卒論や就活周りの関係でとても忙しく、前後編に分けて一旦投稿しようと思いました。
ファーストシーズンまでくらいは学生中に終わらせたいですね……。
ーー中国北西 タクラマカン砂漠 濃縮ウラン埋没地域にて
今、俺達トリニティはソレスタルビーイングのガンダムキュリオスとガンダムデュナメスによる、テロリストへの狙撃による攻撃を、機体を潜ませながら観察している。
「連合各国はこのテロリズムを黙認し、ソレスタルビーイングを誘き寄せる餌としていたのだな」
「あぁ、中々あくどい罠だよね」
「あはは♪すっごい数の雑魚ね♪」
「早く皆殺しにして、滅殺してやりたいぜ!!」
「我々はガンダムが連合各国の手に渡らぬよう、撤退の助力及び敵の可能な限りの破壊が任務だ。必要なことだけを為せ。」
今回の合同軍事演習に参加している部隊数は52。参加MS数は脅威の832機。ガンダムといえど、208倍もの機体数だ。俺は知っているが、当然無茶な作戦だ。
「この数のMS相手にやり合うなんて、ソレスタルビーイングも捨てたもんじゃない。だろ?ヨハンにぃ、ミハにぃ」
「ガンダムマイスターならば、如何なる作戦であっても成功させなければならない。義務の遂行に評価は与えん。」
「ハァン!!クロードはソレスタルビーイングが大好きだな!!今からでも向こうのチームに合流したらどうだ?」
「いいね。考えとく。」
瞬間、演習場から空を埋める光の束が、機体を反転し離脱しようとしていたガンダムキュリオスとガンダムデュナメスに向かう。
砲撃を受けながらポイントを移動したガンダム2機を俺達は見失った。
しばらくして、戦場を大きなビームが駆け抜ける。ガンダムヴァーチェとガンダムエクシアによる離脱ルートの確保が始まった。
また、ピンク色のティエレンとガンダムキュリオスが激しい戦闘を繰り広げ、被弾したティエレンの撤退と合わせてガンダムキュリオスもふらつきながらポイントを移動した。
「へっ!動きがわりーな!」
「戦場であのような動きは危険が過ぎる。ガンダムマイスターとしての能力を疑わざるを得ん。」
ガンダムに乗り、それなりにシュミレーションやマイスターとしての訓練を積んだ身として、確かにソレスタルビーイングのガンダムマイスターの動きにイチャモンを付けたくなる気持ちはわかってしまった。俺は、これじゃまるでサッカー観戦だ。自分を棚に上げて一喜一憂する見世物として、この戦いを覗いている感覚の存在に、自分のことながら呆れてしまった。
作戦開始から5時間。ソレスタルビーイングのガンダムは離脱ルートの確保は出来ず、全方向からの包囲や砲撃、波状攻撃によって、ソレスタルビーイングのガンダムはなかなか動けずにいた。
俺達は、アグリッサの出撃と、
(アグリッサ……。刹那の救出は俺とネーナで向かい、ここでサーシェスを落とせるか試すか……。それともロックオンの救出に向かい、グラハムを引かせるか……。ミッションプランではユニオンの部隊の撹乱の予定だが……。ここはトリニティのガンダムマイスターとしての務めを果たすか。)
追って、ラグナよりミッションプランが通達されたのは9時間後のことだった。空き時間はそれはそれは退屈なものだった。
ヨハンにぃは戦場を眺め、ガンダムと連合部隊との削り合いを常に確認しつつ機体のチェックなどを逐次行い、ミハにぃはコックピットのミニモニター上に足を置いて体を休めていた。たまにネーナに話を振られては、ひたすらネーナが気持ち良くなるような言葉を返していた。俺はアグリッサのデータと暇つぶしに何度もシミュレーションしながら、ネーナが話しかけてくればそれに返したり、ミハにぃが情操教育に良くないことを言えば、ネーナに俺の考え方などを伝えたりしていた。
この日頃のやり取りのおかげでネーナがパーティ会場への攻撃をやめてくれたらとは思うが、左慈とルイスの立場の違いと再びの歩み寄りは、ガンダムOOの最大のテーマである「対話」に至る為の重要な次官であるようにも思う。それに、ネーナ本人の癇癪の癖は治るものかというと疑問だ。
だが、パーティ会場襲撃は、俺自身のソレスタルビーイングへの合流といった目的の阻害になることは間違いない筈だ。
こうして考えすぎるのは退屈だからだろう。俺は思案を止めて、自由にフィアーで空を飛んでいる様を思い浮かべた。
砲撃が止んだ。連合のエースパイロットの投入、そして、俺達トリニティの出番だ。人でなしなのかもしれない。俺は戦いを目前にして、ただワクワクしていた。俺は俺のガンダムに既にゾッコンなんだ。この力を振るい、世界の歪みを断ち切る……生きて欲しい人が生きていられるように!!
「ネーナはガンダムエクシアへ。ミハエルはガンダムキュリオスだ。クロードはガンダムデュナメス。俺はガンダムヴァーチェだ。」
「ヘイヘーイ!!ようやくかよぉ!!破壊して!蹂躙して!殲滅してやる!!」
「フフッ♪もう暇で暇でしょうがなかったんだから!」
「フィアー、歪みを断ち切るぞ!」
「トリニティ、ミッションスタート!ファーストステップへ移行!それぞれ散開しろ!!」
「「「了解!!」」」
そうして3機の座天使達は空に赤い光の線を刻みながら飛び出した。
「見つけたぜ!ガンダム!」
AEUのエース、パトリックコーラサワーの駆るイナクトがガンダムヴァーチェに接近、切りかかる。
「ぐっ……!」
「おっと!どうした?動きが鈍いぜ!ガンダム!」
コーラサワーの駆るイナクトに張り付かれたヴァーチェは、他のAEUのMSの攻撃に対処出来ず、確保されてしまう。
「ぐわぁーー!!」
「ガンダム、確保!」
「良くやった!俺の、おかげだな!」
ガンダムキュリオスは消耗と超兵の共振反応により行動不能に陥った。
「中佐、羽付きを鹵獲します。」
「注意しろ、中尉。以前のようにいきなり動き出すやもしれん。」
「了解。」
オーバーフラッグス隊隊長、グラハム・エーカーの駆る特別チューンのオーバーフラッグが轟音を空に響かせる。
「コマンダー、目標視認。作戦行動に入る。オーバーフラッグス、フォーメーションEでミッションを開始する!」
「隊長!ジョシュアが!」
統率の取れたフォーメーションが崩れ、一機のオーバーフラッグが突出、ガンダムデュナメスへの接近を試みる。
「ジョシュア!フォーメーションを崩すな!」
「へっ!隊長ヅラして!!」
突出したジョシュアのオーバーフラッグがグラハムのような空中変形を見せる。
「空中変形?」
「いつまでも自分のものだけと思って!う……あ……何?」
そのままの勢いでガンダムデュナメスの横に接近するも、待ち構えていたようにガンダムデュナメスはGNビームピストルを向け撃ち抜いた。
「ジョシュアが!」
「ええい!フォーメーションをCに変更する!」
ジョシュアのオーバーフラッグを墜としたロックオンも、長時間の戦闘により既に消耗しきっていた。そこに編隊を組みながらグラハムが接近する。
「指先の感覚が……」
「抱き締めたいな!!ガンダムッ!!」
「ぐああぁぁ……!!」
ガンダムデュナメスの潜む谷間に、狙撃を回避しながら飛び込んだグラハムのオーバーフラッグは、土埃を巻き上げながら変形、ガンダムデュナメスに突貫する。
馬乗りになりながら動かないガンダムデュナメスの頭部を掴み上げるグラハム。
「まさに……眠り姫だ……。」