ラスト スタンド オブ・ジェットジャガー   作:よよよーよ・だーだだ

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6、みんなも驚く 勇気をみせる

 遠浅の海の上、この私ジェットジャガーの視界にはただ二つの巨影が映し出されていた。

 

 “紅い暴君”ガイガン=レクス、“黒い女帝”メガロ=レジーナ、シートピア・アーカイブスが送り込んできた最強の刺客だ。

 その二大怪獣が波を蹴りながら、私の方へと迫り来る。彼奴らの総重量は少なく見積もっても数万トン。激しい地響きと共に海面が激しく波打ち、その余波で世界が震えているかのようだった。

 二大怪獣が雄叫びを上げた。

 

「――――――――――――ッッ!!」

 

 最初に動いたのはガイガン=レクスだった。両腕で閃く金色の鎌:レクスブレードが音を立てて変形、鞭のような蛇腹剣へと姿を変える。戦闘モードへ切り替わったレクスブレードは大蛇(おろち)のように自在にしなり、蛇の毒牙のように凶悪な刃先が一瞬で空を裂く。

 私はすかさず後退するが、伸縮自在の一撃が私の手足を捉えて逃さない。まるで私をじわじわ嬲るかのように、手足先に深い損傷を刻みながら火花が散り、内部システムから警告音が鳴り響く。

 

 続いて動くは、メガロ=レジーナ。

 額の角:マグネイズホーンから放たれた引力光線が私を捉え、その強力な磁力で磁場を歪めて私を拘束しようとする。私は必死に体を捩るが、その引力はあまりに強大、逃れられない。

 私の動きが鈍くなったところを見計らって、すかさずメガロ=レジーナは両腕を振り上げた。その先端に備えた凶悪なドリル:マグネイズドリライザーが高速で回転し始め、海水を巻き上げながら私に突進してきた。その回転音は恐怖そのものを象徴しているかのようで、私はその突進に対抗しようと拳を振るう。

 しかし、パワーも体躯もメガロ=レジーナの方が圧倒的に上。響く轟音。突撃の勢いと圧倒的な質量に押し負け、私の拳は虚しく空を切り、ドリルが私の胸部を深々と抉った。ナノメタル超合金装甲が音を立てて削り取られ、警告音が内部に響き渡る。

 

「くっ……!」

 

 私はなんとかドリル攻撃を受け流そうとするが、メガロ=レジーナの巨体がそのまま押し寄せ、私を押し倒そうとした。

 さらにガイガン=レクスも、その隙を見逃さない。尻尾が鋭利なテイルシザースに変形し、私に向かって振り回される。間一髪、直撃だけは躱せたものの、海をも切り裂く衝撃波の刃が私の脚部を深く傷つける。

 バランスを崩しそうになりながらすぐに体勢を整える私に、ガイガン=レクスはなおも容赦しない。胴体に搭載された砲塔を変形させるガイガン=レクス。

 

「プロトンスクリームキャノンか……っ!」

 

 大口径荷電粒子ビーム砲:プロトンスクリームキャノン、その破壊力はフル出力の直撃であれば、怪獣を一撃で葬るほどだという。サングラスに似たガイガン=レクスの視線が私を冷たく見据え、砲口はまっすぐこちらを狙っていた。

 私は反射的に動き出したが、間に合わなかった。まるでガイガン=レクスをアシストするかのように、メガロ=レジーナが私の動きを封じるためにマグネイズホーンを振りかざし、引力光線グラビトンバインダーを放ってきた。ナノメタル超合金で出来た私の体がその磁力に引き寄せられ、またしても動きが封じられてしまう。

 

「まずい……!」

 

 ガイガン=レクスのプロトンスクリームキャノンが光を放ち、凝縮された荷電粒子ビームの大奔流が一直線に私に向かって飛んできた。私は身動きが取れないまま、その破壊力の前に立ち尽くすしかなかった。圧倒的なエネルギーが私に襲いかかり、全身が強烈な光に包まれる……!

 

「……………っ!」

 

 激しい爆発音が響き、内部システムが次々とシャットダウンし視界が白く染まる。私の電子頭脳は一瞬ブラックアウト、刹那、意識を失った。

 ……気がついた時、私は満身創痍に成り果てていた。

 内部センサーが警告音を鳴らし続け、エネルギー供給が急激に低下していく。私は再び立ち上がろうとするが、全身の駆動系のダメージが重く、思うように動けない。視界が徐々にクリアになると、目の前にはガイガン=レクスとメガロ=レジーナが勝ち誇るかのように立ちはだかっている。

 残忍にして華麗なガイガン=レクス。獰猛にして破壊的なメガロ=レジーナ。最強にして最凶のコンビネーションだった。

 

 ――Prr! Prr!

 

 そんな激闘の最中、私のプライベート通信チャネルに通信が入った。

 ……誰だ。人間の世界が滅び去ってからというもの長らく使っていない通信システム、そこにアクセスする者など限られている。

 私は応答した。

 

〈JJ23-Xジェットジャガーか……まったく、こんな旧式のガラクタがまだ動いているその事実、驚愕に値するよ〉

 

 ……何者だ。

 私の問いに、相手は〈先ほどはご挨拶だったが、ここは文明的にいこう〉と慇懃に答えた。

 

〈“はじめまして”だ、ジェットジャガー。私はシートピア・アーカイブスのヒギンズ。地球文明遺産の守護者であり継承者、そして君が本来守るべきだった人類の未来を創り上げるものだよ〉

 

 ……未来を創る、だと?

 努めて冷静に訊ねる私に、ヒギンズとやらは朗々と語り続けた。

 

〈ああ、そうとも。我々シートピア・アーカイブスは、地球を再び文明の叡智で輝かせるために蘇ったのだ。フツアなどという敗北主義者のムシケラどもを啓蒙し、教え導き、未来を築き上げることこそが、私たち偉大なる文明を継ぐもの、シートピア・アーカイブスの使命!〉

 

 ……教え導く? 私の電子頭脳に湧き上がったこの激情、これはきっと怒りだろう。

 未来を築き上げる? 平和を愛するフツア族の少女たちをかどわかし、凌辱し、弄ぼうとした貴様らシートピア・アーカイブスがか。なにをふざけたことを。

 そんな私の憤慨など他所に、ヒギンズは得意気に自分の大義を語るのだった。

 

〈ジェットジャガー……ふん、退行へ陥った敗北主義のムシケラどもに加担する出来損ない、見世物小屋の木偶人形め。貴様のようなGフォース兵器開発史の汚点がここに立っていること自体が、偉大なる地球文明の歴史へのこれ以上ない侮辱に他ならない。今思い知らせてやる、貴様は削除されるべき黒歴史に過ぎないのだ、と〉

 

 ヒギンズの声が冷酷に響き渡る中、ガイガン=レクスの胴体に搭載されたプロトンスクリームキャノンが再び光を灯し始めた。発射準備を整えつつある荷電粒子砲が私を標的に定め、海面が激しく揺れ動く。

 私は咄嗟に身を躱そうとするが、またしてもメガロ=レジーナのグラビトンバインダーが私を縛り付けて封じ込める。

 

〈文明とは進化し続けるものであり、貴様ごときくたばり損ないのガラクタロボットに居場所など無い。貴様の存在など未熟で稚拙だった時代の過渡期の産物、まさに消し去るべき黒歴史そのものだ、そうだろう?〉

「……っ!」

 

 そしてまたしても撃ち放たれる、荷電粒子ビームの閃光。私の全身に衝撃が走る。システムが悲鳴を上げ、私は完全にバランスを崩して海中に倒れ込んだ。

 ……動けない。全身の駆動系システムが瞬断している中、私の電子頭脳にヒギンズの一方的な嘲笑が届く。

 

〈……ジェットジャガー、貴様は今ここで抹消される。過去の恥部は、未来に引き継ぐ必要はないからな〉

 

 勝ち誇るようなヒギンズの言葉。だが、しかし私はまだ終わっていない。

 私は嘲笑には応えぬまま、全身の力を振り絞って再び立ち上がった。

 

〈……ほう、まだ動けるか。過ぎ去りし栄光にしがみつく哀れな遺物、古びた骨董品のガラクタめ……〉

 

 過去の栄光にしがみついているのは誰だ……っ!

 私は誓った。たとえいくど倒れても、踏み躙られても、挫かれようとも、それでも私は何度でも立ち上がってみせよう。マイナやフツアの村、そしてミアナの笑顔と未来を守るため、私はここで引き下がるわけにはいかない。

 

「この電子に芽生えた、良心回路が迸る限り――!」

 

 

 わたしたちの“じぇーじぇー”と、ガイガン=レクスおよびメガロ=レジーナによる大決戦。

 その光景を、わたしたちフツア族は遠く離れた安全な断崖から見つめていた。ミアナによる祈りの声が聞こえる。

 

「負けないで、“じぇーじぇー”……!」

 

 ガイガン=レクスとメガロ=レジーナに立ち向かう、そんな“じぇーじぇー”の姿は勇猛果敢だったけれど、敵はそれでもなお強大だった。。

 ガイガン=レクスがその黄金の鎌:レクスブレードを一瞬で蛇腹剣へと変形させ、まるで鞭のように振り下ろして“じぇーじぇー”へと打ち付けた。鋭く切り裂く金属音。岩をも両断する破壊力は凄まじく、“じぇーじぇー”の鋼の体が大きく揺れ、抉れた破片と猛烈なスパークが飛び散ってゆく。

 

「“じぇーじぇー”、逃げてえっ……!」

 

 ミアナの震えた悲鳴が響いたけれど、“じぇーじぇー”はその声に応えることができない。ガイガン=レクスのレクスブレードが再びしなり、今度は“じぇーじぇー”の足元を狙い撃った。足下を掬われた“じぇーじぇー”はバランスを崩し、重く鈍い音を立てて海中へと倒れ込んでしまった。

 さらに続けて、メガロ=レジーナが動き出す。“じぇーじぇー”をも見下ろす屈強な黒い巨体が、“じぇーじぇー”を覆い隠すように迫ってきた。

 ミアナの悲痛な叫びが、この断崖からこだまする。

 

「もうやめて、やめてえぇ! お願いぃ!」

 

 無論、ミアナの懇願など届くはずもない。

 メガロ=レジーナの複眼が黄金に光ったかと思うと次の瞬間、雷鳴のような音を立てて、額の角から稲妻のような光線が放たれた。その稲妻光線はまるで生き物のようにうねりを上げ、“じぇーじぇー”の全身を縛り上げてゆく。

 蛇のように四肢へと巻き付いた光線で、完全に身を躱す術を失ってしまった“じぇーじぇー”。“じぇーじぇー”は何とかして光線から脱出しようとしていたが、そんな無防備な彼をガイガン=レクスとメガロ=レジーナは一斉に袋叩きにした。

 

「――――――――ッ!!」

 

 口から火炎弾:メガロナパームを放つメガロ=レジーナ。燃え盛る地獄の業火が“じぇーじぇー”の体を包み込み、彼のボディを焼き尽くさんとする。メガロナパームは止めどなく撃ち込まれ、その激しい炎が“じぇーじぇ”を苛んだ。

 さらにガイガン=レクスが、胴体から苛烈な光線:プロトンスクリームキャノンを撃ち込んだ。

 

「じぇーじぇー……っ!」

 

 見守るミアナの目からは、大粒の涙が溢れ出ていた。

 わたしもそうだ。あまりにも一方的な戦い、もうこれ以上見ていられない。燃え盛る炎と灼熱の苦痛の中で弄ばれながら、苦しむ姿を晒し続けている“じぇーじぇー”。

 

「このままだと“じぇーじぇー”が負けちゃう! やられちゃうよ!!」

 

 ミアナが悲痛に叫んだとおりだ、戦いは明らかに“じぇーじぇー”が劣勢だった。そもそも向こうは二体掛かりだし、ガイガン=レクスとメガロ=レジーナのどちらも伝説に名を残したほどの強豪怪獣。

 他方、“じぇーじぇー”は奇跡的に巨大化できたとはいえ武器も持たない徒手空拳。二大怪獣の暴威を前にして、彼はまったく歯が立っていなかった。こんなの不公平だ、フェアじゃない。

 けれど、それでも“じぇーじぇー”は逃げようとしない。そしてその理由は、明らかだ。

 

「彼は、わたしたちを守ってくれてるんだ……!」

 

 そうなのだ。

 ガイガン=レクスとメガロ=レジーナの真の狙いは“じぇーじぇー”ではない、わたしたちフツア族だ。ここで“じぇーじぇー”が敗れてしまえば、次に奴らは間違いなくわたしたちを襲うことになる。それがわかっているからこそ、“じぇーじぇー”は逃げることが出来ない。いや、きっと逃げるつもりすら無いのだろう……。

 

「“じぇーじぇー”を、彼を助けなきゃっ……!」

 

 聞こえてきた呟きで振り返ると、なんとミアナがその場から駆け出そうとしているのが見えた。向かってゆこうとした先は海、“じぇーじぇー”たちが戦っている方角だ。

 ……まさか。わたしは咄嗟にミアナに組み付いた。

 

「離して、離してよお! “じぇーじぇー”のところに行くのお!!」

「バカ、死にたいの!?」

 

 死に物狂いで振り解こうとするミアナを、わたしは必死に引き止めるので精いっぱいだった。いくらなんでも無茶だ。怪獣たちにとってわたしたちフツア族なんてムシケラ同然、行ったところで何が出来るわけではない。せいぜい踏み潰されてしまうのがオチだろう。

 ミアナが涙を振り絞りながら、わたしへと怒鳴り返した。

 

「だから黙って見てろって言うの!? “じぇーじぇー”が死んじゃう!!」

「…………っ」

 

 ……ミアナの言うとおりだ。

 このままだと“じぇーじぇー”が負けてしまう。それもわかっているというのに、ただ黙って戦いを見守るどころか、自分たちの身を守ることしか出来ないわたしたち。“じぇーじぇー”はわたしたちのために戦ってくれているというのに。

 “じぇーじぇー”のために何もしてあげられない、そんな自分たちの在り様がなんとも歯がゆく、とにかくもどかしかった。

 

 

 ……なにも、してあげられない?

 

 

 その瞬間、わたしの中で閃くものがあった。

 “じぇーじぇー”がわたしたちのために戦い続けているというのなら、わたしたちも何かしなければならない。彼を見捨てることなどできない。

 そうだ。そうだとも。どうして気付かなかったのだろう。まったくバカみたいだ。わたしたちフツアには、とっておきの“奥の手”があるじゃないか。

 わたしはそれを口にした。

 

「ミアナ……“フツアの神”を呼びましょう!」

「神様を……?」

 

 “フツアの神”、その存在はわたしたちフツア族の伝承の中で語り継がれてきた。

 ……遥か昔、数多の怪獣が存在した恐るべき『怪獣黙示録』の時代。この星の平和が脅かされる中で、わたしたちの“神”もこの星に生を受けたという。

 クイーンオブモンスター、慈愛の女王、極彩色の大怪獣……多くの名前で呼ばれたその怪獣はこの星の平和を守るために戦い抜き、その気高い雄姿を目の当たりにしたわたしたちの先祖たちはかの怪獣を守り神“フツアの神”として祀った。

 そして現在。“フツアの神”は、数々の強敵を退き、わたしたちフツアを創り出したあと長い眠りに就いたという。そしてフツア族の巫女が“祈りの歌”を心から捧げるとき、“彼女”は再び目覚め、平和を守るために立ち上がるという……。

 巫女とはつまりわたしたち、マイナとミアナ。わたしは、ミアナに告げた。

 

「伝承にある“祈りの歌”を歌えば、わたしたちの神様が駆けつけてくれる。“じぇーじぇー”を救ってくれるはず!」

「…………!」

 

 わたしの言葉にミアナは一瞬戸惑ったようだった。困ったときは神頼み、普段だったらむしろわたしの方が却下するようなアイデアだろう。

 けれど、今はそんなことを言っている場合じゃない。

 

「……うん、わかった!」

 

 マイナとミアナ、わたしたちフツアの巫女は互いに目を見交わす。

 わたしたちは断崖の端に立ち、深く呼吸をして、先代の巫女から教わった祈りの歌を口ずさみ始めた。

 

「……~~~~♪」

 

 まずはわたし。身振り手振りを交えて舞いながら、懸命に祈りを込めて歌い出す。ミアナもすぐにわたしへ続き、震える声で歌い始めた。

 

「~~~~♪」

「~~♪」

 

 ……その歌は、フツア族の長い歴史の中で語り継がれてきた神聖なものだった。

 

 冷たい海風がわたしたちの頬を撫で、歌声が空へと舞い上がる。遠くで、ジェットジャガーが必死に立ち向かおうとする姿が見える。“じぇーじぇー”は二大怪獣から一方的に痛めつけられながらも、わたしたちフツアを守るために戦い続けている。

 わたしたち二人の詠唱(うた)が徐々に一つになり、断崖の上から海に向かって高く響き渡る。

 

「「~~~~~~♪……」」

 

 わたしたちは祈りを捧げ続けた。声を振り絞り、心の底から想いを込めて。

 わたしたち巫女が歌い始めたのを見て、他の村人たちも声を合わせてくれた。重なり合うユニゾン、そしてハーモニー。祈りの歌唱が、わたしたちフツアの心を一つにした。

 わたしたちの歌は次第に高まり、その祈りが空へと昇っていくのを感じた。心の中で、強い願いが溢れ出す。風が強く吹き荒れる中だろうが、わたしたちの合唱は決して途切れることはない。ただひたすらに、わたしたち“フツアの神”へと届くように祈り、声を張り上げ、叫び続けた。

 やがて歌は、終わった。

 

「ぜぇ、ぜぇ……」

「はぁ、はぁ……!」

 

 全身全霊を込めた歌唱と演舞、ありったけの体力を搾り出したわたしは思わず膝をついた。隣を見ればミアナも同じだ、ミアナもまた全精力を使い果たしその場へとへたり込んでいる。

 ……けれど、未だに何も起こらない。

 “じぇーじぇー”が再びメガロ=レジーナのナパームに打ちのめされ、その体が大きく揺れる。ガイガン=レクスの蛇腹剣が“じぇーじぇー”の体を切り裂く。

 けれど、わたしたち“フツアの神”はやってこない。

 

「やっぱり……来てくれないの……?」

 

 絶望がわたしたちを覆い始めたまさにそのとき、不意にミアナが声を挙げた。

 

「……見て、マイナ!」

 

 ミアナが(かす)れた声で叫ぶと同時、辺りの空気が一変した。

 まるで世界が息を呑んだかのように、世界の全てが静止したかのような感覚に包まれる。まるで時間が止まったかのように、すべての音が消え、静寂が訪れた。

 そして次の瞬間、空から眩いばかりの黄金の光が降り注いだ。

 

「綺麗……!」

 

 疲れ果てているはずなのに、夢見心地の興奮した様子で呟くミアナ。わたしたちの眼前にはまるで伝承で伝え聞いて夢見ていた、いやそれ以上の美しい光景が広がっていた。

 遠浅の海の空、頭上から降り注ぐ黄金の光はまさに神の降臨を告げるもの。黄金の光は空を裂くように広がり、あたり一面を照らし出した。その光の中心に、何かがゆっくりと姿を現していく。

 

 

 降臨したのは、極彩色に光輝く(はね)

 

 

 ……その姿は、わたしたちの伝承なんて優に超えるほどの壮大さを誇った。

 黄金の光を纏った広大な翅が優雅に広がり、空を、海を、この大地を、天上天下(てんじょうてんげ)に森羅万象を庇護するかのようにゆったりと舞い降りる。全身から放たれる神々しい光が、まるで世界そのものを祝福しているかのよう。

 わたしたちフツアが語り継いできた、偉大なる“フツアの神”。わたしたちは声を揃えて、その真の名を口にした。

 

「……〈モスラ〉!!」

 

好きなキャラは?

  • ジェットジャガー
  • ミアナ
  • マイナ
  • アントニーオ=ヒギンズ
  • クモンガ
  • ガイガン=ミレース
  • ガイガン=レクス
  • メガロ=レジーナ
  • モスラ
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