これからも暇つぶしに読んで頂けたら嬉しいです。
人革連、ユニオンが、対ガンダムを想定した部隊を新設した。
世界はソレスタルビーイングへの対抗意識を明確にしてきている。
モラリア共和国にて行われたソレスタルビーイングのサードミッションは、結果を見れば鮮やかの一言だった。
モラリア共和国とPMCの総数約130機を相手に、たった4機のガンダムは無条件降伏での勝利を得たのだ。
しかし、そのガンダムのうちの一機、エクシアの不審な機動停止を確認したトリニティでは、ものものしい雰囲気が漂っていた。
「何故あのガンダムのパイロットは、最重要機密であるはずのガンダムマイスターの姿を晒したんだ?」
「俺達が分かるわけないだろ……」
「いいじゃないにぃにぃ♪アタシ彼のことが気に入ったわ♪無茶できるオトコノコって素敵じゃない♪」
「ネーナ、あーゆーのは考え無しのノータリンっつーんだ!あんなんに惚れんな!」
杓子定規で、規範を大事にするヨハンにぃは、ガンダムマイスターが作戦を停止してまで、最重要機密である姿を晒したことに、困惑と怒りを抱いているようだった。
そしてネーナは刹那に興味を持ち始めたようで、ミハにぃは刹那を明確に見下した。
ソレスタルビーイングのサードミッションについてうだうだ兄妹達と話しているとすぐに、新たなニュースが飛び込んできた。
ソレスタルビーイングを対象とした世界同時多発テロの発生。
あぁ、嫌な空気だ。
兄妹達が、モニターでバスが爆発する様を眺めながら、怪しく笑っている。
「ざまぁないわね」
「これでソレスタルビーイングの存在が、より人々にとって直接害を加えるものだという認識が広まるな」
「おぉ〜!派手なぶっ飛び様だな!」
俺は兄妹達を弱く諌めることしか出来ない。彼らの本質はもう、変わりようがないことをこれまでの10何年で分かっているのだ。俺は祈るように言葉を出した。
「あまり、人死にを愉しむものじゃないよ。みんな。」
「クロにぃはつまんないわね〜。いっつもそんなこと言うけど、ガンダムに乗ってる時一番楽しそうじゃない。説得力ないわよ」
「ネェゾ!ネェゾ!」
「ハロまで……。俺的には、戦場で死ぬのと、日常の中で死ぬのは全く別なんだよ。」
「俺達は常在戦場だ。俺達は常に敵に囲まれているということを理解しているのか?クロード。」
「ヨハンにぃ!言いたいことは分かってる!説教は勘弁してくれ……。」
「お前は可哀想だなー。こんな最高のショーを楽しめないなんてさ!」
俺は、本質的に今の家族と合わないことを実感する。こういう話をした日は孤独で、少し寂しくなる。
ニュースを見終え、各々が好きなことをする時間に入ると、俺はスローネフィアーのもとへ向かった。
フィアーの中は個室の病室のようだ。装飾なんてなくて、無機質だ。それでも、騒がしい家族といると、こういった空間が癒しになってしまう。ここには自分以外の誰も入って来れない。俺だけの世界なんだって。
網膜認証を行い、フィアーを機動させる。
「ヨハンにぃ、ちょっと出てくる。」
「また母艦のまわりをウロウロするのか。」
「あぁ」
「待ちな、俺も出るぜ」
「ミハにぃ……」
「折角だ、出力落として実戦訓練といこうぜ」
「いいね」
ミハにぃはあれで兄妹想いだ。多分、俺のストレス発散がてら戦ってくれるってことだろう。少し、兄貴の胸を借りるか。
トリニティ母艦を挟んで、上下に別れて俺達は展開した。
「「GN粒子散布完了。ファーストステップ開始(ィ!)」」
発声と共に、身を隠している小惑星郡を避けながら、ゆっくりと索敵をする。
数秒して、センサーが熱源を感知すると、自分が背にしていた小惑星の後ろからファングが接近してきている。
「もう気づかれたか!」
「見っけ!!全速で詰めてぶっ殺してやるぜ!!」
ファングの到達が早く、ビームが左脚部に当たる。これで左脚は機能停止判定となった。
尚も急速で接近するファングを、機体の全身を横にし、僅かに上昇することで、回避しながら通過するファングを切り裂いた。
「相変わらず変な動きだな!!三半規管がねェのかクロード!!」
周囲をファングが覆うように展開され始め、縦横無尽に動きながら斉射し始める。
ビームを冷静に回避しながら、ファングを2機落とした所で、機体の左後方下の小惑星の影から、スローネツヴァイが急速で接近してくる。
俺が機体をそこに向けた時には既にツヴァイの大型GNソードが振り下ろされていた。
「くっ!!??実体剣だぞ!?機体がおじゃんになったらどうする!!??少しは加減ってのをォ!!??」
「お前なら受け止められんだろォ!!今みたいによォ!!オラッ!やっちゃえよ!ファング!」
スローネツヴァイの接近で、射撃をやめていたファングが機体に集ってくる。ツヴァイとフィアーが鍔迫り合いを一瞬やめ、その隙間を縫うようにファングがフィアーに殺到した。
ファングがフィアーの機体表面に当たり、動きを止める。
ツヴァイのGNソードの刃が、フィアーの首の付け根の横に当たっている。このまま袈裟斬りにすることが出来る形だ。
フィアーのコックピットでは、アラームと被撃墜を知らせる文言がHUDに表示されていた。
「お前が苦しんでるのは知ってる。俺らみたいにお前が考えられないことも知ってる。だが、独りになろうとするな、クロード。お兄ちゃんはお前なんかよりずっと強ぇんだ。悩んでんなら話せよ。いつでもいいからな。」
「あぁ……ミハにぃ……心配かけてゴメン……。」
「いいから。そんなシケた面でネーナのとこ行くなよ!元気出せ!な!」
俺は、兄妹達の考え方に同調できない。でも、兄妹達が俺を気にかけてくれて、今まで俺を守ってくれた恩義には報いたい……。
兄妹達が死ぬ。その
テロリストの3つの活動拠点へ同時攻撃する4機のガンダム。特にデュナメスによる攻撃は凄まじいものだった。
俺はロックオンがテロリストを憎んでいるのを知っているから特に何も思わなかったが、兄妹達はその攻撃に満足しているようだった。「今回のミッションでは、狙撃型の動きがいい」とヨハンにぃが口からこぼしてくらいだ。
また、エクシアの戦闘が水中で分からず、やきもきしているようだった。
そこで、水中ではビームが減衰することなどから、ヨハンにぃとネーナのスローネは水中戦で苦戦するだろうと告げた。
そしてスローネ達は形状的にもそんなに水圧には強く無いだろうという事など、機体の運用について話したり、訓練したり、面白いコンテンツの話などをしていたら時間は過ぎていった。
そして、モニター越しではあるが、アザディスタンと国連との会合のニュースを開いていると、国連大使としてアレハンドロ・コーナーが出てきていた。正直小悪党には興味が無いし、流し見していた。他の兄妹達も自分の上司自体に興味は無いようだった。
「ソレスタルビーイングの監視者が国連大使ですって♪」
「あっそ〜」
ネーナと話がこれ以上広がらなかったくらいだ。
ミハにぃとネーナが、「お金持ちってのは良いけど、年増だしいけ好かないオジサンだわ♪」、「金だけ持ってるジジイなんか相手にするなよ。ネーナは可愛いんだからさ。」なんてやり取りしているのをぼんやりと聞いた……。
そうこうしていると、ラグナ・ハーヴェイから連絡が入り、静止衛星軌道上から離れるよう連絡が入った。人革連が通信子機を散布していると。
俺達は母艦を急いで動かし、暫くスローネが動かせないことになったと知り、少し気分が落ち込んだ。
しかし、人革連によるガンダム鹵獲作戦を受けてのプトレマイオスが受けた打撃や、ガンダムナドレの出現、ガンダムキュリオスの鹵獲など、ソレスタルビーイングや計画が受けたダメージは大きく、トリニティではソレスタルビーイングの練度不足や戦力不足に対しやきもきしていた。
「ラグナ・ハーヴェイはなんて〜?ヨハンにぃ」
「俺達はまだ待機だと」
「あそこまで人革連にやられてさぁ、俺達も早く出ないと、ソレスタルビーイングが負けちゃうんじゃないの?」
「俺も何故まだ俺達が動かされないのかは疑問だ。」
「なぁ、もう俺達はいつでも行けるんだからさ、勝手に始めちまおーぜ!?」
「ネーナさんせぇ〜。ずっとダラダラしてたってつまんないわ」
「俺達の
俺は流石にスローネも動かせない、ソレスタルビーイングに助力も出来ないとなれば、少しずつ鬱憤も溜まるもので、早めにトリニティは動き出して、ソレスタルビーイングにちゃんと協力する組織として動かした方がいいんじゃないかなんて考え出していた。
ラグナ・ハーヴェイや監視者達は何れ全員がイノベイドに取って代わられる。どうせ死ぬなら早めに殺して、スローネという力がある俺達が自由に動けるように、ヴェーダとの繋がりを得るべきではないか、なんて考え出していた。
そして、自分の攻撃性の高まりを自覚し、ストレスってのは良くないな、と思ったりした。
その日は、キュリオスによる超人機関の破壊映像を皆と観た。まだ戦えない俺達は、各々の戦いたいという想いを、ソレスタルビーイングに乗せていた。
俺達は、世界の
アザディスタン王国での太陽光発電が始まろうとしている。未だ混乱に塗れた中東のこの国で訪れた変革は、人々の叛意と紛争を引き起こす。
世界の歪みは何処にあるのか。
次回、聖者の帰還ーー。
この小説の本編開始まであと何話くらいになるか分からないですね……。結構飛ばし飛ばし進めてる感じですけど。。。