Lost memories   作:K(ハーメルンのすがた)

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パシオとかにも行かせたかったんですけどやめときました。
サトシ君が巡る世界はエメラルドと特別体験版サンムーンの世界です。


あの小さかった頃の手が

 

 ─────ウルトラホールの中

 

「さっっっっむ……」

 

 オレとピカチュウはソルガレオに乗り、ガラル地方のカンムリ雪原という場所からウルトラホールに飛び込んだ。

 雪原が寒すぎて早くウルトラホールに入って温まりたかったが、ウルトラホールの方がもっと寒かった。

 ソルガレオが暖かくなかったら死んでたかも……

 

「大きな星がいっぱいだ……あはは……大きい……!彗星かな?……いや、違う……違うな……光の奥にいろんな世界が見える……」

 

 辺りを見渡すと、赤や緑、青に黄色の大きな光があちこちに点在していた。

 その奥には一つ一つ違った世界が広がっている。

 

 しばらく進むと、虹色に光る星が見えた。

 ソルガレオはその光の中へ入っていった。

 

 ───────???

 

「暖かい……ここは……何かの島……だよな」

「ピカ……ピカピ!」

「ん……?あれ、バトルピラミッド!?何でこんな所に!?」

 

 ソルガレオの入った光の先は大きな島で、すぐ近くにバトルピラミッドがあった。

 

「ソルガレオ、ここがリラの元いた世界なのか?」

「……」

「そっか……そこまではわかんないか……」

「……ピカ?」

「ピカチュウ……?へ?ハルカ?ハルカじゃん!」

「え?どうしてあたしの名前を?」

 

 シンオウ地方で会った時と同じ、緑色のバンダナを着けたハルカが近くを通りすがった。

 

「えっと……あなたは?」

「え、サトシだけど……」

「サトシ……?」

 

 ハルカはオレの事をわかっていないようだ。リラと同じで記憶喪失……ってな訳じゃないよな。

 

「もしかしてこの世界じゃオレ達会ってないって事か」

「この世界じゃ……?どういうこと?」

「ああいや、こっちの話。ちょっと聞きたいんだけど、ここってどこなんだ?」

「え?バトルフロンティアだけど……」

「バトルフロンティア?バトルフロンティアって地名だったか?」

「うん、七つのバトル施設にチャレンジ出来る島だよ」

 

 オレの知ってるバトルフロンティアと違う……

 

「じゃあ、ブレーンの人達もここに集まってるのか?」

「うん!例えばそこのバトルピラミッドなら、十周すると本気のピラミッドキングのジンダイさんとポケモン勝負出来るんだよ!」

「ということはバトルタワーにはリラも?」

「知ってるんだ?さっき戦って来たよ!」

「この世界にはいるのか!じゃあこの世界じゃなさそうだな」

「ピカピカ」

 

 どうやらこの世界にはリラがいるようだ。

 じゃあこの世界は違うな。

 

「じゃあソルガレオ、次の世界行こうぜ!」

「ラリオーナ!!」

「え、何このポケモン!?かっこいい!」

「ソルガレオっていうんだ!じゃあなハルカ!マサトと仲良くなー!」

 

 オレはソルガレオに乗り、また違う世界へ向かった。

 

「マサトって……ユウキくんの弟じゃん……」

 

 

────────────────────────

 

 

 ────アローラ地方・海上

 

「べのめのん……」

 

「メタグロス、はかいこうせんです!」

「メタ!メッタァァァ!!!」

 

 サトシさんが私の世界を探しに行ってくれた翌日、メレメレ島の海の上空に数十匹のウツロイドが出現しました。

 私はウルトラガーディアンズの皆さんと共に、ウツロイドの対処をしています。

 状況は良いとは言えず、油断してしまえばすぐに乗っ取られてしまう……そんな状況です。

 

「空中だからやりづらい……!チルタリス、ハイパーボイスです!」

「チル!!!」

 

「べのめのん……」

 

「リーリエさん!メタグロス、コメットパンチ!」

「メタッ!!!」

 

 リーリエさんの乗っているチルタリスがハイパーボイスで一度で大量のウツロイドに攻撃しましたが、当たらなかったウツロイドがリーリエさんを狙い、憑依しようとしていました。

 そのウツロイドは私のメタグロスがコメットパンチで何とかしたのですが…………

 

「べのめのん……」

「……!!しまった……!?」

 

 また別のウツロイドが今度は私に憑依しようと近づいて来ました。その時…………

 

 

「しゅわぁぁぁーーーん!!!!!」

 

 

「……!!?」

 

「うぅっ……!?今のは……?」

 

「…………」

 

「ラティオス……!?もしかして……私を助けて……?」

「へぇ……本当に僕だ。でも、ちょっと甘すぎるんじゃないかい?」

「わ、私……!?」

 

 私に憑依しようとしたウツロイドが私達よりもっと上空にいる何かに撃たれ、私は間一髪で助かりました。

 

 私を助けてくれたのは、青い翼を持つ伝説のポケモン・ラティオス。そのラティオスには小さな私が……

 

「君達、サトシの友達だね?」

「え……?そうだけど……」

「ここは僕に任せてよ。ラティオス!」

「しゅわぁーん!!」

 

 もう一人の私が乗ったラティオスがウツロイド相手の大群を相手に一匹で突っ込んで行く。

 いくら伝説のポケモンだとしてもあの量を相手はさすがに厳しい。そう思いましたが、ラティオスはドラゴンクローでウツロイドを切り裂き、ラスターパージで撃ち抜き、戦闘不能にして確実に数を減らしていく。

 強い……!!

 

「終わらせるよラティオス、りゅうせいぐん!!」

「……!!しゅわぁぁーん!!!」

 

 空から無数の流星が全てのウツロイドに降り注ぎ、ウツロイドはたった一匹のラティオスによって一匹残らず戦闘不能になりウルトラホールへ戻って行きました。

 

「やぁ、僕」

「あなたが……」

「ああ、この世界のリラだよ。……君の事はサトシから色々と聞いているよ」

 

「リラさんがもう一人……」

「ウツロイドを倒した方がサトシの言っていたリラさんか……!」

「どうしてラティオスに……!?」

 

 私もウルトラガーディアンズの皆さんも私がもう一人現れた事に驚いています……

 

 私達はポケモンスクールに行き、この世界の私と話をする事になりました。

 

 ────────────────

 

 ─────アローラ地方・ポケモンスクール

 

 ……さて、面白そうだから会いに来たけど、中々奇妙な状況だね……

 

「ねぇ僕、君って本当に記憶喪失なの?」

「はい。この世界に来る前の記憶はリラという名前以外一つも……」

「なるほどね……君、元の世界に戻った所で記憶がなければ大変だよね」

「それは……そうですね……」

「じゃあ……君、ラティオス持ってる?」

 

 ラティオスの力でもう一人の僕の昔の記憶を見る事なら出来るかもしれない。

 

「いえ……」

「あ、手持ちのポケモンは違うんだ……フーディンとメタグロスはいるって聞いてたからてっきりラティオスも持ってるのかと……」

「ごめんなさい……」

 

 もう一人の僕はラティオスを持っていないらしい。

 となると……うーん…………

 

「ねぇ、何かいい案ないかな?」

 

 教室の席に座って二人の僕を眺めていたサトシのクラスメイト達にも聞いてみた。

 

「わたくしはほしぐもちゃん……ソルガレオに思い出の場所へ連れて行ってもらって、シルヴァディにザオボーから助けられて忘れていた事を思い出しました。……でも……」

「世界が違うしそのソルガレオは今サトシと一緒か……」

「ねぇ!リラさん同士でバトルしてみたらどう?リラさん、サトシとバトルしてる時、こっちの世界のリラさんみたいな話し方になってたよ!」

「え、そうなの?」

「そうだったんですね……?」

 

 サトシとバトルしたら人格が戻りかけたらしい。

 やってみようか……

 

「他に思いつかないし、やる?」

「……はい!」

「よーし……!バトルしようぜっ!……なんてね」

 

────────────────────────

 

 

 ─────────???

 

「ここは……ハウオリシティ……だよな?」

 

 次の世界に到着した。

 見たところ、アローラのハウオリシティのようだ。

 

「さて、ソルガレオ、一旦カントー地方に……」

「あっ!サトシさん!」

「ん?」

 

 ソルガレオにカントー地方へ向かって貰おうとすると、白と水色の服を着た男の子が話しかけてきた。

 この世界のオレの知り合いかな。

 

「お久しぶりです!」

「あー、オレ、君の知ってるサトシじゃないんだ。別の世界から来てさ……」

「…………???」

 

 オレはこの子に軽く説明をした。

 

「あ、わかった!リラさんと同じですね!」

「リラ!?知ってるのか!?」

「はい!」

「え、それでリラはどこに?」

「リラさん……よくバトルツリーで会いますよ。休暇を楽しんでます」

 

 この子はリラの知り合いらしい。

 ……また別世界から来たリラ……?増えるのか……

 

「ありがとう、行ってみる!……ところでさ、君から何か感じるんだけど……懐かしい何かを……」

「……?ああ、多分……」

「コウガ!」

「……え!?」

 

 この子はモンスターボールからゲッコウガを出した。

 オレのゲッコウガにそっくりだ……

 

「お前……ゲッコウガ、だよな?」

「コウ」

「だよな。……何で君が持ってるの!?」

「この世界のあなたに託されたんです。ほら、これ」

「ん?手紙?『サンへ 手紙を読んでいるということはアローラ地方に到着だな!引越しお疲れ様!君に託したポケモン ゲッコウガは元気かい?あいつは熱いのが好きだからな!暑いアローラで熱いポケモン勝負を頼むぜ!!』送り主は……書いてないけど……これオレの字だな」

 

 男の子──サンはオレに手紙を見せた。

 サンがこの地方へ引っ越して来た時にオレからもらった手紙のようだ。

 本当にゲッコウガを託したんだな……

 

「ゲッコウガ、サンと一緒にいるのは楽しいか?」

「コウガ!」

「そっか……!ちょっと寂しいけどサンと元気でな!サンもゲッコウガの事頼んだ!……なんて、別世界のオレが言う事じゃないか……」

「いえ、気持ちは伝わります。任せてください!」

「ならいっか!それじゃ、オレ達そろそろ行くよ。ソルガレオ、とりあえずカントー地方に飛んでくれ!」

「ラリオーナ!!」

「じゃあなー!サン!」

 

 オレ達はサンとゲッコウガに別れを告げ、カントー地方へ向かった。

 カントー地方のバトルタワーを訪れると、そこにはオレの知ってるリラより少し成長したリラがいた。

 またリラが二人いる世界か……

 

「久しぶりにサトシさんとバトルしたくなったね、ゲッコウガ」

「コウガ!」

「あー!今年のPWCSまだかなー!」

 

 

──────────────────────

 

 

 ──────アローラ地方・ポケモンスクール

 

「それじゃあ、戦ろうか!」

「はい!」

 

 この世界の僕と別世界の僕はサトシの学校のグラウンドにあるバトルフィールドに立った。

 シングルバトルで使えるポケモンは三匹まで、審判はククイ博士だ。

 

「行きます!フーディン!」

「Go! My friend!!」

 

「フー!!」

「ららいー!!」

 

 別世界の僕はフーディンを、僕はライコウを繰り出した。

 

「参ります!フーディン、サイケこうせん!」

「ライコウ、10まんボルト!」

 

「フー……ディン!!!」

「ららいーー!!!」

 

 フーディンのサイケこうせんとライコウの10まんボルトがぶつかり合う。

 

「きあいパンチです!」

「まもる!」

 

「フー!!」

「……!!!」

 

 まもるでフーディンの攻撃を防いだ。

 

「シャドーボール!!」

「ららいー!!」

 

「……!?」

「フーディン!」

 

 シャドーボールがフーディンに命中した。

 効果は抜群だ。

 

「もう一度シャドーボール!」

「きあいだま!」

 

 シャドーボールときあいだまが激突し、爆発した。

 爆煙でフーディンが見えない……

 

「フーディン、じこさいせいです」

「フー……!!」

 

「(ライコウ、行けるかい?)」

「らい……!!」

「(よし、ボルトチェンジ!)」

「……!!!」

 

「……!?えっ!?」

「……!?フー!?」

 

 ライコウは爆煙に突っ込み、ボルトチェンジを決めた。

 ライコウはそのまま勢いよく僕のボールへ戻っていく。

 

「フーディン、大丈夫ですか……?」

「フー……!」

「今何が……?」

「…………」

 

「ライコウ、一旦休憩だね。Go! My friend!!」

「カビ!!」

 

 ライコウの代わりにカビゴンを繰り出した。

 

「(カビゴン、かみくだく!)」

「カビ……!!」

 

「……!?テレポート!」

「フー……!!」

 

 かみくだくはテレポートで躱された。

 もしかして心で指示を出せないのか……?

 

「(シャドーボール!)」

「カビ!!」

 

「……!!サイケこうせんです!」

「ディン!!」

 

 シャドーボールはサイケこうせんに相殺された。

 わからなくても対応出来ているのは流石僕だね……!

 

「連続でシャドーボール!(相手は別世界のとはいえ僕のフーディンだ。回避の方法は同じはず。回避先も読んで狙うんだ!)」

「カビ!カビっ!!!」

 

「指示を出した……!躱してください!」

「フー……!……!?」

「……読まれた!?テレポート!」

「ディン!……フー!?」

「フーディン!」

 

 カビゴンはフーディンの回避先を先読みし、シャドーボールを決めていく。

 

「(とどめだ、おんがえし!)」

「カビィィィィ!!!」

 

「ディン!?」

 

「フーディン、戦闘不能!」

 

 おんがえしが決まり、フーディンは倒れた。

 

「フーディン、お疲れ様です。ゆっくり休んでください……」

 

「やったね、カビゴン!」

「カビ!!」

「ねぇ僕!君も僕なら同じように出来るはずだよ!」

「え?」

「ポケモンと心を一つにするんだ、そうすれば出来るよ!」

「心を一つに……はい、やってみます……!行きましょう、メタグロス!」

 

 もう一人の僕はメタグロスを繰り出した。

 

「メタグロス、コメットパンチ!」

「メタッ!!」

 

「カビ……!!」

「(ああ、真っ向勝負で行こう。アームハンマー!)」

「カビッ!!」

 

 コメットパンチとアームハンマーが激しくぶつかり合う。パワーは互角で二人とも一歩も引かない。

 

「(のしかかり!)」

「カビ!!」

 

「てっぺき!」

「メタっ!!」

 

 のしかかりはてっぺきで防御力を上げて防がれた。

 

「コメットパンチ!」

「メッタァ!!!」

 

「カビ!?……!!」

「(うん、やり返そう!吹き飛ばされたままはかいこうせん!)」

「カビィィィィ!!!」

 

 のしかかりを防がれ、隙ができた所にコメットパンチを決められ吹き飛ばされたが、カビゴンはそのままはかいこうせんを放った。

 

「メタ!」

「迎え撃ちたいんですね!はかいこうせん!!」

「メッタァァァ!!!」

 

 メタグロスも対抗してはかいこうせんを放った。

 二つのはかいこうせんが衝突し、大爆発が起こる。

 

「カビ……!!」

「メタ……!!」

 

「二人ともまだまだやれるみたいだね」

「そのようですね。続けましょう!」

「うん!」

 

 爆煙が晴れた。カビゴンとメタグロスは少し息を切らしながら向かい合っている。

 

「(カビゴン、アームハンマー!)」

「コメットパンチ!」

 

「カビ!!」

「メタ!!」

 

 再びアームハンマーとコメットパンチが激突する。

 今回もパワーは互角だ。

 

「メタァァァ……!!メタ!」

「……!(わかりました……!はかいこうせん!!)」

「メタ……ッ!?……メッタァァァ!!!」

 

「カビ!?」

「カビゴン!?」

 

 メタグロスは突然コメットパンチを解除してアームハンマーを受けた。その直後に至近距離からはかいこうせんをカビゴンに決めた。

 

「大丈夫かい?カビゴン?」

「カビ……!」

「調子出てきたみたいだね……!」

「うん!……次で決める!(コメットパンチ!)」

「メタァァァ!!」

「(こっちも負けてられないね……!アームハンマー!)」

「カビッ!!!」

 

 メタグロスのコメットパンチとカビゴンのアームハンマーが三度激突した。

 技の衝突した衝撃が大きく響く。

 

「カ……カビ……」

「メタ…………」

 

「カビゴン、メタグロス、共に戦闘不能!」

 

 カビゴンとメタグロスは同時に倒れた。

 もう一人の僕、このバトルが始まる前よりもいい表情になったな……!

 

「お疲れ様、メタグロス」

「カビゴン、ゆっくり休んでおくれ」

「楽しいね!このバトル!」

「うん!僕も楽しい!」

 

「なんか……リラさんの口調変わってない?」

「あれが元のリラさんの性格なのでしょうね」

 

「これで残る手持ちはこの子だけ……でも、負けないからね!」

「そう来なくっちゃ!……さぁ、始めようよ!」

「「Go! My friend!!」」

 

「バウ!!」

「しゅわぁぁーーん!!!」

 

 もう一人の僕はルカリオを、僕はラティオスを繰り出した。

 ルカリオもラティオスもメガストーンを持っている。

 

「さぁやるよ、ラティオス!」

「ルカリオ、私達も!」

 

 

「「以心伝心……!!メガシンカ!!」」

 

 

「しゅわぁぁーーん!!!!!」

「バウッ!!!!!」

 

 ラティオスとルカリオはメガラティオスとメガルカリオにメガシンカした。

 

「行くよ!(ラティオス、10まんボルト!)」

「(ルカリオ、はどうだん!)」

 

「しゅわぁぁぁーーん!!」

「ゥゥゥ……!!バウッ!!」

 

「(ドラゴンクロー!)」

「(グロウパンチ!)」

 

 10まんボルトとはどうだんが、ドラゴンクローとはどうだんが激しくぶつかり合う。

 

「バウゥゥゥ……!!」

「(ルカリオ、インファイトにチェンジ!)」

「……!!バウッ!!!」

 

「……ッ!?」

「何!?」

 

 ルカリオはグロウパンチをインファイトにチェンジしてドラゴンクローに競り勝った。やるな……!

 

「(連続ではどうだん!)」

「バウ!!」

 

「サトシ、技を借りるよ!(回転しながら10まんボルト!)」

「しゅわぁーん!!」

 

「……!?」

 

 シンオウリーグでサトシが使っていた技をパクらせてもらった。カウンターシールドって言うんだっけ?

 ラティオスは10まんボルトで渦を作り、はどうだんを渦に巻き込んだ。

 

「(サイコキネシス!)」

「…………!!」

 

 ラティオスは渦に巻き込まれた多くのはどうだんをサイコキネシスで操り、一つの大きなはどうだんに纏めた。

 

「お返しだよ!(ラスターパージ!)」

「しゅわぁぁぁーーん!!!」

 

 巨大なはどうだんはラスターパージでルカリオへ打ち返された。

 

「負けられない……!(ルカリオ!)」

「……!」

「(心を一つに……!!)」

「バウ!バウゥゥゥ……!!!」

 

「……!?」

「一体何を……?」

 

「いっけぇぇぇ!!!!!」

「バウゥゥゥ!!!!!」

 

 ルカリオが跳ね返したはどうだんよりも大きなはどうだんを作り出した。

 

 打ち返したはどうだんと新たに作られたはどうだんが激突する。二つとも凄まじい力で、カビゴンとメタグロスの時とは比べ物にならない程の衝撃が辺りに響いた。

 

「次で……」

「決める!!」

「ルカリオ!はどうだん!!」

「ラティオス!りゅうせいぐん!!」

 

「ウゥゥゥ……!!バウッ!!!!!」

「しゅわぁぁぁーーん!!!!!」

 

 

ドォォォーーーン!!!!!

 

 

 ラティオスとルカリオの残る全ての力を込めたりゅうせいぐんとはどうだんが両者に炸裂した。

 

 技が決まったタイミングで二つの大爆発が起こった。

 

「…………バウっ……」

「…………しゅわぁーん……」

「……私の負け……だね……」

 

「ルカリオ、ラティオス、共に戦闘不能!よって勝者、フロンティアブレーンのリラ!」

 

「やったねラティオス!お疲れ様!」

「お疲れ様、ルカリオ。ゆっくり休んでね」

 

 ラティオスとルカリオが同時に戦闘不能になった。

 僕にはライコウがまだ残っているから、このバトルは僕の勝ちだ。

 

「楽しかったね。どうだい?少しは何か思い出した?」

「ううん……でも……もう少しで思い出せる気がする……」

 

 記憶は復活しなかったみたいだ。

 でももう心配なさそうだね。

 

「そっか。……じゃあ、後は恋の力に任せよっか?」

「ふぇっ!?恋ってそんな……!私、記憶もないんだよ……?」

「なになに!?なんの話!?」

「後はサトシが探しに行ってる世界のサトシに任せようって話!」

「元の世界のサトシに……?」

「君、薄々気付いてるんでしょ。記憶を失くす前の君が、サトシの事好きだったんだって」

「それは……そうだけどぉ……!」

「え!?リラさん、サトシが好きだったんですか!?」

「うっそ!マジで!?」

 

 もう一人の僕がすごく顔を赤くして恥ずかしがっている。……同じ僕なのにかわいいな…………

 

「やっぱりどこの世界でも僕は僕なんだねぇ?」

「あうぅ……」

「……ん?」

「……ん?」

「……え?」

「……あれ?」

「……あら?」

「え?僕変なこと言った?」

 

 サトシのクラスメイト達に?が浮かんでいる……

 

 …………なんで?

 

「「どこの世界でも僕は僕」ってことは……」

「……?……あ」

「こっちの世界のリラさんもサトシの事が……?」

「〜〜〜!!!待って!!忘れて!!」

 

 しまった……!バレた……!よりによってサトシと毎日会うクラスメイトに……!

 

「リラさん……詳しく聞かせて!!」

「聞かせてください!!」

 

「わぁぁぁ!!!逃げるよ!僕!!」

「え!?ええぇぇぇぇ!!?」

 

 僕はもう一人の僕を連れてポケモンスクールから逃げ出した。

 ……サトシにバラされないよね……!?大丈夫だよね!?

 

 

──────────────────────

 

 

 ────────???

 

「ここは……わかんない……オレが来たことない街だな。……あ、街の地図あるじゃん。なになに?シュートシティ……わかんない……」

「ピカピ!ピカチュ!!」

「……?おー!でっかいテレビ!……え?」

 

『本日紹介するのは世界ランク2位!初の出場、そして優勝から十年!初のアローラチャンピオンにして、無敗の王者だったダンデ選手を下したカントー地方の誇るポケモントレーナー!サトシ選手!』

 

 ……え?アローラチャンピオン……?優勝……?

 

 この街の大きなテレビに何故かオレが映った。

 なんか大人っぽくなってるけどどう見てもオレだ。

 十年前に初出場って話してたし、少なくとも十年後のオレって事だな……

 

 オレめちゃくちゃネタバレ食らってね!?

 

 大きなテレビにはオレが未来で経験する(らしい)オレのバトルがダイジェストで流されている。

 シロナさんとのバトルに、ダンデさんというトレーナー……世界チャンピオンの人とのバトル……アイリスとのバトル……アイリス!?

 

『本日は世界ランク2位のサトシ選手の特集でした!PWCS開催まであと一ヶ月!サトシ選手のアツい試合に期待です!』

 

 テレビは別の映像が流され始めた。

 ……ちょっと会ってみたいな……

 

 ……もう一つ気になった事がある……

 

「なぁ、何でオレ、リラのやつっぽい服着てるんだ……?」

 

 テレビに映るオレは何故かリラの服に似た服を着ていた。

 ああいう服作らないよな、ママは。

 

「……会いに行ってみるか」

 

 いるかわからないけど、オレはソルガレオに乗ってこの世界のマサラタウンへ向かった。

 

 ────カントー地方・マサラタウン

 

「さて、マサラタウンでオレの居そうな所は……」

「ピカっチュ!」

「ああ!オーキド博士の所だよな!」

 

 マサラタウンに到着し、オレはオーキド研究所に向かった。

 

「沢山の人達に説明するのめんどくさいからな……見つからないようにこっそり……」

「ピーカ……」

「ラリオーナ……」

 

「フィー?」

 

「……!?なんだエーフィか……」

 

 フシギダネにでもオレがいるか聞こうとオーキド博士の研究所に忍び込もうとすると、柵の奥にいたエーフィに見つかった。……びっくりしたぁ……

 

「大丈夫。怪しくないから」

「フィー?エーフィ!」

「えっ?ちょっと!?」

 

 エーフィは柵を伝ってピカチュウと反対側のオレの肩に乗ってきた。

 ……困ったなぁ……

 

「エーフィ!どこだ!」

「エーフィ、お前のトレーナーか?やけに焦ってるけど……?」

 

 研究所にある自然の奥からエーフィのトレーナーらしき人が焦ってエーフィを呼ぶ声が聞こえてきた。

 

「……!!エーフィ!ダメだろ!急にいなくなったら!!」

「お、おい、強く言い過ぎだって!」

「……あっ!ごめんエーフィ……オレ……」

 

 エーフィのトレーナーは酷く取り乱してエーフィに怒る。言い過ぎだと注意すると少し落ち着いたみたいで、すぐエーフィに謝った。

 よかった。いいトレーナーみたいで……

 エーフィってイーブイが懐いて進化するポケモンだからいいトレーナーなのは当然か……

 

「フィ……!?」

「「ピカ……!?」」

 

「はい、どうぞ!オレ、サトシ!こっちは相棒のピカチュウと、今一緒に旅してるソルガレオ!あなたは?って……!?」

「ありがとう……エーフィ……よかった……オレはサトシ。こっちは相棒のピカチュウ。……って、えええええええええ!!?」

「「オレぇぇぇ!!?」」

 

 オレはエーフィをトレーナーに返した。

 

 ……エーフィのトレーナーはオレだった……!?

 

「……ソルガレオか。オレの知ってるソルガレオとは似てるけど違う……ということは別の世界から来たって事か」

「よくわかったな!そうなんだよ!」

 

 この世界のオレはピカチュウを肩に乗せ、オレが返したエーフィをとても大切そうに抱きしめている。

 ソルガレオを見ただけでオレが別世界から来た事を察したようだ。

 

「大事なエーフィなんだな。ポケモンスクールを卒業してから捕まえたのか?」

「いや……こいつは……いなくなったオレの友達のポケモンなんだ……」

「いなくなった友達……?」

 

 このエーフィはこの世界のオレのポケモンじゃなくて、いなくなった友達のポケモンらしい。

 

 ……もしかしてこのエーフィ…………

 

「ちょっとごめんな。……やっぱり」

「……!!!おい……返せ!!」

「……!?ごめんごめんごめん!ちゃんと返すから!」

「待てよ……?何でオレがエーフィのモンスターボールを……?」

 

 エーフィは元の世界でリラから預かった空のモンスターボールに入った。

 ということは……この世界か。

 

 この世界のオレは激昂してオレに掴みかかってきた。

 オレはエーフィをボールから出し、この世界のオレに返した。

 

「そのエーフィのトレーナー、リラだろ?」

「……ああ。もしかして……」

「うん、オレの世界にいるんだ。……記憶は失くしちゃってるけど……」

「記憶を……でも……生きてるんだな……?」

「もちろん!」

「よかった……」

 

 この世界のオレはとても安堵した表情になった。

 

「なぁオレ、リラのいる世界に連れて行ってくれないか?」

「え?一回戻って連れて来ようと思ってたんだけど……」

「頼む。すぐにでも会いたいんだ……」

「わかった!行こうぜ!」

 

 オレ達はソルガレオに乗り、元の世界へ戻って行った。

 これで全てが終わる……

 

「そういえば、何でリラと同じような格好してるんだ?」

「ああこれ?オレ今タワータイクーンやっててさ、あそこのコスチューム的なやつで着てるんだ。……まぁ、リラを忘れないために着てるのが大きいんだけどさ」

「へぇ……えええええ!?オレがフロンティアブレーン!?うっそぉ!?」

「制覇した時は断ったもんな。と言っても、リラが戻ってくるまでの代理だよ」

「あ、そういうことか……」

 

 

 ▼TO BE CONTINUED……




ラティオスが出てくるところはフリーダムガンダムが登場したシーンのオマージュにしてます。
大人になったサトシ君は「!」少なめでちょっと元気ないです。あとエーフィがいなくなったらめちゃくちゃ慌てて動揺して焦って情緒不安定になります。
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