、やっぱりリラと出会った湖の畔の道に出た。

 

「やっぱりここだ!もうすぐだなピカチュウ!」

「ピカっチュウ!……ピカ!?」

「……うえぇ!?スピアー!?」

 

 オレ達の前にスピアーが立ちはだかった。

 ……二度あることは三度あるって本当なんだなぁ……

 

「ひ、久しぶり……げ、元気だったか?」

「スピ…………」

「オレ達この先に用があるだけだから……それじゃ!」

 

 オレ達はスピアーを抜かして一目散に逃げ出した。

 案の定スピアーは追いかけて来ている…………

 

「ねぇ!本当にごめんって!!バトルタワーに行くために通るやつ少なくないだろぉぉぉ!!」

「…………?え、サトシ……?」

「あー!!リラ!ほんとにいたー!!逃げるぞ!」

「えぇ!?何で君また追いかけられてるんだよぉぉ!!?」

 

 やっぱりリラはカントー地方にもいた。アローラに来たリラと違ってオレと同じくらいの身長だ。

 

「……ん?ちょっと待って?」

「何で止まった!?やばいって!」

「!?ちょ、ちょっと!?」

 

 一緒に走って逃げていたリラが突然足を止めた。

 どう見ても危ないからオレはリラの手を引いて走った。

 ……あ、これどっちみち湖に落ちるな……

 

「どうせ落ちるなら……!!」

「え!?いや!あのスピアー怒ってな……っ!?うわぁぁぁ!!!」

 

 オレはリラを抱えて湖に飛び込んだ。

 これであの時と同じようにスピアーを撒けたはず……

 

「はぁ……はぁ……リラ、大丈夫か?」

「うん……いや、何するのさ……!!」

「え?スピアーを撒くためだけど……」

「そのスピアー、今僕らの上飛んでるんだけど」

「オレらの上を?いやいやまさか……ええええ!!?」

「あの時は興奮してて僕らを見失ったんだからしてない時に僕らを見失う訳ないでしょ?」

 

 上手く逃げきれたと思っていたスピアーがオレ達の頭上を飛んでオレ達を眺めていた。

 ……つまり、「終わり」ってこと……?

 

 あれ、今リラ、スピアーが興奮してないって……

 

「スピ!」

「うっ!?……ってあれ?引き上げてくれた……」

「ピカ……!?」

「ね、君達勘違いして逃げ回ってたんだよ」

 

 スピアー達はオレ達を湖から引き上げてくれた。

 ……全然怒ってないじゃん。

 

「ごめんスピアー、勘違いしてた……」

「スピ、スピスピ!」

 

 スピアー達は巣に戻っていった。

 

「リラもごめん……」

「……僕、君と会うと毎回ここに落ちてるんだけど」

「はい……本当に……ごめんなさい……反省します……しました……」

 

 アローラにリラが来た時にも言ったな……

 ……リラが冷たい目でオレを見ている……

 

「……まあいいけど。とりあえず服乾かそうか。エンテイ!」

「エンテイ?ん、エンテイ!?」

 

 リラがエンテイをボールから出した……!?

 

「えっとじゃあ……エンテイ、森に燃え移らなそうなあそこにかえんほうしゃ!弱めにね」

「ええいーー!!」

 

 リラのエンテイは開けた場所に火を起こした。……伝説のポケモンに任せる事じゃない……

 

「ほら、あそこで暖まろう!」

「あ、ああ……」

 

 オレ達はエンテイの作った焚き火で暖まって服を乾かした。

 エンテイはリラの後ろで寝っ転がり、リラはそのエンテイに寄りかかるように座っている。

 

「で、何でサトシは突然ここに来たんだい?僕に会いに来てくれたの?」

「うん、会いに来た」

「え!?そ、そっか……嬉しいな……」

 

 リラは何故か照れて微笑んでいる。

 

「会いに来た理由なんだけどさ、リラ、リラがもう一人いるって言ったら信じるか?」

「……え?僕が?何言ってんの?」

「いや、本当なんだよ。ロトム、また写真見せてくれ」

『わかったロト!』

 

 ロトムはリラに、アローラにいるリラの写真を見せた。

 

「……確かに僕……だね。でも何で大人になってるの?」

「あ、それ聞いて無かった。五年前からの記憶が無いとは聞いたんだけど……」

「ふーん……あっ、時間を超えて来たってことね」

「そう思ったんだけどちょっと違うっぽくて……」

「?」

「別の世界のリラみたいなんだよ」

「……別の世界なんてあるの?」

「ある!」

 

 リラは別の世界の事を信じていない。確かにSFもいい所だよな……

 

「あー……マルチバース的な……?映画で見たよ。イルカマン ユニバースで」

「なにそれめちゃくちゃ面白そうじゃん……」

「で、別世界から記憶喪失した僕が迷い込んだってことね」

「Fallみたいだし多分そうだな」

「……Fallって?」

「あー……別世界のポケモンを引きつける、別世界に行くとなる体質なんだ。オレもそう」

 

 リラは別世界の事を信じてくれたみたいだ。

 専門用語多くていちいち言い換えるの大変だな……

 

「……なるほどね。それで僕に会いに来てどうするつもりなの?」

「どうするつもりか……考えてなかったな。オレの友達が……オレの知ってるリラがいなくなった気がして……それだけで飛び出して来ちゃった」

「友達か……嬉しいな、ありがとう。ねぇ、もう一人の僕はこのままこの世界にいるの?」

「え?あー……それも聞いてないな……」

「戻ろうとしたら戻れるのかい?」

「うん。一度ウルトラホール……別世界と繋がる穴が開いた場所はまた開きやすくなるんだ。だから多分戻れる」

「ふーん……だったら戻ってほしいな……」

 

 リラはもう一人のリラがこの世界にいるのをよく思っていないようだ。

 

「何で?」

「だって、自分がもう一人いるのって気持ち悪いじゃん」

「……わかる気がする……」

 

 確かにずっと別世界の自分がいるのはちょっとな……

 

「でしょ。サトシ、アローラに戻ったらどうするか聞いてくれないかな?」

「ああ、わかった」

「あと……僕もそっちに行ってもいいかな。気持ち悪いのは本当だけど、もう一人の自分と会ってみたいっていう好奇心もあるんだ」

「OK!いつ来る?」

「うーん……休みが取れたら君と一緒に行きたいけど……君はいつ戻るんだい?」

「明日!」

「明日か……明日はちょっと無理かな……行けそうな日が決まったら連絡していい?」

「わかった。……オレ携帯持ってない……」

 

 リラはもう一人のリラに会いにアローラ地方に来るようだ。

 来る日が決まったら連絡をくれるみたいだけど、その連絡手段をオレは持っていなかった。

 

『だったらククイ博士の家の連絡先を教えればいいんじゃないロト?』

「そうだな!えっと確か…………」

「うん、ありがと!じゃあ僕の連絡先伝えとくね。元の世界に戻るかどうか聞いたら教えてよ!」

「わかった!それじゃ、来るの待ってるぜ!」

 

 オレはリラの連絡先を教えてもらった。

 それからもう一人のリラとは別の話をして、リラと別れようとしたんだけど……泊まる場所が無い事に気づいてどうするか考えていた所、リラが家に泊まっていいと言ってくれた。

 近くのポケモンセンターを思い出したが、リラが出て行って欲しくなさそうな様子だったのでそのまま泊まらせてもらう事にした。

 

 

────────────────────────

 

 

 ──────アローラ地方、2番道路

 

 カントー地方でリラと会い、アローラ地方に帰ってきたオレは、別世界から来たリラの泊まるモーテルの前でリラと話をしていた。

 

「ククイ博士から話は聞いていましたが……本当に私がもう一人いたんですね……」

「ああ、この世界のリラがいた」

「この世界の?」

「うん。リラ、多分ウルトラホールで別の世界から来たんだろ?」

「……はい。確証はありませんけど……」

「でさ、元の世界に戻る気はないか?」

「元の世界に…………私には、国際警察である責任があります。でも……帰れるのであれば帰りたい……あの世界には大切な人やポケモンがいる……まだあの世界で思い残した大切なことがある……あなたを見ると、そんな気持ちになるんです……」

 

 リラは元の世界に戻る事を希望している。

 リラが思い残したことって、何だろう?

 

「もしかしたら(ぼく)、元の世界であなたが好きだったのかも。でも、もう叶わないでしょうね……」

「好きなのが叶わない……?」

「ふふっ……鈍いのはサトシさんらしいですね。きっとそういう所も……」

「なんだよ……別に鈍くないし!こうそくいどう使えるし!」

 

 オレ、なんかバカにされた……?

 

「……まあいいや、リラ、リラが見つかって保護された場所わかるか?」

「えっと……ガラル地方のカンムリ雪原にある村の近くでした」

「カンムリ雪原……?……あれ、地方が違ったらあのウルトラホール開ける機械持ってくのも大変じゃね……?」

 

 リラが見つかったのはガラル地方?のカンムリ雪原という場所らしい。初めて聞く場所だな……

 

「ソルガレオがいればなぁ……」

 

 ガラル地方に行ったとしてもウルトラホールを開く手段が無い。

 どうにかしてソルガレオを呼び出せたら……

 

「……日輪の祭壇に行けばもしかしたら……」

 

 日輪の祭壇でほしぐもはソルガレオに進化して、ルナアーラもそこに現れた。

 あそこに行けばもしかしたら会えるかもしれない……

 

 後日、オレはリラと一緒に日輪の祭壇に向かった。

 

 ─────────日輪の祭壇

 

「ここが日輪の祭壇ですか……!」

「ああ!ここならあいつに会えるかも!」

「でもどうやって……?」

「それは……頑張る!おーい!!ソルガレオー!!」

 

 日輪の祭壇に来たはいいが、そこから先は考えていなかった。とりあえず呼べば来るかもと思い、ソルガレオの名前を叫んでみた。

 オレの声が辺りに響く。が、ソルガレオが来る事はなかった。

 

「まぁ無理だよなぁ。……ん?」

 

 ZパワーリングとソルガレオZが光っている……

 もしかして正解だった……?

 オレはZリングにソルガレオZを取り付けた。

 

「ソルガレオー!!!」

 

 Zリングは更に眩い光を放つ……!

 

「ラリオーナッ!!!!!」

 

「……!ソルガレオ!」

 

 青い空のどこかからソルガレオがオレの前にやってきた。

 

「よく来てくれたな!」

「ラリオーナ!」

「このポケモンが……ソルガレオさん……!」

「ソルガレオ、お願いがあるんだ」

 

 オレはソルガレオにリラを元の世界に帰したい事を伝えた。

 

「一緒に来てくれるか?」

「ラリオーナ!!」

「ありがとう!それじゃ次の休みの日……一週間後、またここに来てくれ!」

「……!!」

 

 ソルガレオはオレ達に協力してくれるようだ。

 だが、五年前に開いた場所にウルトラホールを開けてもまた別の世界に繋がって、数日かけて何個か世界を跨いで行かなくちゃならないらしいので、とりあえずオレがリラの世界に行けるか確認する事にした。

 リラにはもしもの時にはオレの代わりにウルトラガーディアンズでカキ達とUBを何とかしてもらうつもりだ。

 

 さすがに今日別の地方に行って帰ってくるのは難しいと思い、また一週間後に祭壇に来てもらうよう頼んだ。

 

 ────────ククイ博士の家

 

『なるほどね。帰ってくれる事になったんだ。じゃあ僕がわからせる必要は無さそうだね』

 

 夜になって家に帰り、オレはカントー地方にいる方のリラと電話していた。

 

「わからせるって……何しようとしてたんだよ……」

『バトルで叩き潰すつもりだったよ』

「怖ぇ……でもこっちのリラもなかなか強かったぞ?」

『ふーん……記憶が無くてもバトルの才能は変わってないんだ。流石僕だな……』

「だよな。こっちに来たらこっちのリラとバトルしてみたらどうだ?」

『ありだね。あ、そうそう、僕来週────』

 

 ──────────────────

 

 一週間後──────

 

 

 スクールのみんなとククイ博士にしばらくいなくなる事を伝え、日輪の祭壇にまた戻ってきた。

 

「そうだリラ、空になってたモンスターボールあるよな?」

「これですか?……エーフィ……元の世界に残してきた大事なポケモンが入っていたボール……ですよね」

「多分な。それ、預かってもいいかな?それがあればリラの世界かどうかわかると思うんだ」

「わかりました。あなたならきっと大切にしてくれる……」

 

 リラはオレにエーフィが入っていたボールを託した。

 行った世界にこれに入るエーフィがいれば、そこがリラの世界だ。

 

「じゃあ、行ってくるよ」

「はい!よろしくお願い致します!……どうかお気をつけて……」

「ああ!絶対見つけて戻ってくる!」

 

 オレとピカチュウはソルガレオに乗ってまずはガラル地方のカンムリ雪原へ向かった。

 防寒対策を忘れてめちゃくちゃ寒かったけど、なんとかリラがこの世界に迷い込んだ場所を見つけ、再び開いたウルトラホールへ飛び込んで行った。

 

 

 ▼TO BE CONTINUED……

 




イルカマンユニバース……まあグリッドマンユニバースですね。
何度観ても飽きない最高の映画です。
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