E2、つい先程、甲でクリアできました。初めての甲クリアです!
報酬の大発が欲しくて挑戦したんだけど、資源がどんどん溶けていき、イベ完走が厳しくなりそうだから諦めようかと思っていた矢先でした。
最終的に大和と武蔵を投入したけど悔いはない。ありがとう、大和。
秋刀魚は50尾達成し、四式重爆 飛龍+イ号一型甲 誘導弾を獲得済。これも甲クリアに貢献してくれました。
あとは拡張任務。長波様とのカッコカリは現時点では厳しそうだから、南海掘り、間に合うかなぁ。
新規お迎えはネルソン、アイツヴォル、シェフィールド。プリンツ・オイゲンも2人追加。
あと、艦隊司令部施設を初めて載せたんですが、撤退できる艦、1度に大破艦1人だけだったんですね。
……ごめんねタシュケント。そして、お帰りタシュケント。
曙の件以外は特に事件もなく数日が過ぎたある日のこと。
「あの、提督……少し、よろしいでしょうか?」
困った顔で大淀が俺の机の前に立った。
「どうした?」
「実は資源のことで、確認したいことがありまして」
言いながら大淀が書類を差し出してくる。内容は先の言葉のとおり、資源の収支についてのものだ。
その日に獲得した資源量と、消費した資源量が書いてある。特におかしな点があるようには見えない。視線で問うと、大淀が一点を指した。
「燃料の消費量なのですが、少ないんです」
「少ない?」
出ていく物が少ない、というのは結構なことだ。でも、そういうことじゃないんだろう。
「それは、横須賀本鎮守府と比較して、ということか?」
「あちらは1日の収支がここよりも大きいので、それと単純比較していいものではありませんが、1艦隊の出撃単位で見ても、少ないような気がして」
出撃単位で、ということは、帰還後の補給に要した資源量が少ないってことか? 基本的に帰還後には満載するように指示は出してるし、別にけちってるわけじゃないはずだ。それなら出撃した艦娘達が何か言ってくるだろうし。
「明石達が誤魔化している……というのはないな。意味がない」
補給や回収で鎮守府に持ち込まれた資源は、明石と夕張が管理している。書類上の数字が誤魔化されるとしたら、そこでしか無理だけど、そんなことをしていれば妖精さん達から『報告』があるだろう。自分で口にしてみたものの、あの2人がそんなことをするとも思えない。
それに過少報告する意図が分からない。実績より多く消費したことにして差分を着服するなら理解はできるけど、逆はなぁ。
妖精さんで思い出した。彼女らは自分達で使うために独自に資源を集めている。実際、大和建造時に使った資源は、鎮守府に残ってた物じゃなく、彼女らの蓄えだったし、今後の収集許可も出した。もしかして、そっちから補填してくれてるとか? いや、でもそれなら一言あるか。
「そうなると、数字は間違いではない、ということになるが、大淀は気になったのだろう?」
「はい……」
あれからも大淀は真面目に働いているし、妙な動きもない。よくよく聞けば、大淀は建造後の研修だけで配属されたわけじゃなく、あちらで実務を経験していたようだし。そんな彼女が気になるというなら、無視していいものではないと思う。
「艦娘の燃費に関するデータは、あったりするのか?」
「横本に、問い合わせてみてもよろしいでしょうか?」
「頼む。それから、こちらでも検証をしてみるか」
実際に艦娘を使って、消費量を計測してみよう。こういうデータは多いほうがいいだろうし。ん? データ? 艦娘の資料に諸元は掲載されていたはずだ。まずはそちらを確認してみるか。
「少ない、ですね。確かに」
資料から諸元の部分だけ引っ張ってきて、工廠に赴いて明石に確認したところ、そう答えた。
「そりゃあまぁ、作戦行動で常に同じ動きをするわけじゃないから、振れ幅はあると思いますよ? でも、戦闘がなかった場合の数値はそう大きく変わるものじゃないですし、そう考えると、振れ幅で説明するには乱暴かなと」
「消費量が減っているのなら、鎮守府の運営上ありがたいが、その原因がよく分からないのが引っ掛かるな」
「そうですね。ただ、手掛かりがゼロですし、現時点では統計をとるくらいしかできそうにないですね。そもそもうちだけの話なのか、っていうのもありますし」
「あ……」
明石が意気込むと、大淀が声を漏らした。
「どうした?」
「その、燃費がよくなる現象に、1つだけ心当たりが」
「というと?」
「ケッコンカッコカリです」
あー、あれか。そういえばそんな効果もあったっけ。
「何それ?」
明石が首を傾げる。うちには当分先の話だから、実物も届いていない。本土との交流もないから、知らないのも無理はないか。
「艦娘の練度が上限に達した際に、特別な艤装を装備すると限界を超えることが可能になるんだけど、その艤装が指輪型であることと、手続きに特別な書類が必要なことから、そんな俗称がついているの」
大淀が明石達に説明してくれた。
「そんな物があるんだ。それで燃費が向上するの?」
「16%強くらい。ただ、ここの艦娘は当然練度上限には達していないし、指輪もないから」
現象としては同じでも、実際のそれとは違う、ということだ。
「……そういえば、その他資源の消費量はどうなんだ?」
「不明です。こっちは諸元にもデータがありませんし、実際の艤装に合わせた規格の弾薬があるわけでもありませんから、把握も難しいんじゃないかなと」
艦娘の艤装で使われる弾薬は、兵器の規格に合った個別の物じゃなく、弾薬という資源だ。もし艤装ごとに規格が存在していたら、今頃は在庫管理で死んでるかもしれない。
「でも艤装から取り出した弾薬って、各艤装の規格に合った物に変わってるよね」
「艤装の中で、妖精さんが、積んだ弾薬をそれぞれの艤装に合う物に変換してるんだと思うけど……」
夕張の言葉に、明石が眉をひそめる。そんなことになってたのか。
「それ、元の資源としての弾薬に戻るのか?」
問うと、2人が首を横に振った。まぁ、妖精さん関連技術は、そういうものと受け止めるしかないんだろうか。建造ドックにしたって今の帝国――いや、人類には造れないし。
「しかし、弾薬消費量については検証のやりようはあるか。満載状態から、弾切れになるまで同一装備で何発撃てるか数えればいい。他の鎮守府のデータも必要になるが」
その辺は、宮君達に協力要請してもいい。あちらもそういうデータは欲しがるだろうし。
「んー……無駄玉で消費はしたくないですから、砲撃訓練とかをする時に合わせて行うのがよさそうですね」
「所属の戦闘艦全員でサンプリングしましょうか。燃費のほうは航行訓練で一定距離を航行してもらえば数値が出ますね」
明石と夕張が方針を組み上げていく。あとは2人に任せればいいか。
「それにしても。提督、よく燃費のことに気付けましたね?」
「いや、私ではない。これは大淀の手柄だ」
「ええっ!?
感心する夕張に、正直に答えると、大淀が狼狽えた。何だ、何も間違ってないだろ?
「大淀が? ねぇ、どうして気付けたの?」
「えぇっと……横本で見てきた書類と違和感があって、ですね……」
「ああ、横本での経験から導き出したってこと? ひょっとして、他にも色々有用なデータ持ってる?」
「え、あ、えっとぉ!?」
夕張が大淀へにじり寄る。夕張、データとか情報とか大好物みたいだからなぁ。
「おう、提督。戻ったぜ」
そこへ天龍達が帰ってきた。今日は護衛任務に出てたっけ。
「どうだった?」
「総員損傷無しだ。ほら、お土産」
格納庫から取り出したドラム缶を、天龍が手渡してくる。それを受け取ると、
「えっ? 怖っ……」
天龍が引いた。いや、この場の空気が固まった気がする。
「どうした?」
「いや、冗談のつもりだったのによ……どうして持ち上げられるんだよ?」
ドラム缶だ。中身は燃料だろう。つまり、200kg近くあるわけだ。普通の人間じゃ、まず持ち上げられない。俺の筋力が普通じゃないの、正式には話してなかったっけ。
「あ、あー……重たいなぁ」
「いや、遅ぇよ」
ドラム缶を床に下ろすも、誤魔化すのは無理らしい。
「て、提督……これは一体?」
「「詳しく」」
大淀が躊躇いがちに、工廠コンビが食い気味に聞いてくる。あー、もういいか。
ここに着任してから気付いた、俺の身体の変化について説明した。
「原因は何だろう? ここに来るまでは普通だったってことは、この島由来ってこと?」
「気付いてなかっただけで、来る前からそうなってた可能性は?」
夕張と明石は原因に関心があるらしい。持ち込んだ私物を軽いとは感じなかったから、それはないと思う。
「大和さんが顕現した後で気付いたということは、大和さん由来な気がしますね」
大淀が自説を述べると、当事者が姿を見せた。皆の視線がそちらに集中する。
「はい、何でしょう?」
「俺の身体能力の話」
「あぁ、バレたんですか」
「というか今更だが。天龍と組み合った時に気付かれてると思ってた」
そう言うと、あー、と納得するような声がいくつか。
「考えてみたら、あの時の天龍さんが振りほどけないくらいの力が出てたんですね」
「その後、軽々と持ち上げて運んでたしね」
三日月と響がうんうん、と頷いている。お前達、あの時にもいたもんな。
「しれぇが天龍さんを持ち上げたんですか? どういう状況だったんです?」
「あー! あー! 何でもねぇっ! 忘れろっ!」
あの時にいなかった雪風が問うと、天龍が顔を真っ赤にして腕を振り回した。それ、余計に追及されるムーブじゃない?
「普通の人より力が強くて頑丈だなんて、艦娘みたいですね」
「……司令官は、艦娘だった? いや、男性だから、娘じゃなくて息子?」
白雪がそう言うと、響が首を傾げる。いや、俺は人間だから。普通、じゃないのは認めるけど。あ、そうだ。
「でも最近は、少し落ちてきてる気がするけどな」
「そうなんですか?」
「ああ。以前持てた物を重く感じるから」
「ふむ……でも艦娘と共通する部分は確かにあるわけで。艦娘規格の無線通話ができますし」
「大和が艤装を展開していたら、な」
「んー…………ひょっとして提督。艤装を動かせたりしませんかね?」
明石の言葉で、騒がしかった場が静かになった。俺が、艦娘の艤装を?
「いやいや。あれは艦娘と妖精さんがリンクすることで動くんだろう?」
「まあまあ、ものは試しで。そこにできあがったばかりの12cm単装砲があります」
明石の視線の先には、言ったとおりの物がある。いや、そう言われてもな。
「妖精さんはどうするんだ?」
「ここにいます」
大和の肩に、相棒が出現していた。お前、やる気なのか。皆も期待の眼差しを向けてくるし。
相棒が飛び降り、そのまま艤装に溶け込んでいった。何だか、やめとこうって言えない雰囲気になってきた。
単装砲を手にして移動する。皆も後ろからついてきた。
ドックの船着き場に着いたところで、海へと砲を向ける。
「……これ、皆、どうやって撃ってるんだ?」
「撃とうと思えば撃てるはずです」
つまり、意志が引き金になるわけか。どれ――っと、その前に後方の安全確認……ヨシ! 反動とか、受けきれるか分からないし。
あらためて単装砲に意識を向け、頭の中で引き金を引くイメージを作る。
ドンッ!
音と衝撃が生じた。反動はあったけど、今の大和の主砲のように身体が吹っ飛ぶことはなく、今の俺で押さえ込める程度だ。
どよめきと共に、ぱちぱちと拍手が聞こえた。
「撃てちゃいましたねぇ」
「撃てたなぁ」
……どうしよう。いや、でもこれ、相棒が撃っただけの可能性もある。妖精さん、単独で艤装を動かせるみたいだし。
「て、い、と、く」
言葉と同時に肩を掴まれた。夕張だ。目が怖い。
「使えるのはこれだけ? 艤装妖精は他の子でもいける? 海上に立てたりもするの?」
あー、これ、とことん付き合わされるやつだ。